中型インコの中でも屈指の知能を持ち、おしゃべりやダンスが得意なことで知られるオキナインコ。
その愛くるしい姿と深い愛情表現に魅了され、お迎えを検討している方は非常に多いでしょう。
しかし、オキナインコをお迎えするにあたって避けて通れないのが「お金」の問題です。
生体価格そのものが高額であることに加え、特有の大きな鳴き声への対策費、そして30年近くに及ぶ長い寿命を支えるための維持費など、現実的に把握しておくべきコストは多岐にわたります。
本記事では、2026年現在の最新市場データに基づき、カラーバリエーションごとの生体価格相場から、見落としがちな初期費用、さらには生涯にかかるトータルコストまで、「オキナインコと暮らすためのリアルな家計簿」を余すことなく公開します。
もくじ
オキナインコの値段相場:2026年最新の市場動向
かつては「ノーマルグリーン」が主流だったオキナインコも、近年では海外からの輸入や国内ブリーダーによる繁殖が進み、驚くほど多様なカラーバリエーション(変異種)が見られるようになりました。
それに伴い、価格帯も非常に幅広くなっています。
2026年現在、オキナインコの生体価格は概ね8万円から25万円前後が一般的な相場です。
この価格の差は、主に「カラーの希少性」「性別」「ベタ慣れ度合い(手乗りかどうか)」、そして「購入先(ペットショップかブリーダーか)」によって決まります。
特にオキナインコは、中型インコの中でも非常に賢く、飼い主とのコミュニケーションを強く求める性質があるため、幼鳥期からしっかりと人の手で育てられた「手乗り個体」は、観賞用の個体よりも数万円高く設定される傾向にあります。
【カラー別】オキナインコの販売価格一覧表
オキナインコの価格を決定づける最大の要因は、その羽の色です。
ここでは、市場でよく見かける定番カラーから、入手困難な希少カラーまで、それぞれの価格目安を一覧にまとめました。
オキナインコの主なカラーと価格相場の一覧です。
| カラー名 | 特徴 | 価格相場(税込) |
| ノーマル(グリーン) | 野生種と同じ鮮やかな緑色。最も一般的で丈夫。 | 80,000円 〜 110,000円 |
| ブルー | 落ち着いた水色。非常に人気が高く、流通量も多い。 | 100,000円 〜 140,000円 |
| コバルト / モーヴ | ブルーよりも濃く、深みのある紺色や灰色。 | 130,000円 〜 180,000円 |
| ルチノー | 全身が鮮やかな黄色。赤目が特徴的な希少種。 | 180,000円 〜 250,000円 |
| アルビノ | 全身が真っ白。赤目を持ち、神秘的な外見。 | 180,000円 〜 250,000円 |
| シナモン / パリッド | 色合いが淡く、優しい印象を与える変異種。 | 120,000円 〜 160,000円 |
| スノーホワイト | アルビノに似るが、さらに透明感のある白色。 | 250,000円 〜 400,000円 |
※価格は2026年時点のペットショップ・ブリーダーの平均値であり、個体の健康状態や鑑定の有無により変動します。
ノーマル(グリーン)が選ばれる理由
最も安価なノーマルですが、決して「下位互換」ではありません。
野生の血が濃いため、他のカラーよりも体格がしっかりしており、環境の変化にも強いというメリットがあります。初めてオキナインコを飼育する方にとって、最も安心して迎えられる選択肢と言えるでしょう。
ブルー系の圧倒的な人気
現在、日本の家庭で最も多く飼育されているのはブルー系かもしれません。
日本の住宅環境にマッチする爽やかな色合いでありながら、ノーマルと大きく変わらない価格帯で流通しているため、「見た目の美しさと予算のバランス」を重視する層から絶大な支持を得ています。
希少色(ルチノー・アルビノ等)の価格高騰
ルチノーやアルビノといった「赤目系」や、複雑な遺伝子が絡むスノーホワイトなどは、繁殖が難しく流通数が極めて少ないため、価格が跳ね上がります。
これらの個体を探す場合、一般的なペットショップで見かけることは稀で、専門のブリーダーに予約を入れて数ヶ月から1年以上待つケースも珍しくありません。
生体価格だけじゃない?お迎え時にかかる初期費用の正体
オキナインコを飼い始める際、生体代金と同じくらい重要なのが「飼育用品」の予算です。
オキナインコは体が丈夫な部類に入りますが、その知能の高さと噛む力の強さ、そして何より「声の大きさ」を考慮した設備投資が不可欠です。
