トイプードルを飼う最大の楽しみの一つは、定期的なトリミングで愛犬の印象をガラリと変えられることではないでしょうか。
しかし、いざカットを選ぶとなると
「種類が多すぎて決められない」
「うちの子に本当に似合うのはどれ?」
と迷ってしまう飼い主さんも少なくありません。
特にトイプードルは被毛が伸び続ける犬種であり、カットの選択がそのまま「毛玉のなりやすさ」や「お散歩の汚れにくさ」といった日々の暮らしやすさに直結します。
この記事では最新人気カットランキングをベースに、愛犬の顔立ちや毛質に合わせた失敗しないスタイルの選び方を、徹底的に解説します。
愛犬をもっとも輝かせる運命のスタイルを見つけるための完全ガイドとして、ぜひ最後までご覧ください。
もくじ
【決定版!】トイプードルの人気カットスタイルランキング
トイプードルのカットスタイルは、時代とともに進化しています。かつてのショードッグのような優雅なスタイルから、現在は「ぬいぐるみのような可愛さ」と「お手入れのしやすさ」を両立したデザインが主流です。
現在のトレンドを反映した、最新の人気ランキングをご紹介します。
第1位:テディベアカット(不動の王道)
トイプードルのカットとして、長年圧倒的な支持を集めているのがテディベアカットです。その名の通り、クマのぬいぐるみを彷彿とさせる丸いお顔と耳のラインが特徴で、トイプードルブームの火付け役とも言えるスタイルです。
このスタイルの最大の魅力は、どんなタイプの顔立ちの子でも「可愛らしく」見える補正力の高さにあります。特に、トイプードルに多い「マズル(鼻先)が短い」子には、この丸みを帯びたシルエットが完璧にマッチします。
一方で、お顔全体の毛を長めに残すため、目元の毛が伸びてくると涙焼けの原因になったり、食後に口周りが汚れやすかったりするという側面もあります。こまめな拭き取りや、1ヶ月に1回の定期的なカットを維持できる飼い主さんに最もおすすめです。
第2位:韓国風ふんわりカット(SNSで話題沸騰)
近年、SNSを中心に爆発的な人気となっているのが韓国風カット(ニュアンスカット)です。従来のテディベアカットよりもさらに「ふんわり感」と「抜け感」を重視しており、あえてカッチリ決めすぎないナチュラルな質感が特徴です。
韓国風スタイルのポイントは、お耳の付け根を高く見せることで、お顔全体をリフトアップしたような愛くるしい表情を作ることです。また、足元をあえてルーズに仕上げることで、歩くたびに被毛が揺れる軽やかな印象を与えます。
「今っぽさ」や「写真映え」を最優先したい飼い主さんに支持されており、ドッグカフェやドッグランでも一際目を引くスタイルと言えるでしょう。
第3位:アフロカット・マッシュルームカット
個性を出したい飼い主さんに根強い人気を誇るのが、アフロカットや、お耳とお顔の境界線をなくしたマッシュルームカットです。頭のてっぺんからお耳にかけて大きな円を描くようなシルエットは、トイプードル特有の毛量とコシを最大限に活かしたデザインです。
このスタイルが似合う条件は、なんといっても「毛量」です。被毛が柔らかすぎたり、毛量が少なかったりすると、せっかくの丸い形がキープできず、すぐに割れてしまうことがあります。
「とにかく小顔に見せたい」「ぬいぐるみ以上のインパクトが欲しい」という場合には、マッシュルームカットに挑戦してみる価値があります。ただし、ブラッシングを怠ると頭全体が巨大な毛玉になってしまうリスクがあるため、上級者向けのスタイルとも言えます。
第4位:ラムクリップ(上品さと清潔感)
古くから親しまれている伝統的なスタイルでありながら、最近再評価されているのがラムクリップです。羊のように、お顔と足先を短くバリカンで刈り込み、体やお耳の被毛をふんわりと残します。
このスタイルの最大のメリットは、圧倒的な清潔感とお手入れの楽さにあります。お顔が短いため食後の汚れが気にならず、目元も常にスッキリしているため眼病予防にも繋がります。
「お顔を剃るとプードルっぽくなりすぎて苦手」という方もいらっしゃいますが、最近ではトップの毛を長く残してリボンを付けるなど、現代的なアレンジを加えた「おしゃれなラムスタイル」も増えています。
第5位:サマーカット(機能性重視)
夏場や、お散歩が大好きな活発な子に選ばれるのがサマーカットです。全身の毛を短く切り揃えることで、通気性を確保し、熱中症対策にも貢献します。
また、草むらに入った際に汚れや種が付きにくく、シャワー後のドライヤー時間も大幅に短縮できるため、「犬も人もストレスフリーに過ごしたい」という実利派の飼い主さんに選ばれています。
ただし、極端に短くしすぎると、夏の直射日光が直接肌に当たって皮膚トラブルを起こしたり、逆に体温調節が難しくなったりすることがあります。バリカンで最短にするのではなく、ハサミである程度の長さを残す「長めのサマーカット」が現在の主流です。
愛犬に「本当に似合う」を見極める3つの診断基準
ランキングで人気のスタイルが、必ずしもあなたの愛犬に似合うとは限りません。トイプードルには個体差があり、顔の骨格や毛質によって、向いているカットと不向きなカットが明確に分かれます。
失敗を防ぐためにチェックすべき、3つのポイントを整理しました。
