愛嬌たっぷりの表情と筋肉質な体つき、そして何よりも人間が大好きな性格で多くの人を虜にするフレンチブルドッグ。
しかし、いざ家族に迎えようと調べ始めると、その値段の高さに驚かれる方も少なくありません。
他の小型犬種と比べても、フレンチブルドッグの価格設定は非常にユニークであり、そこにはこの犬種ならではの深い理由があります。
「なぜこれほどまでに価格に差があるのか?」
「安く売られている子には何か問題があるのか?」
といった不安を抱えるのは、あなたが愛犬との未来を真剣に考えている証拠です。
この記事では、近年のペット市場動向や、複数の販売事例を参考に、フレンチブルドッグの値段の正体、そして購入後に後悔しないための「価格と健康のバランス」について、徹底的に解説していきます。
もくじ
フレンチブルドッグの毛色別・入手先別の値段相場
フレンチブルドッグの値段は、時代背景や人気の推移によって変動しますが、2025年現在、その相場は安定して高値で推移しています。
最も大きな変動要因は「毛色(カラー)」と「どこから迎えるか」という入手先です。
まずは、現在市場で一般的とされている価格の目安を表で確認してみましょう。
フレンチブルドッグの毛色別・販売場所別の価格相場一覧
| 毛色の種類 | ペットショップの相場 | 優良ブリーダーの相場 | 特徴と希少性 |
| クリーム | 45万円〜80万円 | 50万円〜90万円 | 最も人気が高く、常に需要がある。 |
| パイド | 40万円〜70万円 | 45万円〜75万円 | 白地に模様が入る。模様の美しさで変動。 |
| ブリンドル | 35万円〜60万円 | 40万円〜65万円 | 定番の虎毛。比較的落ち着いた価格帯。 |
| フォーン | 40万円〜65万円 | 45万円〜70万円 | 茶系。マスクの濃さや色味で評価が分かれる。 |
この表から分かる通り、フレンチブルドッグを迎えるには最低でも35万円〜40万円以上の予算が必要になります。
特に、ブリーダーがこだわりを持って繁殖させている個体や、ドッグショーでの受賞歴がある血統の場合は、100万円を超えるケースも珍しくありません。
ペットショップとブリーダーの価格差については、ショップは「中間マージン」が含まれるのに対し、ブリーダーは「繁殖コストと付加価値」が直接反映されるという違いがあります。
安さだけを追求すると、後述する健康リスクを抱える可能性が高まるため、この相場観を基準に検討を進めることが大切です。
なぜフレンチブルドッグは高いのか?価格を押し上げる4つの背景
他の犬種と比較して、なぜフレンチブルドッグはこれほどまでに高額なのでしょうか。
その理由は、この犬種が抱える「生命の誕生における難しさ」と、ブリーダーが注ぐ膨大な手間にあります。
1. 自然分娩が極めて困難であること
フレンチブルドッグは頭が大きく、腰回りが細いという体型的な特徴を持っています。そのため、母犬の産道を子犬の頭が通り抜けられず、自然分娩ができる確率は非常に低いです。
結果として、ほぼすべての出産が「帝王切開」によって行われます。これには専門の獣医師による手術費用、深夜や早朝の対応費用、そして母犬の術後ケア費用がかかります。
この医療コストが、子犬1頭あたりの販売価格に直接上乗せされるのです。
2. 繁殖における専門知識と技術の必要性
フレンチブルドッグは交配自体も難しく、人工授精を選択するブリーダーも多いです。
また、母犬が子犬を潰してしまわないよう、産後の数週間はブリーダーが24時間体制で授乳や排泄の補助を行います。
このような「つきっきり」のケアには莫大な人件費と精神的な負担がかかります。
「命を繋ぐためのコスト」が他の犬種よりも圧倒的に高いことが、値段に反映されている大きな要因です。
3. 希少なカラーや血統へのこだわり
「クリーム」などの人気色は需要が供給を上回りやすく、価格が高騰します。
また、遺伝性疾患(椎間板ヘルニア、呼吸器疾患など)のリスクを減らすために、DNA検査を行ったり、優良な血統を維持したりするための投資も欠かせません。
健康への配慮を徹底しているブリーダーほど、そのコストを価格に反映せざるを得ないという側面があります。
4. 短頭種特有の健康管理コスト
子犬が誕生してからも、フレンチブルドッグは温度管理が非常にデリケートです。
夏場や冬場の空調管理、清潔な環境維持のための設備投資など、子犬がベストな状態で飼い主の元へ届くまでの「維持費」も高額になります。
「安すぎるフレンチブルドッグ」に潜む3つの重大なリスク
インターネットや一部の店舗で、相場を大きく下回る「20万円以下」などで販売されている個体を見かけることがあります。
一見するとお得に感じられますが、そこには将来的に何倍もの出費や悲しみをもたらすリスクが隠れている可能性があります。
リスク1:遺伝性疾患と健康状態の不安
極端に安い価格設定の場合、親犬の健康診断や遺伝子検査を省略しているケースがあります。
フレンチブルドッグに多いヘルニアや心臓疾患、呼吸器の異常などが、成長とともに出てくる可能性が高まります。
購入時の数万円を節約した結果、数百万円の医療費がかかったり、愛犬が若くして苦しんだりするケースは後を絶ちません。
リスク2:社会化不足と精神面の課題
安価な販売を目的とした「パピーミル(子犬工場)」では、親犬や兄弟犬と過ごす大切な時期を無視して、早期に引き離すことがあります。
これにより、噛み癖や無駄吠え、極度の臆病さといった行動問題が出やすくなります。
一生付き合う性格の基盤が崩れているリスクは、お金では解決できない大きな問題となります。