標準的な飼育セットを揃える場合の初期費用は、以下の通りです。
オキナインコのお迎えに必要な基本アイテムと費用目安です。
| 項目 | 内容・詳細 | 費用目安(税込) |
| ケージ(鳥かご) | 中型インコ用(465クラス以上)が必須。 | 15,000円 〜 30,000円 |
| 保温器具一式 | ヒーター、サーモスタットのセット。冬場の必須。 | 10,000円 〜 15,000円 |
| 防音アクリルケース | 鳴き声対策。住宅環境によっては必須。 | 40,000円 〜 80,000円 |
| エサ・サプリメント | ペレット、シード、ビタミン剤など。 | 3,000円 〜 5,000円 |
| おもちゃ・止まり木 | 破壊力が強いため、予備を含めて準備。 | 5,000円 〜 10,000円 |
| 健康診断費用 | お迎え直後の感染症検査・触診など。 | 10,000円 〜 20,000円 |
| 合計 | 最低限の設備から万全の体制まで | 約83,000円 〜 160,000円 |
ケージ選びの妥協は厳禁
オキナインコは非常に活発で、ケージ内でも激しく動き回ります。
セキセイインコ用のような小さなケージでは、尾羽が擦れてボロボロになるだけでなく、ストレスから「毛引き症(自分の羽を抜いてしまう心の病)」を発症するリスクが高まります。
最低でも「HOEI 465オカメ」程度のサイズを確保し、できればステンレス製の頑丈なものを選ぶことをおすすめします。
ステンレス製は高価(3〜5万円)ですが、錆びに強く、インコがケージを噛んで金属中毒を起こす心配がないため、長期的に見れば非常に安上がりな投資となります。
健康診断の重要性
一見元気そうに見える雛でも、目に見えない寄生虫やPBFD(オウム類嘴羽病)などの恐ろしいウイルスを持っている可能性があります。
お迎えしてすぐ、鳥を専門に診られる動物病院での健康診断を受けることは、飼い主としての義務と言っても過言ではありません。
特にDNA性別鑑定が済んでいない個体の場合、このタイミングで鑑定を依頼することになります(別途5,000円程度)。
「男の子だと思って育てていたら卵を産んだ」というトラブルを防ぐためにも、初期費用に含めておきましょう。
防音対策は必須?呼び鳴き対策にかかるコスト
オキナインコを飼育する上で、最も大きなハードルとなるのが「鳴き声」です。
その声量は、「工事現場の騒音(約100dB)」に匹敵するとも言われ、何の対策もなしにマンションや住宅密集地で飼育することは、近隣トラブルに直結する危険があります。
防音アクリルケースという選択肢
最も効果的な対策は、ケージを丸ごと覆う「防音用アクリルケース」の導入です。厚さ5mm程度のアクリル板で作られたケースは、高音域の鳴き声を大幅にカットしてくれます。
決して安くない買い物ですが、これがあるだけで「いつ鳴き出すか分からない」という飼い主の心理的ストレスが劇的に軽減されます。
オキナインコは飼い主の姿が見えないと大声で呼ぶ「呼び鳴き」が激しいため、都市部での飼育において、このコストは「必要経費」と割り切るべきでしょう。
防音カーテンと吸音材
アクリルケースに加えて、窓に防音カーテン(1.5万〜3万円)を設置したり、壁に吸音パネルを貼るなどの対策を組み合わせることで、より静かな環境を作ることができます。
「生体価格と同じくらいの防音予算」を見ておくことが、オキナインコ飼育を成功させる秘訣です。
毎月のエサ代・電気代・医療費:30年間の維持費シミュレーション
オキナインコの平均寿命は25〜30年と、非常に長寿です。
お迎えした時の喜びだけでなく、「自分の人生の30年をこの子に捧げる」という覚悟を、数字の面からも確認しておきましょう。
1ヶ月あたりのランニングコスト
2026年の物価水準を考慮した、標準的な1ヶ月の維持費は以下の通りです。
オキナインコ1羽あたりの月間飼育コストです。
| 項目 | 費用目安(月額) | 備考 |
| エサ代(ペレット・副食) | 2,000円 〜 3,000円 | 高品質なペレットを推奨。 |
| 電気代(エアコン・保温) | 2,000円 〜 5,000円 | 夏冬の温度管理が命。 |
| 消耗品(底紙・玩具等) | 1,000円 〜 2,000円 | 破壊したおもちゃの買い替え。 |
| 医療費積立 | 3,000円 〜 5,000円 | 急な病気や年1回の検診用。 |
| 合計 | 約8,000円 〜 15,000円 | 年間で約10万〜18万円 |
30年間の生涯コストは?