1. マズル(鼻先)の長さで選ぶ
トイプードルのお顔の印象を決定づけるのは、マズルの長さです。
| マズルの特徴 | 相性の良いカット | 避けたほうが良いこと |
| 短い(ドワーフ系) | テディベアカット、韓国風 | お顔を細く見せるカット(のっぺり見える) |
| 長い(ハイオン系) | ピーナッツカット、ラムクリップ | 横幅を強調するテディベア(面長が目立つ) |
マズルが短い子は、丸いシルエットを作ることで「パピーのような幼さ」を強調できます。逆にマズルが長い子は、無理に丸くするよりも、マズルの中間を少し絞るピーナッツカットにすることで、知的でスタイリッシュな印象を引き出すことができます。
2. 毛量とコシ(毛質)で選ぶ
カットの維持には、被毛の「立ち上がり」が重要です。
毛量が多く、一本一本がしっかりしている子は、アフロカットやハイボリュームなテディベアが綺麗に決まります。時間が経っても形が崩れにくいため、デザイン性の高いカットに向いています。
一方で、毛量が少なめ、あるいは毛質が柔らかい子の場合は、ボリュームを出すカットにすると「割れ」や「へたり」が目立ちやすくなります。こういった子の場合は、あえて短めに切り揃えたパピーカット風や、お耳の毛を長く残して視線をそらすスタイルにすると、ボリュームの少なさをカバーできます。
3. 目の位置と大きさで選ぶ
目の位置が離れているか、寄っているかでも似合うスタイルは変わります。
目が大きくて離れている子は、テディベアカットにすると非常に愛らしく仕上がります。逆に目が少し小さめ、または寄っている子の場合は、目周りをスッキリさせ、お耳の位置を低めに作ることで、お顔全体を優しく穏やかな印象に見せることが可能です。
お手入れの負担を激減させる「機能的カット」の工夫
「可愛いカットにしたいけれど、毎日ブラッシングするのは大変……」
というのが本音ではないでしょうか。トイプードルの被毛は非常に絡まりやすく、一度毛玉ができると皮膚炎の原因にもなります。
見た目の可愛さを損なわずに、お手入れの手間を減らすための賢いカスタマイズをご紹介します。
隠しバリカン(足先バリカン)の活用
お散歩の後に足先を洗うのが大変なら、「隠しバリカン」が最も有効な解決策です。
足の裏と、指の付け根付近までを短くバリカンで刈り、その上から足元の被毛を被せて隠します。一見すると普通のカットに見えますが、汚れやすい指先は短いため、濡れたタオルでサッと拭くだけで汚れが落ちます。
また、足裏の毛を常に短く保つことは、フローリングでの滑り防止にもなり、パテラ(膝蓋骨脱臼)などの関節疾患予防にも繋がる「愛犬の健康を守るカット」と言えます。
耳の根元を薄くする
トイプードルのトラブルで多いのが「外耳炎」です。特にお耳の毛が長いスタイルや、耳の位置が低いスタイルは、耳道内の通気性が悪くなりがちです。
トリミングの際に「耳の根元の毛を漉いて(すいて)軽くしてください」とオーダーしましょう。見た目のボリューム感は維持したまま、耳の付け根の通気性を確保することで、蒸れによる炎症を防ぐことができます。
パンツカットやおパンツスタイルの注意点
お尻周りをふんわりさせる「おパンツカット」は非常に人気がありますが、排泄の際に汚れやすいというデメリットがあります。
長く楽しむための秘訣は、お尻の穴の周りだけを広めに衛生カットすることです。周囲の毛で隠れるようにデザインしてもらえば、見た目のモコモコ感はそのままに、清潔な状態をキープしやすくなります。
トリミングの料金相場と適切な頻度
トイプードルの維持には、経済的な計画も必要です。他の犬種に比べてカットの手間がかかるため、料金設定はやや高めになるのが一般的です。
料金相場の目安
地域や店舗のランクによって異なりますが、一般的な相場は以下の通りです。
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シャンプー+カットコース: 7,000円 〜 12,000円
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デザインカット料金(オプション): +1,000円 〜 3,000円
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毛玉取り料金: 500円 〜 3,000円(状態による)
東京都心などの有名サロンでは、15,000円〜20,000円を超えることも珍しくありません。無理なく通い続けられる価格帯のサロンを選ぶことが、愛犬の清潔を保つ第一歩です。
理想的なカット頻度
トイプードルの場合、「1ヶ月に1回」のトリミングが理想です。
1ヶ月経つと被毛は約1cm〜1.5cm伸びます。この1cmが、スタイルの崩れや目元の汚れを顕著にするラインです。1.5ヶ月〜2ヶ月放置してしまうと、毛玉が重症化し、結局「短く刈り込むしかない」という残念な結果を招くこともあります。
もし予算を抑えたい場合は、「1.5ヶ月に1回のフルカット」の間に「部分的なシャンプーコース」を挟むなど、トリマーさんと相談してプランを立てるのが賢い方法です。
失敗しないオーダーの秘訣:トリマーに何を伝えるべきか?
