愛犬の命綱である首輪。デザインだけで選んでいませんか?
実は、素材や形状の選び方一つで、愛犬のストレスや安全性が大きく変わります。
この記事では、失敗しないサイズの測り方から、目的別のおすすめ種類、ハーネスとの使い分けまで、専門的な視点も交えてわかりやすく解説します。
もくじ
犬の首輪の選び方!3つの重要ポイント
愛犬にぴったりの首輪を選ぶために、まずは基本的な選び方を押さえておきましょう。
「サイズ」「素材」「バックル」の3つの要素を理解することで、失敗のリスクを大幅に減らすことができます。
①サイズ:指2本の余裕が黄金ルール
首輪選びで最も重要なのがサイズ感です。
きつすぎれば愛犬の首を絞めてしまい、緩すぎれば散歩中にすっぽ抜けて脱走事故につながります。
最適なサイズの目安:
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首輪と首の間に大人の指が2本入る程度の余裕があること。
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短毛種や小型犬の場合は、指1本〜1.5本でもOKです。
この「指2本の隙間」が、愛犬にとって苦しくなく、かつ安全にコントロールできる絶妙なバランスです。
②素材:革・ナイロン・布の特徴を比較
首輪の素材にはそれぞれメリットとデメリットがあります。
愛犬の活動量や肌の強さ、使用目的に合わせて最適な素材を選びましょう。
| 素材 | 特徴 | メリット | デメリット | 向いている犬 |
| 本革 | 丈夫で高級感がある |
耐久性が高い 使うほど馴染む |
水に弱い 手入れが必要 |
中〜大型犬 引っ張りが強い犬 |
| ナイロン | 軽くて安価 |
水濡れに強い デザイン豊富 |
静電気が起きやすい 摩擦で毛切れすることも |
全犬種 アウトドア派 |
| 布・コットン | 柔らかく肌に優しい |
肌への負担が少ない 軽量 |
耐久性は低め 汚れやすい |
パピー 室内犬・老犬 |
③バックル種類:ベルト式とワンタッチ式の違い
留め具(バックル)の形状も、使い勝手や安全性に大きく関わります。
ベルト(バックル)タイプ
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人間のベルトと同じように、穴に金具を通して留めるタイプ。
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外れにくく頑丈なので、力の強い中型〜大型犬におすすめです。
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装着に少し時間がかかるのが難点です。
ワンタッチ(プラスチックバックル)タイプ
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「カチッ」と差し込むだけで装着できるタイプ。
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着脱が簡単なので、じっとしていられない子犬や、頻繁に付け外しする場合に便利です。
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プラスチック製は経年劣化で割れることがあるため、定期的な点検が必要です。
【目的別】愛犬に合う首輪の種類はどれ?
「どんな首輪がいいの?」という疑問に対し、目的や悩み別のおすすめタイプを紹介します。
愛犬の性格やライフスタイルに当てはまるものを選んでください。
引っ張り癖があるなら「ハーフチョーク」
散歩中にグイグイ引っ張ってしまう子には、ハーフチョークカラーが有効です。
これは首輪の一部がチェーン(鎖)やナイロンでできており、リードを引くと首輪が締まる仕組みです。
メリット:
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犬が引っ張ると首輪が締まり、「いけない」という合図(ショック)が伝わる。
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完全に首を絞めつけすぎない構造(リミッター付き)のものが多い。
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しつけトレーニングに最適。
注意点:
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常に首が締まるわけではありませんが、使い方が重要です。
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サイズ調整を間違えると効果が出なかったり、抜けたりします。
おしゃれと耐久性なら「本革ベルト」
「長く使える良いものが欲しい」「愛犬をスタイリッシュに見せたい」という方には、本革製のベルトタイプ一択です。
メリット:
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使い込むほどに革が柔らかくなり、愛犬の首にフィットする。
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強度が非常に高いため、一度買えば数年は使える。
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高級感があり、迷子札の刻印などができるオーダーメイド品も多い。
注意点:
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雨の日や水遊びには不向きです(濡れたら陰干し必須)。
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最初は硬いことがあるので、革用オイルで馴染ませると良いでしょう。
手軽さと水遊びなら「ナイロン×ワンタッチ」
アクティブなワンちゃんや、毎日の散歩で手軽に使いたい場合は、ナイロン製のワンタッチタイプが最強です。
メリット:
