長引く咳や熱が続き、周囲でマイコプラズマが流行していると聞くと、自分や家族が感染していないか不安になるものです。
マイコプラズマは一般的な風邪とは異なり、重症例や症状が遷延する場合には、抗生物質による治療が必要になることがあります。
そのためには、早期に正しい検査を行い、原因を特定することが回復への最短ルートとなります。
しかし、いざ検査を受けようと思っても
- 「鼻の奥を拭う検査は痛いのか」
- 「結果が出るまでに何日かかるのか」
- 「費用はどれくらいかかるのか」
など、多くの疑問が浮かぶはずです。
また、最近では肺炎だけでなく、性感染症としてのマイコプラズマについても注目が集まっています。
この記事では、マイコプラズマの検査方法について、その種類から精度、受けるべきタイミング、そして費用に至るまで、知っておくべき情報をすべて網羅して解説します。
もくじ
マイコプラズマ検査の全体像と種類
マイコプラズマ感染症には、主に呼吸器に感染する「マイコプラズマ肺炎」と、泌尿器や生殖器に感染する「マイコプラズマ・ジェニタリウム(性感染症)」の2パターンがあります。
どちらもマイコプラズマという細菌が原因ですが、検査に使用する検体や推奨される検査方法が異なります。
現在、日本の医療機関で行われている主な検査方法は以下の4種類です。
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核酸増幅法(LAMP法・PCR法): 菌の遺伝子を増やして検出する、感度が高く、現在広く用いられている検査法の一つ。
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抗原迅速検査: インフルエンザ検査のように、その場で短時間に結果がわかる方法。
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抗体検査: 血液を採取し、体の中にできた免疫反応を調べる方法。
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培養法: 菌を実際に育てて確認する方法。非常に時間がかかるため、現在は一般的ではありません。
それぞれの検査にはメリットとデメリットがあり、症状が出てからの日数や、何を優先するか(精度かスピードか)によって選択肢が変わります。
4つの主要な検査方法を徹底比較
どの検査を受けるべきかを判断するために、それぞれの特徴を比較した以下の表を確認してください。
マイコプラズマの検査方法における特徴と比較
| 検査方法 | 精度 | 結果までの時間 | 検査内容(検体) | 主な特徴 |
| 核酸増幅法(LAMP/PCR) | 非常に高い | 1〜3日程度 | 喉の拭い液・尿・うがい液 | 発症初期から検出可能で信頼性が高い |
| 抗原迅速検査 | やや低い | 約15〜20分 | 喉の拭い液 | その場でわかるが、菌が少ないと陰性になりやすい |
| 抗体検査(血液検査) | 中程度 | 2〜4日程度 | 血液 | 感染から時間が経ってから反応が出る |
| 培養法 | 高い | 1〜2週間以上 | 喉の拭い液など | 薬剤耐性の確認には有効だが、診断には遅い |
この表からわかるように、現在の診断において主流となっているのは「核酸増幅法(特にLAMP法)」です。
かつては抗体検査が一般的でしたが、現在ではより早く、より正確に診断できる遺伝子検査が推奨されています。
核酸増幅法(LAMP法・PCR法)の仕組みとメリット
LAMP法やPCR法は、検体の中に含まれるわずかなマイコプラズマのDNAを、専用の装置で何百万倍にも増やして検出する方法です。
最大のメリットは、感染の初期段階でも高い精度で診断できることです。
喉の粘膜に少しでも菌がいれば検出できるため、症状が出てから2〜3日といった早い段階での確定診断に適しています。
外部の検査機関に委託する場合、結果が出るまでに数日を要しますが、院内に検査機器を備えているクリニックであれば、数時間で判明することもあります。
抗原迅速検査の注意点
抗原迅速検査は、診察室で結果がすぐにわかるため非常に便利です。
しかし、核酸増幅法に比べると感度が低く、「実際には感染しているのに、結果が陰性と出てしまう(偽陰性)」というケースもあります。
特に発症してすぐの時期は、喉にいる菌の量が少ないため、迅速検査では捉えきれないことがあります。
医師が症状から強くマイコプラズマを疑う場合、迅速検査が陰性であっても、より精度の高いLAMP法を追加で行うか、臨床的に判断して治療を開始することが一般的です。
抗体検査が必要になるケース
抗体検査は、体内に侵入したマイコプラズマに対して作られた免疫(抗体)を測定します。
感染してから抗体が上昇するまでには通常1〜2週間かかるため、 発症直後の診断には向きません。
しかし、症状が長引いてから受診した場合や、過去の感染歴を調べる場合には有効です。
また、急性期と回復期の2回採血を行い、抗体価の上昇を確認することで、過去の感染ではなく「今まさに感染している」ことを確定させるために用いられることもあります。
【症状別】最適な検査タイミング
