近年、アパートやマンションなどの限られたスペースでも飼育ができる「うずら」をペットとして迎える人が増えています。
かつては家畜としてのイメージが強かったうずらですが、実は非常に表情豊かで、飼い主を認識する高い知能を持った愛らしい鳥です。
しかし、いざ飼おうと思っても「鳴き声はうるさくないのか」「なついてくれるのか」といった不安を感じる方も多いでしょう。
この記事では、うずらとの暮らしを検討している方に向けて、後悔しないための飼育ノウハウを網羅して解説します。
うずらという小さな命と向き合い、健やかな毎日を共にするための第一歩をここから踏み出しましょう。
もくじ
うずらをペットとして迎える前に知っておくべき基本
うずらをペットとして飼う最大の魅力は、そのフォルムの愛らしさと独特の仕草にあります。
地面をトコトコと歩き回り、砂浴びをする姿は、眺めているだけで日常のストレスを癒やしてくれます。
一方で、うずらは「家畜」として改良されてきた歴史があるため、一般的な愛玩鳥とは異なる特性も持っています。まずは、ペットとしての基本的なスペックを理解することが大切です。
うずらの基本的な身体データと特徴を以下の表にまとめました。
うずらは比較的に寿命が長いため、一度迎えたら最後まで責任を持って飼育する覚悟が求められます。また、足腰が弱りやすいため、床材選びなどの環境整備が健康寿命を左右する大きなポイントとなります。
種類別の特徴:並うずらと姫うずら、どちらがおすすめ?
ペットとして流通しているうずらには、主に「並うずら」と「姫うずら」の2種類があります。どちらを選ぶかによって、必要なケージのサイズや鳴き声の大きさが変わってきます。
初心者の方が選ぶ際の基準となるよう、それぞれの違いを整理しました。
並うずら(ニホンウズラ)の特徴
一般的に「うずら」と言われて想像されるのがこの並うずらです。体重は120g〜150g程度で、スーパーで売られている「うずらの卵」を産むのがこの種類です。
身体が丈夫で飼育しやすい反面、鳴き声が大きく、特にオスは早朝に力強く鳴くため、集合住宅ではしっかりとした防音対策が必要です。
手乗りとしての適性は高く、ボリューム感のある触り心地が魅力です。
姫うずら(ヒメウズラ)の特徴
「世界最小のキジ科」として知られるのが姫うずらです。体重はわずか40g〜50g程度で、並うずらの半分以下のサイズしかありません。
カラーバリエーションが豊富で、白やシナモン、シルバーなど見た目の美しさが人気です。
鳴き声もサイズ相応に小さいため、マンション飼育において最も選ばれている種類です。
ただし、身体が小さいため怪我をさせないよう細心の注意が必要です。それぞれの比較表を参考に、あなたの住環境に合う方を選んでください。
どちらの種類を選んでも、「うずらとの対等なコミュニケーション」を楽しむことができます。ご自身のライフスタイルを考慮して、最適なパートナーを選びましょう。
飼育に必要な道具と環境づくり
うずらを健康に育てるためには、自然界での生態に近い環境をケージ内に再現することが重要です。特にうずらは「飛ぶことよりも歩くこと」に特化しているため、底面積の広さが重要になります。
最低限揃えておくべきアイテムは以下の通りです。
うずらは驚くと垂直に飛び上がる習性があり、ケージの天井に頭をぶつけて脳震盪を起こすリスクがあります。
天井にはクッション材を貼るか、ネットタイプの天井を持つケージを選ぶのが安全です。
また、床材の選択は非常に重要です。網状の底は足裏を痛める原因(趾瘤症)になるため、必ず平坦で滑りにくい素材を敷いてあげてください。
鳴き声と臭いへの具体的な対策
ペットとしてうずらを飼う際に、最も多くの飼い主が直面する壁が「鳴き声」と「臭い」です。これらは事前に対策を講じることで、周囲への影響を最小限に抑えることが可能です。
鳴き声の対策
うずらのオスは縄張り主張や求愛のために「雄叫び」を上げます。これは本能的な行動であり、止めることはできません。
対策としては、防音アクリルケースの使用が最も効果的です。ケージの外側を厚みのあるアクリルで覆うことで、高音の響きを大幅にカットできます。
また、夜間に暗幕をかけることで、早朝の「朝鳴き」のタイミングを遅らせることも有効な手段です。
臭いの対策
うずらの糞は水分が多く、放置するとアンモニア臭が発生しやすくなります。
-
1日2回の掃除: 汚れた箇所を部分的に取り除く
-