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水に濡れてもすぐ乾くので、川遊びや雨の日でも安心。
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汚れたら丸洗いできるので衛生的。
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軽量で犬への負担が少ない。
注意点:
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長毛種の場合、バックルに毛を挟まないよう注意が必要です。
肌が弱い・パピーなら「布・クッション素材」
皮膚がデリケートな犬種や、首輪デビューをしたばかりの子犬には、肌当たりの優しい素材を選んであげましょう。
メリット:
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摩擦による「首輪ハゲ」や皮膚炎を防げる。
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非常に軽いので、首輪に慣れていない子でも嫌がりにくい。
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裏地にネオプレン(ウェットスーツ素材)などのクッション材を使ったものもおすすめ。
注意点:
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強度は革やナイロンに劣るため、噛み癖のある子が噛むとすぐに切れてしまうことがあります。
ハーネスと首輪はどっちがいい?使い分けの正解
「首輪とハーネス(胴輪)、どっちがいいの?」という質問は非常に多いですが、結論は「目的によって使い分ける」のが正解です。
それぞれの得意分野を理解して、状況に応じて使い分けましょう。
首輪が向いているケース:しつけ・常時装着
首輪は、飼い主の意思を愛犬に伝えやすい道具です。
首輪をおすすめするケース:
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しつけトレーニング中(合図が伝わりやすい)。
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散歩中の制御・コントロールが必要な場合。
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迷子札や鑑札を常時つけておきたい場合(24時間装着)。
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短時間の散歩。
首輪は常に身につけておくことで、「飼い犬であることの証明」になります。万が一の脱走時、首輪があれば保護される確率が格段に上がります。
ハーネスが向いているケース:呼吸器保護・老犬
ハーネスは胴体を包み込むため、首への負担を分散させることができます。
ハーネスをおすすめするケース:
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気管が弱い犬種(トイプードル、チワワ、ポメラニアンなどの小型犬)。
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呼吸器疾患(気管虚脱など)がある場合。
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老犬(シニア犬)で足腰の踏ん張りが弱っている場合。
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ロングリードで自由に走らせる場合。
注意点:
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ハーネスは犬が楽に引っ張れてしまうため、引っ張り癖が悪化することがあります。
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しつけが完了していない段階でハーネスのみにすると、制御が難しくなる場合があります。
正しいサイズの測り方と付け方
どんなに良い首輪を買っても、サイズが合っていなければ意味がありません。
通販で購入する際にも役立つ、正しい計測方法をマスターしましょう。
首周りの計測位置とヌードサイズ
首輪のサイズを測る場所は、首の付け根ではなく「耳の付け根に近い、首の一番細い部分」と「首の付け根(少し太い部分)」の中間あたりです。
計測の手順:
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愛犬を立たせた状態にします(座っていると首の肉が寄って太くなります)。
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メジャーを首に回し、毛を軽く押さえてぴったりと測ります(これをヌードサイズと呼びます)。
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ヌードサイズに1cm〜2cm(小型犬)、または2cm〜3cm(中型〜大型犬)を足した長さが、首輪の内径サイズです。
NGな測り方:
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今使っている首輪を平置きで測る(形状によって誤差が出ます)。
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寝ている状態で測る。
成長期の子犬はこまめな調整が必要
子犬の成長スピードは驚くほど早いです。
「先週は指2本入ったのに、今週は指1本も入らない!」ということが頻繁に起こります。
子犬期のポイント:
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週に1回はサイズチェックを行う。
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サイズ調整幅(アジャスター)が広い首輪を選ぶ。