リスク3:劣悪な繁殖環境の助長
低価格販売を実現するためには、どこかでコストを削る必要があります。
それが「親犬の生活環境」や「適切な食事」である場合、その子犬を購入することは、動物虐待に近い繁殖サイクルを支援することにも繋がりかねません。
「命の値段」には必ず理由があることを忘れず、不自然に安い個体に対しては慎重な姿勢を持つべきです。
フレンチブルドッグを迎える際の初期費用と年間コスト
値段を考える際、子犬の生体価格だけを見るのは不十分です。フレンチブルドッグは「維持費がかかる犬種」の代表格でもあります。
家族として迎える前に、以下の費用をしっかりとシミュレーションしておきましょう。
初期費用(生体代以外にかかるもの)
子犬を迎える初日までに、最低限必要なアイテムを揃えるだけで5万円〜10万円程度はかかります。
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ケージ・サークル:15,000円
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トイレ・シーツ:5,000円
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食器・給水器:3,000円
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ベッド・毛布:5,000円
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首輪・リード:5,000円
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混合ワクチン・狂犬病予防(初回分):15,000円
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畜犬登録料:3,000円
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滑り止めマット(必須):10,000円〜
年間にかかる維持費の目安
フレンチブルドッグは、特にエアコン代と医療費が他の犬種より高くなる傾向があります。
フレンチブルドッグの年間維持費シミュレーション
| 項目 | 年間の目安費用 | 備考 |
| フード・おやつ代 | 60,000円〜100,000円 | プレミアムフード推奨。 |
| 消耗品(シーツ等) | 24,000円〜36,000円 | 清潔維持が皮膚病予防になる。 |
| 予防医療費 | 30,000円〜50,000円 | ワクチン、フィラリア、ノミダニ。 |
| ペット保険料 | 40,000円〜80,000円 | 加入は強く推奨される。 |
| 光熱費(エアコン代) | 30,000円〜60,000円 | 24時間フル稼働が基本。 |
| トリミング・ケア | 20,000円〜40,000円 | 爪切りや肛門絞りなど。 |
合計すると、年間で約20万円〜40万円程度が平均的な維持費となります。これに加えて、フレンチブルドッグ特有の皮膚疾患や呼吸器疾患による通院が発生すると、さらに上乗せされます。
「経済的な余裕が、愛犬の健康を守る盾になる」という現実は、否定できません。
信頼できる入手先の見極め方:値段以上の価値を見つける
フレンチブルドッグをどこから迎えるべきか迷った際、チェックすべきは値段の数字ではなく、その価格の「中身」です。
優良ブリーダーから迎えるメリット
ブリーダーから直接迎える場合、親犬の性格や健康状態、育った環境を自分の目で確かめることができます。
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帝王切開や産後のケアをどう行っているか詳しく説明してくれる
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遺伝子検査の結果を提示してくれる
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引き渡し後も相談に乗ってくれる「一生のパートナー」になってくれる
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鼻の穴の形や、歩き方の特徴など、健康上の個体差を正直に話してくれる
「売りたい」という気持ちよりも「幸せになってほしい」という気持ちが伝わってくるブリーダーは、多少価格が高くても、それ以上の安心を提供してくれます。
ペットショップで選ぶ際の注意点
対面販売が義務付けられているため、必ず店舗に足を運び、スタッフの知識レベルを確認してください。
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短頭種特有のデメリット(熱中症リスク等)を隠さず説明するか
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生体価格以外にかかる「安心パック」などのオプション費用が明快か
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指定の保険への強制加入など、不透明な契約内容がないか
「今すぐ決めないと売れてしまう」と急かすような店舗は避け、じっくりと比較検討できる環境を選びましょう。
フレンチブルドッグの値段交渉はマナー違反か?
