出張、旅行、帰省などで家を空ける際、ペットを飼っている方にとって最大の懸念は「どこに預けるか」と「いくらかかるか」ではないでしょうか。
大切な家族であるペットを預ける場所だからこそ、安全性はもちろん、納得できる料金で利用したいと考えるのは当然のことです。
しかし、ペットホテルの料金体系は施設によって異なり、単純な「1泊料金」だけでは判断できない複雑な要素が多く含まれています。
この記事では、ペットホテルの利用を検討している方に向けて、最新の料金相場からオプション費用の内訳、地域による差、そして予算を抑えつつも安全な施設を選ぶためのポイントを詳細に解説します。
読み終える頃には、あなたのペットに最適な預け先と、必要となる正確な予算イメージが明確になっているはずです。
もくじ
ペットホテルの1泊料金相場|犬・猫・小動物別の目安
ペットホテルの料金は、預ける動物の種類やサイズによって大きく変動します。まずは、一般的な施設における1泊(24時間程度)の料金目安を確認しましょう。
以下の表は、全国的な平均値をまとめたものです。
ペットの種類やサイズによる1泊あたりの平均料金
この料金はあくまで「基本宿泊料」です。犬の場合はサイズが大きくなるほど、占有するスペースや管理の手間が増えるため、料金が段階的に設定されています。
また、猫の場合は環境の変化に敏感なため、犬の鳴き声が聞こえない「猫専用エリア」を設けている施設では、相場より500円〜1,000円ほど高く設定されていることも珍しくありません。
ペットホテルの料金を左右する5つの要素
同じ「1泊」であっても、施設によって料金に差が出るのはなぜでしょうか。そこには、立地や設備、サービスの質といった明確な理由があります。
「なぜこの店は高いのか、あるいは安いのか」という理由を理解することが、賢いホテル選びの第一歩です。
1. 施設の形態(動物病院・サロン・専門ホテル)
預け先には大きく分けて「動物病院併設」「トリミングサロン併設」「ペットホテル専門店」の3種類があります。
「夜間にスタッフが不在になるかどうか」は、料金の安さに直結する重要なポイントです。安価な施設では夜間無人になることが多いため、万が一の事態を想定して選ぶ必要があります。
2. 地域による物価の差
都市部(東京、大阪、名古屋など)と地方では、テナント料や人件費の差がそのまま宿泊料金に反映されます。
東京都心の人気エリアでは、小型犬でも1泊6,000円〜8,000円が相場となる一方、地方郊外では2,500円〜3,500円で利用できる施設もあります。
移動ルートに郊外の施設がある場合は、そちらを利用することで大幅に宿泊費を抑えられる可能性があります。
3. 部屋のランク(ケージ・サークル・個室)
ペットが過ごすスペースの広さや質によっても料金は変動します。
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スタンダード(ケージ): 既定のサイズのケージ内で過ごす最も安価なプラン。
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デラックス(サークル): 1畳程度のサークルで仕切られた、少しゆとりのあるプラン。
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ラグジュアリー(個室): 部屋全体が個室になっており、他のペットと視線が合わないプライベート空間。WEBカメラ付きのことが多いです。
狭いところが苦手な子や、他の犬の視線にストレスを感じる子の場合は、少し予算を上げてでも個室タイプを選んであげることが、体調を崩さないための秘訣です。
4. 繁忙期の割増料金
GW、お盆休み、年末年始、大型連休などの「繁忙期」には、通常の宿泊料金に加えて「繁忙期料金」が加算されます。
加算額は1泊につき500円〜2,000円程度、あるいは基本料金の20%増しといった設定が一般的です。
「予約をした時点では通常料金だと思っていたが、実際の支払い時に加算されていた」というトラブルを防ぐため、公式サイトの料金カレンダーを必ず確認しましょう。
5. 宿泊時間の計算ルール
多くのペットホテルでは「24時間制」または「1日(日帰り)単位制」を採用しています。
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24時間制: 預けた時刻から24時間までを1泊とする。超過した場合は時間単位で延長料金が発生。
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1日単位制: 預けた日の営業時間内から、翌日の営業終了時までを1泊とする。
例えば、午前10時に預けて翌日の午後17時に引き取る場合、24時間制では「1泊+延長料金」になりますが、1日単位制では「2泊分」の料金が請求されることもあります。
利用する施設の計算ルールを事前に把握しておくことが、正確な予算把握に繋がります。
要注意!基本料金以外にかかる「追加オプション」費用
ペットホテルの料金を比較する際、基本料金だけを見て決めてしまうのは危険です。多くの施設では、ペットの健康や快適性を維持するために必要なサービスが「オプション」として設定されています。
結果的に「基本料金は安かったが、オプションを足したら他店より高くなった」というケースは非常に多いため、以下の表で内訳を確認しておきましょう。
一般的なオプションサービスの内容と費用相場
特に「食事」については、普段食べているものを持ち込むのが基本です。 急にフードが変わると下痢や食欲不振の原因になるため、持ち込み無料の施設を選び、1食分ずつ小分けにして持参することをおすすめします。
【ケース別】ペットホテル利用のシミュレーション
実際にペットホテルを利用した場合、合計でいくら支払うことになるのか、代表的な3つのパターンでシミュレーションしてみます。
パターンA:小型犬1匹・1泊2日の週末旅行
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基本料金(小型犬):4,000円 × 1泊 = 4,000円