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最初は安価なものでOK(すぐにサイズアウトするため)。
首輪がきつくなると、苦しいだけでなく、皮膚に食い込んで傷になる恐れがあります。常に余裕があるか確認してあげてください。
首輪を安全に使うための注意点と寿命
首輪は消耗品です。安全に使い続けるために、日頃のケアと交換時期を知っておきましょう。
付けっぱなしはNG?ハゲや皮膚炎のリスク
室内でも首輪をずっと付けっぱなしにするのは、メリット(迷子対策)とデメリット(皮膚トラブル)の両方があります。
付けっぱなしのリスク:
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首輪ハゲ: 常に同じ場所が擦れて、毛が抜けてしまう。
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皮膚炎・蒸れ: 特に夏場や、シャンプー後の生乾き状態で付けると菌が繁殖しやすい。
対策:
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ブラッシングの際は必ず外す。
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夜寝るときや、ケージに入っているときは外してあげる(リラックスさせる)。
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付けっぱなしにするなら、軽量で肌当たりの良い素材(迷子札用チョーカーなど)にする。
買い替えサインと事故防止チェック
「まだ使えるから」とボロボロの首輪を使い続けるのは危険です。散歩中に突然金具が壊れて、愛犬が車道に飛び出してしまう事故は実際に起きています。
即交換すべき危険サイン:
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バックルの爪が割れている、または閉まりが甘い。
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ベルト穴が広がって、ピンが抜けそうになっている。
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ナイロンや布がほつれて、切れかかっている。
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金属パーツが錆びている。
首輪の寿命目安:
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毎日使用する場合:半年〜1年
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使用頻度が低い場合:2年程度
見た目がきれいでも、素材の経年劣化(特にプラスチックや合皮)は進んでいます。
愛犬の命を守るためにも、1年に1回は新品に買い替えることを強くおすすめします。
よくある質問(FAQ)
首輪を初めてつける子犬が嫌がります。どうすればいい?
無理につけるとトラウマになります。まずは首輪を見せておやつをあげることから始め、慣れたら数秒だけ装着してすぐに褒める、を繰り返してください。「首輪=楽しいこと」と関連付けるのがコツです。最初はリボンなど軽い紐で練習するのもおすすめです。
首輪とハーネス、両方つけてもいいですか?
はい、むしろ推奨されます(ダブルリード)。
特に脱走癖のある犬や、人通りの多い場所を歩く際は、首輪とハーネスの両方を装着し、それぞれにリードを繋ぐ(または二股リードを使う)ことで、万が一どちらかが抜けても命を守ることができます。
首輪に迷子札は絶対に必要ですか?
必須です。
災害や雷の音でパニックになり、脱走するケースは後を絶ちません。マイクロチップも有効ですが、保護してくれた一般の方がすぐに連絡できるのは迷子札です。名前と電話番号がわかれば、即座に再会できる確率が高まります。
気管虚脱と診断されましたが、首輪はダメですか?
散歩中はハーネスを使用してください。
気管虚脱の犬に首輪でリードを引くと、気管がつぶれて呼吸困難になるリスクがあります。散歩用には「気管を圧迫しない形状(Y型など)のハーネス」を使い、首輪は迷子札をつけるための軽量なチョーカーとして併用するのが安全です。
ブランドの高い首輪と安い首輪の違いは?
主に「金具の強度」と「素材の耐久性」です。
安価なものはバックルが壊れやすかったり、縫製が甘かったりすることがあります。高価なブランド品は、安全テストをクリアした頑丈な金具を使用していたり、長く使える高品質な革を使用していることが多いです。安全性への投資と考えましょう。
まとめ
愛犬の首輪選びは、デザインだけでなく「安全性」と「快適さ」を最優先に考えることが大切です。
記事のポイントまとめ:
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サイズは「指2本の余裕」が鉄則。
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引っ張り癖にはハーフチョーク、耐久性なら本革、手軽さならナイロン。
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気管が弱い子や老犬にはハーネスを使い分ける。
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成長期の子犬はこまめなサイズ調整を忘れずに。
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首輪は消耗品。1年を目安に買い替えて事故を防ぐ。
愛犬にぴったりの首輪を見つけて、安全で楽しいお散歩ライフを送ってくださいね。






















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