「思っていたのと違う……」という失敗の多くは、飼い主さんとトリマーさんの間の「言葉の定義のズレ」から生まれます。例えば「短めに」という言葉一つとっても、人によって2cmなのか、5mmなのかはバラバラです。
必ず「画像」を3枚以上見せる
言葉だけで伝えるのは限界があります。必ず理想のカット画像を準備しましょう。
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正面からの顔: 目元や口元の丸みの好み
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横からの姿: お耳の長さ、お鼻の出し方
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全体のシルエット: 足の太さ、体の短さ
この3つのアングルがある画像を見せることで、トリマーさんは正確な立体構造を把握できます。また、「逆にこれだけは嫌だ」というNG例の画像も見せておくと、より確実です。
「ライフスタイル」を伝える
「毎日ブラッシングします」「実は週に1回しかできません」「よく山にお散歩に行きます」など、日常の様子を正直に伝えましょう。
腕の良いトリマーであれば、飼い主さんのケア能力に合わせた「崩れにくいカット」を逆提案してくれます。無理をして高い難易度のカットをオーダーするよりも、愛犬と飼い主の双方が楽になれるスタイルが、結局は一番長く可愛さを維持できます。
よくある質問
よくある質問について、回答をまとめました。
Q:子犬の初めてのカットはいつからが良いですか?
A:一般的には、混合ワクチンの接種がすべて終わってから2週間〜1ヶ月後が目安です。およそ生後4〜5ヶ月頃になることが多いでしょう。初めてのトリミングは愛犬にとって非常にストレスがかかるため、まずは「カット」よりも「サロンの雰囲気に慣れること」を優先し、短時間のシャンプーや爪切りから始めるのがおすすめです。
Q:シニア犬(老犬)におすすめのカットはありますか?
A:シニア犬には、何よりも「負担の少なさ」と「衛生面」を最優先したカットをおすすめします。立ち続けてのトリミングは体力を消耗するため、全身を短めに揃えるスタイルが基本です。特にお尻周りや足先をスッキリさせることで、介護が必要になった際もお手入れがしやすくなります。
Q:家で毛玉を見つけた場合、ハサミで切っても良いですか?
A:ご自身でのハサミの使用は非常に危険ですので控えてください。犬の皮膚は非常に薄く、毛玉と皮膚の境界が見えにくいため、誤って皮膚を切り裂いてしまう事故が多発しています。毛玉を見つけたら、無理に解こうとせず、次回のトリミング時にプロに任せるのが最も安全です。
Q:冬場に短くカットすると寒がりませんか?
A:はい、トイプードルはシングルコートで寒さに弱いため、短くすると体温調節が難しくなります。冬場に短くする場合は、お散歩時に服を着用させる、室内温度を適切に保つなどの配慮が必要です。冬の間だけは少し長めに残す「ウィンターカット」をオーダーする飼い主さんも多いです。
Q:毛色(レッド、シルバー、アプリコットなど)によって似合うカットは変わりますか?
A:はい、毛色によって被毛の質感や密度が異なる傾向があります。例えばレッド系は毛量が豊かで立ち上がりやすいためボリュームのあるカットが映えやすく、シルバー系は被毛が柔らかい傾向があるため、動きのあるニュアンスカットやラムクリップが美しく見えます。それぞれの毛色の特性を活かしたスタイルをトリマーさんに相談してみてください。
まとめ
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2025年のトレンドは、王道のテディベアカットと、SNS映えする韓国風ふんわりカット。
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愛犬に似合うスタイルは、「マズルの長さ」「毛質」「目の位置」で論理的に決まる。
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お手入れを楽にするなら「足先バリカン」や「耳元のボリューム調整」が非常に有効。
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トリミング料金は1万円前後、頻度は月1回が健康と美しさを保つ黄金サイクル。
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オーダーの失敗を防ぐには、3方向からの画像準備と、ライフスタイルの共有が不可欠。
トイプードルのカットは、単なるおしゃれではなく、愛犬の健康管理とコミュニケーションの要です。被毛が伸びるたびに、次はどんな姿に変身させてあげようかとワクワクする時間は、トイプードルと共に暮らす醍醐味と言えるでしょう。
流行を追うだけでなく、あなたの愛犬の個性を最も引き出し、かつ日々の暮らしがより豊かになる、そんな「最高の一着」となるスタイルをぜひ見つけてあげてください。プロのトリマーと二人三脚で作り上げたスタイルで、愛犬との毎日がさらに輝き出すことを願っています。




