除菌消臭スプレー: 次亜塩素酸水などペットに安全なものを使用
-
空気清浄機の設置: 粒子状の汚れ(脂粉)も吸い取るタイプがおすすめ
特に「砂浴びの砂」は定期的に全交換することで、羽の間に溜まった汚れや脂を除去し、体臭そのものを抑えることにつながります。
うずらはなつく?手乗りうずらに育てるコツ
多くの人が「うずらは観賞用でなつかないのではないか」と考えがちですが、実際には驚くほどベタ慣れになります。
飼い主が部屋に入ると足元まで駆け寄り、膝の上で寝てしまうような個体も少なくありません。なつかせるための最大のコツは、生後2週間までの「雛」の時期の接し方にあります。
- 手からおやつを与える: 「手=おいしいもの」と認識させる
- 無理に掴まない: 掬い上げるように優しく接する
- 同じ目線で過ごす: 上からの動作は捕食者を連想させるため避ける
うずらは「声」を聴き分ける能力が高いと言われています。優しく名前を呼びながら接することで、信頼関係はより深いものになります。
一度信頼を勝ち取れば、指を差し出すだけでピョンと乗ってくる「手乗りうずら」としての喜びを味わえるでしょう。
健康管理と寿命を延ばすための食事
うずらの健康を守る要は、バランスの取れた食事と、日常的な体重測定です。
家畜用の餌は「短期間で卵を産ませること」に特化しているため、愛玩用として長生きさせるには栄養過多に注意する必要があります。
基本の食事メニューを整理しました。
特にメスを飼育する場合、カルシウム不足は命取りになります。卵を産み続けると体内のカルシウムが枯渇し、卵詰まりや骨折を引き起こしやすくなります。
日光浴(ビタミンD生成)と併せて、適切なサプリメント補給を心がけてください。
よくある質問
うずらの飼育に関して、初心者の方が抱きやすい疑問をまとめました。
Q:うずらは1羽で飼っても寂しくありませんか?
A:うずらは群れで生活する鳥ですが、飼い主が十分なコミュニケーションをとれるのであれば1羽飼いでも問題ありません。
むしろ1羽のほうが飼い主に依存しやすく、ベタ慣れになりやすい傾向があります。複数飼いをする場合は、オス同士の激しい喧嘩に注意が必要です。
Q:スーパーの卵から孵化したうずらは飼えますか?
A:有精卵であれば孵化する可能性はありますが、孵化後の飼育設備や寿命までの責任を考えた上で挑戦してください。
家庭での孵化は温度・湿度管理が難しく、また生まれた子がオスだった場合の鳴き声対策も事前に準備しておく必要があります。
Q:診てくれる動物病院はありますか?
A:うずらは「エキゾチックアニマル」に分類されるため、一般的な犬猫の病院では診てもらえないことが多いです。
飼い始める前に、必ず近隣に鳥類、特にうずらの診察実績がある病院を確認しておくことが飼い主の義務と言えます。
Q:お風呂(水浴び)は必要ですか?
A:うずらは水浴びではなく「砂浴び」で身体を清潔にします。水に濡れると体温を奪われ、命に関わることもあるため、無理に水風呂に入れる必要はありません。
もし汚れがひどい場合は、ぬるま湯を絞ったタオルで優しく拭く程度にとどめてください。
まとめ
うずらをペットとして迎えることは、単に鳥を飼う以上の深い情緒的体験をもたらしてくれます。
その小さな身体に秘められた知性と愛情に触れれば、これまでの「家畜」というイメージは一変することでしょう。
-
うずらの寿命は7〜10年。生涯を見守る責任と準備が不可欠。
-
マンション飼育なら鳴き声の小さい「姫うずら」が特におすすめ。
-
垂直跳びによる怪我を防ぐため、ケージの天井対策は必須。
-
雛から優しく接することで、手乗りになるほど深い信頼関係を築ける。
-
メスの健康維持には、カルシウム補給と卵詰まり対策が最優先事項。
うずらとの暮らしは、静かな中にも確かな発見と癒やしに満ちています。
正しい環境を整え、彼らの本能を尊重した接し方を心がけることで、うずらはあなたの生活に欠かせない、かけがえのないパートナーになってくれるはずです。
この記事で紹介したポイントを一つずつ実践し、うずらとの幸せな毎日をスタートさせてください。





















ケージ: 1羽につき40cm×40cm程度の広さが理想
床材: クッション性の高いマットや大粒の砂
給餌器・給水器: ひっくり返りにくい重量感のあるもの
ヒーター: 冬場や体調不良時の温度管理に必須
砂浴び場: ストレス解消と羽の清潔保持に不可欠