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お散歩(1日2回):500円 × 2日 = 1,000円
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食事:持ち込みのため 0円
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合計:5,000円(税込 5,500円前後)
最もオーソドックスなプランです。散歩が基本料金に含まれているかどうかで、最終的な金額が1,000円ほど変わってきます。
パターンB:中型犬1匹・3泊4日の帰省(繁忙期)
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基本料金(中型犬):5,500円 × 3泊 = 16,500円
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繁忙期割増:1,000円 × 3泊 = 3,000円
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お散歩(1日2回):500円 × 4日 = 2,000円
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WEBカメラ利用:500円 × 3日 = 1,500円
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合計:23,000円(税込 25,300円前後)
長期宿泊になると、1泊あたりの単価が数千円単位で積み上がります。3泊以上の利用で「長期割引」が適用される施設を探すと、総額を抑えやすくなります。
パターンC:猫2匹(同室宿泊)・2泊3日
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基本料金(猫1匹目):4,000円 × 2泊 = 8,000円
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多頭飼い割引(2匹目半額):2,000円 × 2泊 = 4,000円
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食事:施設指定 500円 × 2匹 × 3日 = 3,000円
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合計:15,000円(税込 16,500円前後)
多頭飼いの場合、同じケージや部屋に泊まることで、2匹目以降の料金が「20%〜50%OFF」になる割引制度を設けている施設が多くあります。
「1匹ずつの単価」ではなく「1室あたりの追加料金」を確認することが節約のポイントです。
ペットホテルを安く・賢く利用するための3つのテクニック
予算を抑えつつ、愛犬・愛猫にひもじい思いをさせないための工夫を紹介します。
1. 「持ち込み」を徹底する
食事、おやつ、普段使っている毛布、おもちゃなどは可能な限り持ち込みましょう。施設側で用意してもらうとオプション料金が発生するだけでなく、ペット自身も自分の匂いがついたものがある方が安心して過ごせます。
「持ち込み料」がかかる施設は稀ですが、念のため事前に確認しておくと安心です。
2. 回数券や会員割引を活用する
定期的にペットホテルを利用する予定があるなら、会員登録や回数券の購入が非常にお得です。
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会員割引: 入会金1,000円程度で、毎回宿泊料が10%OFFになる。
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回数券: 10泊分の料金で11泊できるなど、実質1泊分が無料になる。
1年に3回以上利用するなら、間違いなく会員になった方がトータルコストは下がります。
3. キャンセル規定を熟知しておく
急な予定変更でキャンセルが必要になった際、前日や当日だと「宿泊代の50%〜100%」のキャンセル料が発生します。
特に繁忙期は「7日前から発生」など、通常時よりも規定が厳しくなっていることが多いです。
「いつまでなら無料でキャンセルできるか」を把握しておくことは、無駄な出費を防ぐための守りのテクニックです。
料金だけで選ぶのは危険?失敗しないためのチェックリスト
「安さ」は大きな魅力ですが、それだけで決めてしまうと、預けたペットがストレスで体調を崩したり、最悪の場合、事故に巻き込まれたりするリスクがあります。
提示された料金が「適正」かどうかを見極めるためのチェックリストを活用してください。
安全なペットホテル選びの確認項目
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[ ] 第一種動物取扱業の登録証が掲示されているか
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[ ] スタッフの夜間常駐の有無(不在なら警備会社と連携しているか)
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[ ] ケージや部屋が清潔に保たれているか、臭いはきつくないか
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[ ] 狂犬病・混合ワクチンの接種証明書の提示を求められるか(徹底している店は安全)
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[ ] 万が一の際の提携動物病院があるか
「ワクチンの確認が甘い施設」は一見便利に感じますが、他の犬からの感染症リスクが高いことを意味します。管理が厳しい施設ほど、安心して預けられる優良店である可能性が高いのです。
よくある質問
ペットホテルの料金に関する、よくある疑問をQ&A形式でまとめました。
Q:当日予約や延長は可能ですか?その場合の料金は?