検査を受けるタイミングを間違えると、正しい結果が得られないことがあります。自分の症状に合わせて、いつ受診すべきかを確認しましょう。
マイコプラズマ肺炎(咳・発熱)の場合
マイコプラズマ肺炎の潜伏期間は2〜3週間と長く、症状はじわじわと現れます。
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発症直後(1〜3日目): 迅速検査では陰性になりやすいため、高精度のLAMP法やPCR法が推奨されます。
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発症から4日目以降: 菌の量が増えるため、迅速検査の精度も上がります。
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咳が1週間以上続いている場合: どの検査でも検出されやすくなりますが、抗体検査も選択肢に入ってきます。
「周りにマイコプラズマの人がいて、自分も咳が出始めた」という場合は、すぐに受診して遺伝子検査を希望するのが賢明です。
性感染症(排尿痛・違和感)の場合
マイコプラズマ・ジェニタリウムなどの性感染症を疑う場合、検査のタイミングは肺炎とは異なります。
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感染機会から24時間後以降: 多くの専門クリニックでは、感染の可能性がある行為から24時間経てばPCR検査が可能としています。ただし、確実性は時間経過とともに高まります
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症状がある時: 尿道炎や膣炎の症状がある場合は、すぐに検査を受けるべきです。
性感染症としてのマイコプラズマは、クラミジアや淋菌と症状が似ていますが、治療薬が異なります。
「クラミジアの治療を受けたのに治らない」という場合に、実はマイコプラズマだったというケースも多いため、同時検査が推奨されます。
検査の痛みと具体的な流れ
検査に伴う痛みや不快感は、受ける方法によって大きく異なります。事前に流れを知っておくことで、リラックスして臨むことができます。
呼吸器(肺炎)の検査:喉・鼻のぬぐい液
最も一般的なのは、細い綿棒を使って喉の奥や鼻の奥の粘膜をこすり取る方法です。
- 採取: 医師が長い綿棒を口または鼻から挿入します。
- 痛み: 喉の場合は「おえっ」とする違和感、鼻の場合はツーンとする痛みがあります。 時間は数秒程度です。
- 処理: 採取した綿棒を試薬に入れ、検査に回します。
インフルエンザや新型コロナウイルスの検査を経験したことがある方なら、それと同じ程度の負担だとイメージしてください。
性感染症の検査:尿・うがい・拭い液
性感染症の検査は、身体的な痛みがほとんどない方法が主流です。
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男性: 出始めの尿を採取するだけの「初尿検査」が一般的で、痛みは全くありません。
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女性: 自分で膣の入り口を綿棒で拭う「膣拭い液」や、医師による採取を行います。
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咽頭(喉): 専用の液でうがいをする「うがい液検査」が行われます。
これらの検査はプライバシーに配慮され、多くのクリニックでは自分自身で採取することが可能です。
医師に患部を見せる必要がない場合も多いため、心理的なハードルも低くなっています。
費用と保険適用の条件
マイコプラズマ検査には、健康保険が適用される場合と、全額自己負担(自費)になる場合があります。
マイコプラズマ検査の費用目安(3割負担の場合と自費の場合)
| 項目 | 保険適用(3割負担) | 自費診療(自由診療) |
| 抗原迅速検査 | 約1,000円〜1,500円 | 約3,000円〜5,000円 |
| 核酸増幅法(LAMP/PCR) | 約2,500円〜3,500円 | 約5,000円〜15,000円 |
| 抗体検査(血液検査) | 約1,500円〜2,500円 | 約4,000円〜7,000円 |
| 初診料・判断料など | 別途必要 | 込み、または別途 |
※費用はあくまで目安であり、医療機関や同時に行う他の検査によって変動します。
保険が適用される条件
医師が診察の結果、「症状からマイコプラズマ感染症の疑いが強く、診断のために検査が必要である」と判断した場合に保険が適用されます。
例えば、以下のようなケースです。
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激しい咳や高熱があり、レントゲンで肺炎の疑いがある。
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家族や学校など、身近なところでマイコプラズマの集団感染が発生している。
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尿道炎の症状があり、他の菌(クラミジア等)が陰性だった。