驚くべきことに、30年間オキナインコを大切に育てた場合、その総額は300万円から500万円に達します。
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生体・初期費用: 約25万円
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30年間の維持費: 約360万円(月1万円計算)
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老鳥期の医療費: 約50万円(通院・手術・入院など)
これは、高級車一台分に相当する金額です。「安いから」という理由で衝動買いして良い動物ではないことが、この数字からもお分かりいただけるはずです。
2026年、高騰する電気代への対策
昨今のエネルギー価格の上昇は、インコ飼育にも影を落としています。オキナインコは比較的寒さに強いとはいえ、日本の冬をノーヒーターで越すことは不可能です。
電気代を抑えるためには、「ケージ全体の断熱」が鍵となります。
アクリルケースを使用していれば熱が逃げにくく、ヒーターの稼働時間を減らすことができます。
目先の購入費用を惜しんでアクリルケースを諦めると、結果的に毎月の電気代で損をするという、逆転現象が起こる可能性があるのです。
オキナインコを安く買う方法は?ブリーダーとペットショップの違い
高額なオキナインコを少しでも予算内で、かつ健康な個体としてお迎えするには、どこで購入するかが極めて重要です。
ペットショップで購入する場合
大型のペットショップや鳥専門店は、最も一般的な入手ルートです。
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メリット: クレジットカード決済や分割払いが利用できる。飼育用品をその場で揃えられる。
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デメリット: 中間マージンが乗るため価格が高い。多くの鳥がいる環境で感染症のリスクがゼロではない。
ブリーダーから直接購入する場合
最近では、SNSやWebサイトを通じて個人ブリーダーから直接お迎えするケースが増えています。
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メリット: ショップより2〜3万円ほど安くお迎えできることが多い。親鳥の性質や育った環境を詳しく聞ける。
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デメリット: 現金一括払いが基本。自分でブリーダーを探し、連絡を取る手間がかかる。
「少しでも安く、かつ愛情たっぷりに育てられた個体が欲しい」という方は、国内ブリーダーを探してみるのが最も賢明な選択です。
ただし、安さだけを強調する悪質な業者には注意し、必ず「動物取扱業」の登録があるかを確認しましょう。
よくある質問
Q:オキナインコはなぜこんなに値段が高いのですか?
A:オキナインコは一度の産卵数が少なく、雛を育てるのに手間がかかるためです。また、その高い知能と「おしゃべり能力」に対する需要が非常に高く、供給が追いついていない市場原理も価格を押し上げている要因の一つです。
Q:一人暮らしでも飼えますか?
A:経済的な余裕があり、かつ防音対策が万全であれば可能です。ただし、オキナインコは非常に寂しがり屋で、1日の大半を留守にする環境ではストレスから自傷行為(毛引き)を始めることがあります。帰宅後にたっぷりと放鳥・スキンシップができる環境が必須です。
Q:オスとメスで値段は変わりますか?
A:一般的には変わりませんが、一部のブリーダーでは「卵詰まりのリスクがないオス」を数千円高く設定する場合があります。逆に繁殖を目的とする方の間ではメスの需要が高まることもあります。性別よりもカラーや性格が価格を左右する主な要因です。
Q:鳴き声対策をしないとどうなりますか?
A:近隣住民との深刻なトラブルに発展し、最悪の場合、「飼い続けることが困難になる(手放さざるを得なくなる)」という悲劇を招きます。オキナインコの呼び鳴きは窓を閉めていても外に漏れるため、防音アクリルケース等の対策は「あれば良いもの」ではなく「不可欠なもの」と考えてください。
Q:寿命が長いので、自分が先に死んでしまうのが心配です。
A:これはオキナインコ飼育において非常に重要な観点です。30年という歳月は長く、自身の環境も大きく変化します。万が一、自分が飼えなくなった場合に引き継いでくれる家族や知人、あるいは「鳥の老後施設(レスキュー団体)」を事前に探しておくことが、真に責任ある飼い主の姿です。
まとめ
オキナインコをお迎えするために必要な知識を整理しましょう。
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生体価格はノーマルの8万円から希少色の25万円以上まで幅広く、2026年も高値で推移している。
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初期費用にはケージ代だけでなく、5万円前後の防音アクリルケース代を必ず予算に組み込むべきである。
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エサ代、電気代、医療費を合わせると、毎月1万円前後のランニングコストが発生する。
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30年間の生涯コストは300万円から500万円に達し、高級車一台を維持する覚悟が必要となる。
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購入先は価格面で有利なブリーダー直販か、安心感のある専門店かを慎重に検討する。
オキナインコとの暮らしは、金銭的な負担こそ小さくありませんが、それ以上に「人間と同じように感情を分かち合える最高のパートナー」としての喜びを与えてくれます。
この鳥が持つ賢さや愛情深さは、かけたコスト以上の価値をあなたの人生にもたらしてくれるでしょう。
だからこそ、お迎え前にしっかりとマネープランを立て、「お金の心配をせずに、この子を愛し抜ける状態」を整えてから、最初の一歩を踏み出してください。





















既製品(標準サイズ): 約40,000円 〜 60,000円
オーダーメイド(吸音材付き): 約70,000円 〜 100,000円