「子犬の頃はあんなにぬいぐるみみたいだったのに、成犬になったらなんだか可愛くない……」
SNSやネット上で時折目にするこのような言葉に、心を痛めたり不安を感じたりしている飼い主さんは少なくありません。ポメプーは、ポメラニアンとトイプードルという「可愛さの代名詞」ともいえる犬種同士のミックス犬です。しかし、ミックス犬だからこそ、成犬への成長過程で予想もしなかった大きな変化が訪れることがあります。
「可愛くない」と感じてしまうのは、あなたの愛情が足りないからではなく、ポメプー特有の成長サイクルや個性をまだ十分に理解できていないだけかもしれません。
この記事では、ポメプーが成犬になる過程でなぜ見た目が変わるのか、その理由を解き明かし、愛犬の魅力を最大限に引き出すための具体的な方法を詳しくお伝えします。
もくじ
ポメプーの成犬は可愛くないという噂の真相
ポメプーの成犬に対して「可愛くない」という声が上がる最大の理由は、子犬期からの激しいビジュアルの変化にあります。ポメラニアンのふわふわ感と、トイプードルのくるくるとした愛らしさを併せ持つ子犬期は、まさに「動くぬいぐるみ」です。しかし、生後数ヶ月を過ぎると、多くの飼い主さんが「あれ?」と思う瞬間が訪れます。
この変化は、決して個体の不備ではなく、ミックス犬特有の遺伝子の働きによるものです。ポメプーは、成長に伴って顔つきがシャープになったり、足が長く伸びたり、あるいは毛質が変化したりします。この「成長による変化」を、知識がないままに「可愛くなくなった」と誤解してしまうケースが多いのです。
特に、初めて犬を飼う方や、純血種のような一定の成長を期待していた方にとって、ポメプーが見せる「予想外の成長」は戸惑いの原因になりやすいと言えるでしょう。
成犬になると見た目が激変する理由と「猿期」の正体
ポメプーが成犬になる過程で、一時的に、あるいは永続的に見た目が変わるのには明確な理由があります。その代表的なものが「猿期」と呼ばれる現象です。
ポメラニアンの血を引くポメプーには、生後4ヶ月から8ヶ月頃にかけて、顔の周りや体の毛が一時的に抜け落ち、スカスカになる時期があります。これが「猿期」です。
猿期によるビジュアルの変化
猿期に入ると、以下のような変化が顕著に現れます。
この時期のポメプーは、確かに子犬の頃の完成された可愛さとは異なりますが、これは大人の毛に生え変わるための大切な準備期間です。 猿期が終われば、再び密度のあるしっかりとした被毛が生え揃い、成犬らしい落ち着いた美しさが出てきます。
また、トイプードルの血による「退色(カラーの変化)」も影響します。レッドやアプリコットのポメプーは、成長とともに毛色が薄くなる傾向があり、これも「イメージと違う」と感じさせる要因の一つとなっています。
ポメラニアン寄り?トイプードル寄り?タイプ別の特徴比較
ポメプーの成犬時の姿を左右するのは、どちらの親の遺伝が強く出ているかという点です。ミックス犬である以上、兄弟犬であっても見た目が全く異なることは珍しくありません。
愛犬がどちらのタイプに近いかを知ることで、「今の姿」を正しく受け入れ、似合うスタイルを見つける手がかりになります。
以下の表は、ポメプーの成犬によく見られる2つのタイプを比較したものです。
| 比較項目 | ポメラニアン寄りタイプ | トイプードル寄りタイプ |
| 顔立ち | 鼻先(マズル)が短めで丸顔 | 鼻先がスッと長く、知的な印象 |
| 耳の形 | 立ち耳、または半立ち耳になりやすい | 垂れ耳で、顔の横にボリュームが出る |
| 毛質 | 直毛気味で、ボリュームのあるダブルコート | カールが強く、抜け毛が少ないシングルコート |
| 体型 | 足が短めで、ずんぐりとしたフォルム | 足が長く、すらりとしたモデル体型 |
| 必要なケア | 毎日のブラッシング(抜け毛対策) | 定期的なカット(毛玉対策) |
どちらのタイプであっても、それはポメプーというミックス犬だけが持つ、世界に一つだけの個性です。 ポメラニアン寄りの子は、成犬になっても幼さが残る愛くるしさが魅力ですし、トイプードル寄りの子は、どんなカットも似合うスタイリッシュな魅力があります。自分の愛犬が今どちらの道を歩んでいるのかを観察することは、飼い主だけの特権と言えるでしょう。
「可愛くない」を卒業!成犬ポメプーを劇的に変えるトリミング術
「うちの子、なんだかパッとしない……」と感じる場合、その原因の多くはトリミングでのミスマッチにあります。ポメプーは毛質や顔立ちの個体差が激しいため、テンプレート通りのカットでは魅力を引き出しきれないのです。
特に、成犬になってマズル(鼻先)が伸びてきた子に、子犬のような「まん丸カット」を無理に施そうとすると、逆にアンバランスな印象を与えてしまうことがあります。
失敗しないトリミングオーダーのポイント
トリマーさんに相談する際は、以下のポイントを伝えてみてください。
- 「ポメ寄り」「プー寄り」どちらに寄せたいか明確にする
- マズルの長さを強調するか、短く見せるか相談する