結論から申し上げますと、ブリーダーに対する無理な値段交渉は、基本的には避けるべきです。
前述の通り、フレンチブルドッグの繁殖には莫大なコストと命がけの努力が伴っています。
値段を値切るということは、ブリーダーが注いできた愛情や技術、そして命を繋ぐために支払った医療費を否定することにも繋がりかねません。
もし予算が合わない場合は、無理に交渉するのではなく、「少し成長した月齢の子」を探すか、一時的に貯金を増やすなどして、「正当な対価」を支払える状態で迎えることが、ブリーダーとの信頼関係、ひいては愛犬との幸せなスタートに繋がります。
ただし、ペットショップにおいて「キャンペーン中」などで価格が変動している場合は、その理由を確認する程度であれば問題ありません。
よくある質問
Q:オスとメスで値段は変わりますか?
A:一般的に、メスの方が数万円程度高く設定されることが多いです。
これは、メスの方が体が小さめで扱いやすいとされることや、将来的な繁殖能力を持つこと(ただし、安易な繁殖は厳禁です)が理由に挙げられます。
しかし、フレンチブルドッグの場合は性別よりも毛色や血統、体格のバランスが価格に強く反映されます。
Q:里親募集で無料で迎えることはできますか?
A:保護団体や里親サイトでフレンチブルドッグが募集されることはありますが、「無料」という言葉には注意が必要です。
保護されるに至った背景には、持病があったり、シニア犬であったりする場合が多く、譲渡費用(ワクチン代等の実費)の支払いが必要です。
また、その後の医療費が子犬の生体価格を簡単に超えることもあるため、十分な経済的覚悟が必要です。
Q:子犬の値段は、月齢が経つとどれくらい下がりますか?
A:生後3ヶ月を過ぎる頃から、徐々に価格が下げられる傾向があります。生後半年を過ぎると、当初の半額程度になることも珍しくありません。
しかし、フレンチブルドッグの場合、生後2〜3ヶ月の「社会化期」に適切な教育を受けているかどうかが非常に重要です。
月齢だけで判断せず、その期間にどのようなケアを受けてきたかを必ず確認してください。
Q:チャンピオン直子だと、どれくらい値段が上がりますか?
A:ドッグショーのチャンピオン犬を親に持つ子犬は、一般的な相場よりも10万円〜30万円以上高くなることが一般的です。
これは、単なるブランドだけでなく、骨格構成や歩様、そして「犬種標準(スタンダード)」にどれだけ近いかという「美しさと健康の証明」に対する価格です。
家庭犬として飼う場合でも、骨格がしっかりしていることは、将来の関節トラブルのリスクを減らす一助になります。
Q:2025年現在、価格が高騰している理由は円安ですか?
A:はい、円安による輸入フードや医療資材の価格高騰、そして光熱費の上昇が、ブリーダーの維持コストを直撃しています。
さらに、法改正による飼育環境の基準厳格化(ケージの広さや従業員数など)も、適正な運営を行うブリーダーのコスト増に繋がっており、結果として販売価格が底上げされています。
これは「適正な環境で育てられている証拠」とも言えるため、一概にネガティブな要因ではありません。
まとめ
フレンチブルドッグの値段は、決して安くはありません。しかし、その高価な値段の裏側には、この犬種が「人の助けなしには誕生できない」という切実な背景と、健やかな命を繋ごうとする専門家の情熱が隠されています。
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2025年の生体価格相場は40万円〜80万円程度が目安。
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帝王切開や24時間のケアなど、繁殖コストが価格を押し上げている。
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「安すぎる子犬」には、健康リスクや社会化不足の危険が潜む。
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生涯にかかる維持費(特にエアコン代と医療費)は年間30万円前後を見込む。
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信頼できる入手先を選ぶことが、将来の医療費削減と幸福に直結する。
フレンチブルドッグという素晴らしいパートナーとの生活は、お金で買える以上の喜び、驚き、そして深い絆をもたらしてくれます。
目の前の数字だけにとらわれず、あなたがその子と過ごす10年以上の月日を想像してみてください。
正しい知識を持ち、納得のいく対価を支払って迎えた愛犬は、あなたの人生をこれまで以上に豊かで彩りあるものにしてくれるはずです。
まずは予算の計画を立て、信頼できるブリーダーやショップとの出会いから始めてみましょう。
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