- 犬の歯磨きってそんなに大事なの?
「口臭もしないし、ぱっと見汚れてないから歯磨きはしていないです。」
…それかなりやばいかも?
歯磨きが愛犬に与える影響は、おそらくあなたの想像の10倍以上に大切です。
「えっ?歯磨きってそんなに大事なの?」という事実を知らない…それだけのせいで、愛犬は歯周病で歯をなくし、数万～数十万の多額の治療費を出費するハメになるかも…?
- 「犬用ガムで死亡事故が起きてるってほんと?」
- 「なんで犬用ガムで事故がおこるの?」
- 「犬用ガムの正しい選び方や安全な使い方を知りたい!」
犬用のガムって簡単に歯の汚れを取ることができ、愛犬のストレス発散やいたずら防止の暇つぶしにもなるので、便利ですよね。
けれども実は、その犬用ガムで危険な事故が起きてることをご存知でしょうか。
犬用ガムの選び方、使い方によっては大切な愛犬の歯が欠けたり、腸閉塞を起こしたり、最悪の場合、窒息死など…重大な事故につながることがあるんです。
なぜなら、さまざまな種類の犬用のガムが販売されている中で、多くの飼い主が愛犬にあった犬用ガムの選び方や与え方を知らずに使ってしまっているからです。
そこで今回、犬用のガムで起こる事故の危険性と、愛犬に合った犬用ガムの正しい選び方や与え方を、犬の管理栄養士である私が3つのポイントにしぼって解説します。
- 犬用ガムの危険性についてわかる
- 犬用ガムで事故が起こる原因がわかる
- 犬用ガムの正しい選び方と安全な与え方がわかる
この記事を読めば、犬用ガムの危険性や正しい選び方・与え方が分かります。そして犬用ガムへの不安が解消され、愛犬とのおやつ時間を楽しみながら、お口のケアまで可能になります。
じゃあ、そもそも犬ガムってどんなものか知ってる?
※目次の気になる場所をタップすれば、その場所から読めます。
もくじ
犬用ガムってどんなもの?
犬用のガムを使用することで、愛犬の歯の汚れが簡単に取れたり、歯磨き嫌いの子にも遊びながら使えるのでとっても便利ですよね。専門店のみならず最近では１００円均一ショップなど多くのお店で取り扱いがあるため購入しやすく、愛犬に与えている飼い主の方も多いのではないでしょうか。
そんな犬用ガムには大きく分けて3つの種類があります。
おやつ用ガム
ささみやチーズなど愛犬が喜ぶものが入っており、主にご褒美などで与えます。
ストレス対策用ガム
ほかのガムより固く作られており、特徴としては長く噛み続けることが可能で、甘噛みやおもちゃの誤飲防止に使われます。
歯磨き用ガム
歯の汚れや歯周病予防、口の中の消臭などに効果があるもので、ゆっくり時間をかけて噛ませることでデンタルケアになります。
そして、犬用ガムの原材料は次のものがよく使用されています。
- 牛皮
- 豚皮
- ささみ
- チーズ
- 小魚
- ミルクやフルーツ
じゃあ、犬用ガムをあげるメリットって何だと思う?
