犬の生理（ヒート）期間はいつまで？周期や症状・注意点を徹底解説

愛犬の陰部が腫れていたり、床に血の跡を見つけたりして「これって生理？」と不安になっていませんか？

犬の生理は正式には「ヒート（発情期）」と呼ばれ、人間とは仕組みも期間も大きく異なります。

本記事では、犬のヒートが続く期間や周期、注意すべき症状から、散歩や室内でのケア方法までを網羅しました。

愛犬がデリケートになるこの時期を、安心して健やかに過ごすための結論を確認しましょう。

犬の生理（ヒート）期間と周期の目安

犬のヒートは、人間のように毎月来るものではありません。まずは、一般的な期間と頻度について正しく理解しましょう。

期間は「約2〜3週間」

出血が始まってから、陰部の腫れが引き、発情が完全に収まるまでには約15日〜21日（2〜3週間）かかります。

最初の1週間ほどは出血が目立ちますが、その後、血が薄くなった時期こそが「排卵期（妊娠しやすい時期）」であり、オス犬を強く引きつけるため最も注意が必要な期間です。

周期は「年に2回」

個体差や犬種差がありますが、一般的には6ヶ月〜8ヶ月に1回のペースでやってきます。

小型犬は比較的周期が安定しやすく、大型犬は1年に1回程度と間隔が長い傾向にあります。

ステージ別の状態まとめ

犬のヒートは大きく4つの段階に分かれます。

犬の豆知識：人間の生理とは「仕組み」が逆？

愛犬の体を守るために知っておきたい、人間との決定的な違いについての豆知識です。

出血の意味が全く違う

人間の生理は「受精しなかった卵子が排出される（終わりの合図）」ものですが、犬のヒートによる出血は「これから妊娠するための準備（始まりの合図）」です。

そのため、「血が止まったから安心」ではなく、「血が止まってからが本格的な発情期（妊娠可能期間）」であることを忘れないでください。

出血に気づかないことも

きれい好きな犬の場合、自分で血を舐めとってしまうため、飼い主が気づかないことがあります。「なんだか最近よく股の間を舐めているな」「陰部が以前よりぷっくりしている気がする」といった変化を見逃さないことが、早期発見のメリットになります。

ヒート中の注意点：散歩と室内での過ごし方

ヒート中の愛犬はホルモンバランスの変化で不安になりやすく、周囲への配慮も欠かせません。

散歩は「時間とコース」を選んで

ヒート中のメス犬が放つフェロモンは、数キロ先のオス犬にまで届くと言われています。

• ドッグランは厳禁： トラブル防止のため、期間中は利用を控えましょう。

• コースの変更： 他の犬が多い公園は避け、短時間の気分転換に留めるのが最善策です。

• マナーパンツの活用： 出血対策だけでなく、周囲にニオイを広げない効果もあります。

室内でのケアとマナーパンツ

室内を汚さないためには「サニタリーパンツ（生理パンツ）」が便利です。

ただし、ずっと履かせっぱなしにすると蒸れて皮膚炎の原因になるため、注意が必要です。寝る時や、目を離せない時だけ使用し、こまめに交換して清潔を保ってあげましょう。

食欲の変化とメンタルケア

ヒート中は、食欲が落ちたり、逆に異常に甘えん坊になったりすることがあります。

叱ったりせず、愛犬がリラックスできる環境を整えてあげてください。また、激しい運動は避け、室内で静かに過ごさせるのが結論です。

知っておくべき重大な健康リスク

未避妊のメス犬にとって、ヒートに関連する病気は命に関わることがあります。

子宮蓄膿症（しきゅうちくのうしょう）

ヒートが終わった後の「発情休止期」に最も起こりやすい、子宮に細菌が溜まって膿が出る病気です。

• サイン： 水を飲む量が急に増えた、元気がない、陰部から膿が出ている。

  放っておくと命を落とす危険があるため、ヒート終了後の数ヶ月間は体調変化に細心の注意を払いましょう。

偽妊娠（想像妊娠）

妊娠していないのに、お乳が出たり、おもちゃを赤ちゃんのように守ったりする現象です。

通常は自然に収まりますが、乳腺炎などのトラブルに繋がることもあるため、気になる場合は獣医師への相談が悩み解決に繋がります。

よくある質問（FAQ）

初めてのヒートはいつ頃来ますか？

一般的には生後6ヶ月から10ヶ月頃、成犬の体の大きさに近づいた時期に始まります。ただし、大型犬の場合は生後1年を過ぎてから来ることもあります。

ヒート中にシャンプーをしても大丈夫ですか？

陰部がデリケートになっており、細菌感染もしやすいため、出血がひどい時期のシャンプーは控えたほうが安心です。どうしても汚れが気になる場合は、ぬるま湯で軽く流すか、ウェットティッシュで優しく拭き取る程度にするのが注意点です。

出血が1ヶ月以上続いています。異常ですか？

はい、異常の可能性があります。 通常は2〜3週間で終わります。1ヶ月以上続く場合は、子宮疾患や卵巣のトラブルが隠れている恐れがあるため、至急動物病院を受診することが結論です。

避妊手術をするならいつが良いですか？

一般的には「ヒートが完全に終わってから2〜3ヶ月後」の、ホルモンバランスが安定している時期が推奨されます。ヒート真っ最中は血管が太くなっており、手術のリスクが上がるため避けるのが一般的です。

まとめ

犬の生理（ヒート）は、約2〜3週間続く「命を繋ぐための大切な準備期間」です。

人間とは仕組みが異なり、「出血が止まってからが妊娠の可能性が高い」という点は、予期せぬ妊娠を防ぐためにも必ず覚えておきましょう。

散歩コースの配慮やパンツの活用など、飼い主ができる小さな工夫が、愛犬のストレス軽減と周囲へのマナーに繋がります。また、ヒート後の体調変化に敏感になることは、子宮蓄膿症などの恐ろしい病気の予防という大きなメリットを生みます。

愛犬が一生のうちに経験する数少ないデリケートな時期。正しい知識を持って、優しく寄り添ってあげてください。