ペットショップのケージの中で、体が大きくなってもずっと家族を待っている猫。そんな「売れ残り」と呼ばれてしまう猫たちを救いたい、里親になって幸せにしてあげたいと考える方が増えています。
かつて、売れ残った猫たちの行方は不透明な部分もありましたが、現在は動物愛護法の改正(数値規制など)や社会的意識の変化を受け、一部のペットショップでは、販売を終えた猫を譲渡につなぐ取り組みが行われるようになっています。
この記事では、行き場を失いかけた猫たちを家族に迎えるための具体的な方法や、里親になるために必要な費用、そして心構えについて詳しく解説します。
もくじ
ペットショップで売れ残った猫たちの「その後」
「大きくなった猫たちはどうなるの?」という疑問に対し、現在の主な動向は以下の3つです。
① 店舗での継続販売・セール
生後3ヶ月を過ぎると生体価格が段階的に下げられ、最終的には「特別価格」として販売されます。一部の店舗では、展示形態を変えて継続的に飼養・紹介されるケースもあります。
② 里親募集(ショップ直営・提携団体)
最近では、大手ペットショップが自社で「譲渡センター」を運営したり、特定の動物保護団体と提携したりするケースが増えています。
展示期間を終えた猫たちは、販売目的ではなく「里親を探す対象」として新しい生活をスタートさせます。
③ 繁殖引退猫(リタイアキャット)
ショップの売れ残りだけでなく、ショップへ子猫を供給し終えた「パパ猫・ママ猫」たちも、法改正による数値規制の影響を受け、繁殖を引退した猫が譲渡対象となるケースも見られるようになっています。
里親になるための具体的な4つのルート
「売れ残り猫」や「キャリアのある猫」を探すには、主に以下の窓口があります。
ルートA:里親マッチングサイトを活用する
国内で広く利用されている里親募集サイトでは、ショップ経由の保護猫や引退猫が多数登録されています。
ルートB:ペットショップ提携の譲渡シェルター
一部の大手ショップは、保護犬猫の譲渡に特化した常設施設を運営しています。
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P’s-first(ペッツファースト): 「保護犬猫譲渡活動」を積極的に行っており、都内などに常設シェルターを展開。
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AHB(ペットプラス): 「ウェルフェアセンター」を設置し、販売を終えた猫たちのマッチングを行っている。
ルートC:常設型の「保護猫カフェ」
「里親募集型」の猫カフェには、ブリーダーからレスキューされた猫や、売れ残ってしまった純血種の猫が在籍していることがあります。実際に触れ合ってから検討できるのが最大のメリットです。
ルートD:地域密着型の動物保護団体
地元のボランティア団体が、ショップやブリーダーから定期的に猫を引き取っている場合があります。地域の譲渡会情報をチェックしてみましょう。
里親になるための「費用」と「条件」
「里親=無料」というイメージがありますが、実際には「実費負担」が発生することが一般的です。
費用の目安:3万円〜10万円前後
生体価格自体は無料でも、以下の費用が譲渡時に請求されることが多いです。数万円程度を目安に、内容に応じた実費負担が発生することが一般的です。
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3回分程度のワクチン接種代
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不妊・去勢手術の実施費用
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マイクロチップ装着費用
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保護期間中の食費・医療費への協力金
里親の審査基準(一例)
ショップ出身の猫は、過去の経緯から「二度と不幸にさせない」という強い意志で審査されます。
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完全室内飼いの徹底
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家族全員の同意があること
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ペット可物件に住んでいる証明(賃貸契約書の確認など)
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定期的な近況報告の義務化
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単身者や高齢者の場合、後見人(万が一の時の引き取り手)が必要な場合も多い
「大きくなった猫」を家族に迎える大きなメリット
子猫のような「あどけなさ」はありませんが、成猫や少し育った猫を迎えることには、子猫にはない魅力があります。
- 性格が既に分かっている: おっとりしているのか、活発なのか。成猫は性格が確定しているため、「思っていた性格と違う」というミスマッチが防げます。
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健康状態が安定している: 子猫特有の急な体調不良のリスクが少なく、体のサイズも決まっているため、必要な用品も揃えやすいです。
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しつけの手間が少ない: 多くの場合、トイレの場所を既に覚えており、夜泣きやいたずらも子猫ほど激しくない傾向があります。
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共働きでも飼いやすい: 数時間おきに食事が必要な子猫と違い、成猫はお留守番の耐性が高い子が多いです。
譲渡を受ける前の最終チェックリスト
愛猫との幸せな生活を始めるために、以下の項目を必ず確認してください。
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[ ] 健康診断書の有無: 過去にかかった病気や、現在の健康状態(特に腎臓や心臓)を確認。
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[ ] 遺伝子検査の結果: 純血種の場合、その猫種特有の遺伝病リスクを知っておく必要があります。
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[ ] 性格の特性: ショップのケージ生活が長かった猫は、少し臆病になっている場合があります。
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[ ] 契約書の内容: 万が一飼えなくなった場合の相談先や、譲渡後のサポート体制。
よくある質問
Q:売れ残りの猫は、病気を持っているから売れ残ったのですか?
A:いいえ、そうとは限りません。単に「生まれた時期」や「毛色のトレンド」、あるいは「価格設定のタイミング」など、ビジネス的な理由がほとんどです。
ただし、一部では噛み癖や極端な怖がりなど、性格的な要因で敬遠されたケースもありますが、それは個性であり愛情を持って時間と適切な環境づくりをすれば、改善するケースもあります。
Q:完全無料で譲ってもらうことは可能ですか?
A:稀に個人間譲渡などでありますが、推奨はしません。
ワクチン代や不妊手術代を適切に支払うことは、これまでのその猫の健康を支えてきた人たちへの敬意であり、今後の健康管理への責任感の証でもあります。
Q:ショップの店員さんに直接「里親になりたい」と言ってもいい?
A:店舗によりますが、展示中の猫をその場で里親として譲渡することはまずありません。ただし、提携している譲渡施設を紹介してくれることはありますので、誠実に相談してみる価値はあります。
まとめ:あなたの決断が一つの命を輝かせる
「ペットショップで売れ残った猫」という言葉を聞くと悲しい気持ちになりますが、彼らにとっては「ショップを出てあなたに会うこと」こそが本当の人生の始まりです。
里親になることは、単に猫を手に入れる手段ではなく、一つの命に「安心できる居場所」を与えるという素晴らしい行為です。
子猫のような華やかさはないかもしれませんが、家族を待っていた猫が見せる深い信頼と愛情は、何物にも代えがたい宝物になるはずです。
まずはマッチングサイトや譲渡センターを覗いて、運命の出会いを探してみませんか?


























ペットのおうち: 企業からの里親募集枠があり、ショップやブリーダーからの掲載も多い。
OMUSUBI(お結び): 審査を通った保護団体のみが掲載。相性診断機能が充実。