A:空きがあれば当日予約も可能ですが、施設によっては「当日予約手数料(1,000円程度)」が発生する場合があります。
また、予定時間を過ぎての延長は30分〜1時間単位の延長料金がかかるのが一般的です。連絡なしの延泊は非常に迷惑がかかり、割増料金を請求されることもあるため、必ず事前に連絡しましょう。
Q:老犬や持病がある犬でも預かってもらえますか?料金は変わりますか?
A:一般的なホテルでは「10歳以上」や「投薬が必要な犬」の宿泊を断るケースがあります。預かり可能な場合でも、「介護・特別管理費」として1日あたり1,000円〜2,000円の追加料金が発生することが多いです。
体調変化のリスクを考えると、料金は高くなりますが動物病院での宿泊を強くおすすめします。
Q:多頭飼いですが、同じ部屋に泊まらせると安くなりますか?
A:はい、多くの施設で「同室割引」が設定されています。2匹目以降が20%〜50%OFF、あるいは「1室料金+追加頭数分の管理費」という体系になります。
ただし、狭いケージに2匹を詰め込むことはストレスになるため、十分な広さがある個室やサークルを選んであげてください。
Q:キャンセル料はいつから発生しますか?
A:通常時は「3日前から30%、前日50%、当日100%」という規定が多いです。
ただし、お盆や年末年始などの繁忙期は「1週間前から」発生するなど、条件が厳しくなることがあります。予約確定メールや公式サイトの規約を必ず確認し、早めの判断を心がけましょう。
Q:最安値で利用する方法はありますか?
A:最も安く抑える方法は「お散歩なし、食事持ち込み、基本料金のみの動物病院」を利用することです。
しかし、運動不足によるストレスを考慮すると、短時間の預かりでない限りおすすめはしません。地域の相場を比較しつつ、初回限定の「体験宿泊割引」などを利用して、愛犬との相性を確認しながら決めるのが賢明です。
まとめ
ペットホテルの料金は、単なる宿泊費だけでなく、「安心と安全を買うためのコスト」という側面があります。
1泊数千円の差を惜しんだために、大切なペットに辛い思いをさせてしまっては本末転倒です。
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1泊の相場は小型犬・猫で3,000円〜5,000円、大型犬で6,000円〜10,000円程度。
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繁忙期割増やオプション(散歩・食事・カメラ)の有無で総額は大きく変わる。
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24時間制か1日単位制か、施設の計算ルールを事前に確認する。
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多頭飼い割引や会員割引を活用することで、賢くコストを抑えられる。
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安さだけで選ばず、スタッフ体制や衛生管理などの安全性を最優先する。
ペットホテルの料金体系を正しく理解することは、あなたの不安を解消するだけでなく、ペットにとっても「いつもと違う環境でのストレスを最小限に抑える」ための大切な準備です。
まずは気になる施設の公式サイトで、基本料金に何が含まれているかをチェックしてみてください。
そして、疑問点があれば電話やメールで「追加でかかる費用はありますか?」と直接聞いてみるのが、最も確実な予算把握の方法です。
大切なペットとの暮らしを彩るために、ぜひ納得のいく預け先を見つけてください。




























動物病院併設: 宿泊費は比較的リーズナブル(3,000円〜)ですが、散歩が別料金だったり、ケージのみの宿泊だったりすることが多いです。持病がある場合には最も安心です。
トリミングサロン併設: ショップの奥にあるケージで預かる形態が多く、料金は相場通りです。トリミングとセットで割引になるケースがあります。
ペットホテル専門店: 24時間スタッフ常駐や広々とした個室(スイートルーム)など、設備が充実している分、料金は1泊7,000円〜15,000円と高額になる傾向があります。