- 耳の付け根の位置に合わせて、耳のボリュームを調整する
成犬ポメプーに特におすすめしたいのは、パーツの良さを活かした「似合わせカット」です。
例えば、ポメラニアン気質の強い毛質なら、あえて短くしすぎず「柴犬カット」風にして健康的な可愛さを出す。トイプードルの毛質が強いなら、耳の毛を長く残して「お嬢様風」にするなど、選択肢は無限大です。
また、「可愛くない」と感じる原因が「涙やけ」であることも多いです。 目元の毛をスッキリ整えるだけで、表情がパッと明るくなり、本来の可愛らしさが戻ってくることも少なくありません。
成犬ポメプーだからこそ愛おしい!子犬にはない3つの魅力
子犬の可愛さは「本能的なもの」ですが、成犬ポメプーの魅力は「積み重ねてきた絆」にあります。外見の変化にばかり目を向けてしまうのは、非常にもったいないことです。
成犬になったポメプーには、子犬期には決して味わえない深い魅力が備わっています。
1. 性格が落ち着き、意思疎通がスムーズになる
子犬期の無邪気な暴走が落ち着き、成犬になると飼い主さんの表情や言葉をより深く理解しようとするようになります。「可愛くない」どころか、あなたの最高のパートナーとして、言葉以上の信頼関係を築けるのが成犬期の醍醐味です。
2. ミックス犬ならではの「完成形」を楽しめる
ポメプーの成長は、最後の最後まで予測がつきません。3歳を過ぎてようやく毛量が安定し、本当の「完成形」を迎える子もいます。その過程を一番近くで見守れるのは、飼い主さんだけの幸せです。
3. 健康管理がしやすくなる
子犬期の不安定な体調に比べて、成犬になると体質も安定してきます。一緒にアクティブな外出を楽しんだり、ドッグカフェでゆったり過ごしたりと、外見の良し悪しを超えた「ライフスタイルとしての楽しさ」が格段に増えていきます。
よくある質問
Q:ポメプーの成犬は、どれくらいの大きさになりますか?
A:個体差が非常に大きいですが、一般的には2.5kg〜5.0kg程度に収まることが多いです。ただし、親犬が大きめだった場合や、食生活によっては6kgを超える子もいます。生後7〜8ヶ月頃の体重が、成犬時の目安の約8割と言われています。
Q:成犬になってから抜け毛が増えたのですが、可愛くなくなるサインですか?
A:それは「可愛くなくなる」サインではなく、ポメラニアンの遺伝が強い証拠です。ダブルコートのポメプーは、春と秋の換毛期に多くの毛が抜けます。こまめなブラッシングで死毛を取り除いてあげれば、被毛のツヤが戻り、成犬らしいボリュームのある美しい姿を保つことができます。
Q:顔がどんどん長くなって、子犬の頃の面影がありません。
A:多くのポメプーは、成長とともにマズルが伸びる「プー寄り」の骨格を持っています。これは知的なトイプードルの特徴です。マズルが長い子には、口周りの毛をふんわり残す「ベアカット」や、あえてスッキリさせる「テディカット」など、大人っぽいスタイルが非常によく似合います。
まとめ
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ポメプーの成犬が「可愛くない」と言われるのは、成長による急激な変化や「猿期」による一時的な毛量の減少が主な原因である。
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ミックス犬であるポメプーは、ポメラニアン寄りとトイプードル寄り、どちらの遺伝が強く出るかで外見が大きく変わる。
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「猿期」は生後半年頃に訪れる自然な現象であり、時期を過ぎれば再び美しい被毛が生え揃う。
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個体ごとの骨格や毛質に合わせた適切なトリミングを施すことで、愛犬の魅力は劇的に向上する。
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成犬のポメプーは、子犬にはない落ち着きと深い信頼関係を築ける、最高のパートナーへと成長する。
ポメプーの成犬期は、子犬の頃の「記号的な可愛さ」から脱却し、その子だけの「唯一無二の個性」が花開く時期です。外見の変化は、愛犬が健康に成長している証拠であり、決してネガティブなものではありません。
たとえ世間の基準で「可愛くない」と言われる瞬間があったとしても、毎日一緒に過ごし、あなたのことを全力で愛してくれる愛犬の姿こそが真実です。毛質の変化に合わせたブラッシングや、骨格を活かしたトリミングを楽しみながら、ポメプーという不思議で愛おしいミックス犬との生活を、ぜひ心から楽しんでください。
あなたが愛犬の個性を認め、笑顔で接することで、愛犬はさらに輝きを増していくはずです。






















顔の毛が抜けて、おでこや目の周りが猿のように見える
全体の毛量が減り、ひょろひょろとした体つきに見える
毛色が一時的に薄くなり、ツヤがなくなる