犬用ガムのの３つのメリット
犬用ガムには用途に合わせてさまざな種類があります。ここでは犬用のガムのメリットについて解説します。
犬用のガムには下のような３つのメリットがあります。
- 簡単お手軽にデンタルケアができる
- 噛むことで愛犬のストレス発散や暇つぶしになる
- 愛犬のいたずら防止になる
私たち人間と同じように、愛犬たちの健康維持には歯磨きが必須です。しかし中には、歯磨きが苦手な子や口の周りを触られるのすら苦手な子たちもいます。
飼い主としては嫌がる愛犬に無理やり歯磨きするのは抵抗がありますよね。あなたにとっても愛犬にとっても歯磨きがつらい時間になってしまいます。
そういったときに犬用のガムを与えることで、歯磨きが好きな子はもちろん、苦手な子にも歯周病予防などのオーラルケアがお手軽にできます。さらに、いたずら防止や愛犬のストレス軽減にとても役に立っており、愛犬への効果としては必要性が高いといえます。
犬用ガムで事故が起こる３つの原因と懸念される事故の例
いろいろな用途や種類がある犬用のガムですが、選び方や与え方ひとつでさまざまな危険性があらわれます。そして、実際に事故が起きているのも事実…。
あなたの大切な愛犬を守るため、こっからは不慮の事故が起きてしまう３つの原因と懸念される具体的な事故の例について解説します。
- サイズや硬さが合っていない。
- 原材料を確認していない。
- 与える時に目を離してしまう。
詳しく解説していきます。
サイズや硬さが合っていない
事故の例①）歯が欠ける、折れる
実は犬用のガムには、犬種や体格の大きさ、月齢に合わせてさまざまな種類があります。商品に記載されている情報をきちんと確認しないと愛犬の歯が欠けてしまうことも…。
特に老犬は歯自体が弱く、子犬の犬歯は欠けやすくなっています。もし一度でも欠けてしまうと、もう元には戻りません。選ぶ際には、愛犬の犬種や月齢に合ったものを選び与えるようにしましょう。
▼愛犬の歯が欠けてしまった飼い主のツイート
うちの犬、歯が欠けまして😭先程全身麻酔にて穴埋めしておりました💦犬は本来、固いものは食べないそうで、ドックフードより硬いものを食べさせたら歯が欠けるそうです。知らなかった～😭ごめんよ～💦 pic.twitter.com/9wDYNOrDir
— ほしこめ🐶 (@hoshi_kones) September 6, 2021
事故の例②）腸閉塞
サイズの合わない犬用ガムを与え、固まりを飲み込んでしまうと消化不良を起こす場合があります。腸や胃の中で固まってしまった場合、腸閉塞を引き起こしてしまう危険性があるのです。
私たち人間の場合は、飴やガムを飲み込んでも胃で消化されますが、犬の場合はそうもいきません。消化されずに蓄積されていき、最終的には腸閉塞などの病気につながるのです。
現にアメリカでは消化不良による死亡事故が起きており、開腹手術を受けなければならないケースもあったようです。
もし、あなたの愛犬に下のような腸閉塞を疑う症状がでたなら、すぐにかかりつけの病院に行きましょう。
- 元気がなく食欲もない
- 嘔吐がある
- 便秘または下痢がある
- 腹痛、下腹部のガスが溜まりで苦しんでいる
▼腸閉塞の初期症状が分かります。
原材料を確認していない
事故の例③）キシリトール中毒
キシリトール中毒とは、キシリトールの摂取によりインスリンが大量に分泌され、低血糖や肝臓に障害を引き起こすことを言います。個体差にもよりますが中毒量（体重1kgあたり0.1ｇ以上）を摂取した場合、おおよそ３０分～１時間以内に中毒症状が見られます。
- 食欲がなく元気がない
- 震えが続いている
- 嘔吐している
- 立ち方、歩き方がおかしい
以前は犬用の歯磨き用ガムなどにキシリトールが配合されたものが販売されていましたが、中毒症状を起こすトラブルが多く起きたことで、今ではキシリトールが配合されたものはありません。
しかし、人間用のキシリトールガムやキシリトール配合の歯磨き粉など誤って食べてしまうこともあるので注意が必要です。
▼キシリトール中毒を注意喚起する獣医師のツイート
人には安全性の高いキシリトールですが，犬では微量でも強いインスリン 放出刺激があり1kgあたり0.1g〜0.5gで低血糖や肝不全を起こすことがあります。市販のキシリトールガムには0.5g程度含まれているものもあるので誤飲しないよう注意が必要です。 pic.twitter.com/9wk83YpOSG