単に「不安だから調べておきたい」「症状はないが感染していないか確認したい」という場合は、保険適用外の自費診療となります。
自費診療(自由診療)になるケース
主に性感染症の専門クリニックや、無症状でのスクリーニング検査、郵送検査キットなどが該当します。
自費診療のメリットは、医師の判断を待たずに自分のタイミングで検査を受けられることや、匿名性を保てることです。
最近では、咽頭(喉)と性器のマイコプラズマをセットで検査できるプランを用意しているクリニックも増えています。
検査結果が出た後のステップ:薬剤耐性に注意
検査で陽性と判定された場合、抗生物質による治療が始まります。
ここで知っておかなければならないのが、「マクロライド耐性マイコプラズマ」の存在です。
マイコプラズマ治療の第一選択薬はマクロライド系抗生物質(クラリスロマイシンなど)ですが、近年、この薬が効かない耐性菌が増加しています。
- 薬の服用: 処方された抗生物質を正しく飲みます。
- 経過観察: 通常、2〜3日で熱が下がり始めます。
- 再検討: もし薬を飲んでも48〜72時間以内に改善が見られない場合、耐性菌の可能性があります。
- 薬の変更: 医師の判断により、キノロン系やテトラサイクリン系といった別の種類の抗生物質に変更します。
「検査をしたから安心」ではなく、薬がしっかり効いているかどうかを自分自身で観察することが、重症化を防ぐポイントです。
よくある質問
マイコプラズマの検査に関して、患者様からよく寄せられる疑問をまとめました。
Q:検査キットが不足していると聞きましたが、検査は受けられますか?
A:流行状況によっては、一部の医療機関で「抗原迅速検査キット」が不足することがあります。
しかし、検体を外部の検査センターに送る「LAMP法」や「PCR法」であれば、キット不足の影響を受けずに検査可能な場合がほとんどです。
受診前に電話で、どの検査が可能か確認することをおすすめします。
Q:陰性と出ましたが、咳が止まりません。どうすればいいですか?
A:マイコプラズマ検査が陰性であっても、以下の可能性が考えられます。
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タイミングの問題: 菌量が少なく、検出限界以下だった(偽陰性)。
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他の原因: 百日咳、RSウイルス、喘息、あるいは他の細菌性肺炎など。
症状が続く場合は、数日後にもう一度検査を受けるか、レントゲンや血液検査など多角的な診断を医師に相談してください。
Q:子どもが検査を嫌がります。痛くない方法はありますか?
A:小さなお子様の場合、鼻や喉のぬぐい液は大きな負担になります。
最近では、痛みがない「唾液」や「うがい液」で検査できる医療機関も増えています。
ただし、年齢や施設によって対応が異なるため、小児科で「できるだけ痛くない方法」を相談してみましょう。
Q:性病のマイコプラズマ検査は、パートナーも受けるべきですか?
A:はい、パートナーとの「ピンポン感染(お互いにうつし合うこと)」を防ぐため、同時検査・同時治療が原則です。
どちらか一方が陰性であっても、潜伏期間のズレがあるため、二人揃って適切な処置を受けることが再発防止には不可欠です。
Q:マイコプラズマは一度かかれば二度とかかりませんか?
A:いいえ、マイコプラズマには終生免疫(一度かかると二度とかからない仕組み)はありません。
数年経てば再び感染する可能性があります。
検査で治癒を確認した後も、手洗いやうがい、性感染症であればコンドームの使用といった予防策を継続することが重要です。
まとめ
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現在の主流は**精度の高い「LAMP法」や「PCR法」**であり、発症初期からの診断に適している。
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迅速検査はその場で結果がわかるが、菌が少ない時期には「偽陰性」になるリスクがある。
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肺炎を疑うなら喉・鼻のぬぐい液、性感染症を疑うなら尿や膣の検査を行う。
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保険適用には医師の判断が必要であり、自己負担3割なら3,000円前後が目安となる。
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検査で陽性となった後、薬が効かない場合は「薬剤耐性菌」を疑い、速やかに医師に相談する。
マイコプラズマは「ただの風邪」と放置すると、肺炎の重症化や不妊のリスクにつながることもあります。
「いつもの風邪とは違う」と感じたら、適切なタイミングで精度の高い検査を受け、確実な治療に繋げてください。
早期発見こそが、あなた自身と大切な周囲の人を守るための最善策です。









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