— 獣医師ふー@犬と猫の中毒情報 (@K40107500) December 2, 2022
事故の例④）アレルギー
私たち人間と同様に犬にもアレルギーを持つ子たちがいます。特に食物アレルギーが多く、犬用ガムの原材料を確認せずに与えてしまうとアレルギー症状が出てしまうことも…愛犬が苦しい思いをしないように必ず原材料は確認しましょう。
▼愛犬がアレルギー炎症を起こした飼い主のツイート
うなぎ(犬)の病院行ってきましたー。
食物アレルギーで炎症起こした可能性が高いそうなのでこれからは慣れないものをあげないように気を付けないと・゜・(つД｀)・゜・
しかし年取ってくると病院で紹介されてる犬ガムもダメなのかー(´･ω･`)— ヒツジ (@koara_otita) April 5, 2018
与える時に目を離す
事故の例⑤）窒息事故
そして、一番恐ろしいのが窒息事故です。犬用ガムはゆっくり噛んでいる間に、唾液を含んで非常に粘り気が増えていきます。粘り気の強いガムを飲みこんでしまうと、喉に貼りついたり詰まらせたりする危険があるのです。結び目のある犬ガムは、固まりを丸飲みしやすく、窒息してしまう危険性が高くなるので、愛犬に与える際には特に注意が必要です。
▼のどに詰まらないよう注意して与える飼い主
犬の口腔ケアとしてデンタルケアキブルを試してみた。開けると結構匂いがするから猫も寄ってくる。噛んでもらわないといけないので、今回は猫様にはあげません。
喉につまると嫌なので1つずつあげると、すぐにガブッと食べてくれた。原材料を見ると半分以上がターキー…そりゃ食いつきがいいわけだ pic.twitter.com/pSRWKBQiQq— 金欠オムレツ@眠い (@ku_mica_co) November 23, 2021
▼誤飲時の救命法が分かる動画
【犬用ガムで死亡事故!?】正しい犬用ガムの選び方と与える際に気を付けるべき3つのポイント!
もちろん犬用ガムによる事故を防ぐ一番の方法は『与えない』ことです。
しかし、歯磨きが苦手な子や噛むことでストレス発散になったり、いたずら防止など大切な愛犬の健康維持にとっては必要性の高いものであることもまた事実です。
次の３つのポイントを気を付けさえすれば、
あなたも愛犬も楽しくオーラルケアができ、健康維持につながります。
正しい選び方３つのポイント
- 愛犬の犬種、体格にあったサイズのものを選ぶ。
- アレルギーなどを考え、原材料は必ず確認する。
- 愛犬の歯の状態や体調にあわせた固さを選ぶ。
安全な与え方３つのポイント
- 愛犬の口の大きさや体調にあったサイズであげる。
- 丸飲みしないように、手から直接あげる。
- 与えるときは目を離さず見守る。
しかし中には、少しでも危険があるなら大切な愛犬には与えたくないという方もいらっしゃると思います。
でも歯磨きが苦手で嫌がるからどうすればいいか…
何か代わりのなるものないのかなぁ…
犬用ガムを正しく選んで与えたとしても、危険な事故を100％防ぐことはできないため、不安を感じてしまいますよね。
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まとめ
▼犬用ガムの危険性について
- 歯が欠ける
- 消化不良による腸閉塞
- キシリトール中毒
- 丸飲みによる窒息
▼犬用ガムで事故が起こる３つの原因
- 犬種にあったサイズや硬さなどわからず与えている。
- 犬用ガムの原材料を確認していない。
- 与える時に目を離してしまう。
▼犬用ガムの正しい選び方と安全な与え方３つのポイント
選び方 ３つのポイント
- 犬種、体格にあったサイズのものを選ぶ。
- アレルギーなどを考え、原材料は必ず確認する。
- 歯の状態や体調にあわせた固さを選ぶ。
与え方 ３つのポイント
- 口の大きさや体調にあったサイズであげよう。
- 丸飲みしないように、手から直接あげよう。
- 与えるときは目を離さず見守ろう。
犬用ガムは愛犬のストレス対策やいたずら防止、歯磨きなどのオーラルケアにとても効果的です。その反面、愛犬にあったものを正しく選び、与えないと思わぬ危険性につながります。
犬用ガムを正しく選び、与えることで大切な家族の健康維持につなげましょう。
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