「大きな犬に抱きついて寝てみたい」
そんな憧れだけで大型犬を飼うと、間違いなく生活が崩壊します。
大型犬の飼育は、桁違いの体力、資金、そして覚悟が必要です。しつけに失敗すれば、愛犬が「凶器」になりかねません。
この記事では、初心者が安易に手を出してはいけない大型犬をランキング形式で解説し、その裏にあるリアルな負担を包み隠さずお伝えします。
不幸な犬と飼い主を減らすための、真実のガイドです。
もくじ
プロが「初心者はやめておけ」と警告する大型犬の共通点
大型犬との暮らしは魅力的ですが、「飼ってはいけない」と言われるには明確な理由があります。
それは性格の良し悪しではなく、現代の日本の住宅事情や、初心者の飼育スキルでは管理しきれない という物理的・精神的な限界点です。まずは、大型犬飼育のハードルの高さを直視してください。
1日2時間でも足りない?圧倒的な運動量
大型犬、特に牧羊犬や使役犬をルーツに持つ犬種は、底なしのスタミナ を持っています。
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散歩時間の目安: 1回1時間以上を1日2回(計2時間以上)
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内容: ただ歩くだけでは不十分。ボール投げやドッグランでの全力疾走が必要。
雨の日も台風の日も、この運動量を確保できなければ、彼らはストレスで家具を破壊したり、一日中吠え続けたり します。「週末だけ遊べばいい」という考えは通用しません。あなたの毎日の自由時間は、すべて犬の散歩に消えると考えてください。
食費だけで月数万!想像を絶する維持費
「体が大きいから食べる量も多い」とは思っていても、実際の出費は想像を絶します。
特に医療費と老後の介護費用 は、小型犬の比ではありません。
| 項目 | 費用の目安(月額・回額) | 備考 |
| 食費(フード・おやつ) | 15,000円〜30,000円 | プレミアムフードならさらに高額 |
| フィラリア・ノミダニ薬 | 3,000円〜5,000円 | 体重別料金のため小型犬の倍以上 |
| ペットシーツ | 3,000円〜5,000円 | ワイド・スーパーワイドサイズを大量消費 |
| トリミング代 | 15,000円〜25,000円 | 長毛種の場合、毎月の大きな負担に |
| ペットホテル(1泊) | 5,000円〜10,000円 | 大型犬対応の施設自体が少ない |
これに加え、万が一の手術や入院となれば、数十万円単位の請求 が一瞬で飛びます。「お金がないから病院に行けない」は、飼い主としての資格を失うことと同義です。
噛まれたら大怪我!しつけ失敗のリスク
体重30kgを超える大型犬の力は、成人男性でも制御が困難です。
もし散歩中に他の犬や子供に飛びかかってしまったら、ただの「じゃれつき」でも大怪我 をさせてしまいます。
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引っ張り癖: 飼い主が転倒し骨折する事故が多発。
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飛びつき: 老人や子供を押し倒してしまう危険性。
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咬傷事故: 賠償問題や殺処分 に発展する最悪のケース。
「しつけ教室に通えばなんとかなる」と軽く考えがちですが、大型犬のしつけは飼い主自身のリーダーシップと一貫性 が求められます。中途半端な知識で挑むと、賢い彼らはすぐに見下し、言うことを聞かなくなります。
平均寿命は短い…早すぎる別れの覚悟
残酷な現実ですが、大型犬の寿命は小型犬よりも短いです。
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大型犬の平均寿命: 10歳〜12歳
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超大型犬: 7歳〜9歳
小型犬が15年以上生きるのに対し、大型犬はシニア期に入るのが早く、7歳を過ぎれば立派な老犬です。
「やっと落ち着いてきたな」と思った矢先に介護が始まり、あっという間に別れが訪れます。愛犬との時間が短い という事実を、飼う前から受け入れる強さが必要です。
飼ってはいけない大型犬ランキングTOP5【初心者閲覧注意】
ここでは、初心者が「見た目がかっこいいから」という理由だけで飼うと高確率で後悔する犬種 をランキング形式で紹介します。
これは犬種批判ではなく、「その犬種の特性を幸せに満たしてあげられる飼い主が限られている」 という警告です。
1位:シベリアン・ハスキー(脱走と破壊の常習犯)
極寒の地でそりを引いていたタフさと、オオカミのような容姿で大人気ですが、初心者には最もハードルが高い犬種の一つです。
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運動量: 無限のスタミナ。散歩だけでは満足せず、家中のものを破壊してストレス発散します。
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脱走癖: 知能が高く、鍵を開けたり塀を飛び越えたりして脱走する名人です。
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独立心: 猫のように気まぐれで、飼い主の命令よりも自分の興味を優先します。「呼んでも来ない」は日常茶飯事。
「ハスキーはバカだ」という俗説がありますが、これは間違いです。 賢すぎて、意味のない命令に従わないだけです。ユーモアと根気、そして頑丈な家がないと飼えません。
2位:ロットワイラー(防衛本能が招く咬傷事故)
筋肉の塊のようなボディと、強靭な顎を持つ護衛犬です。
非常に忠実で賢いですが、その防衛本能の強さ が諸刃の剣となります。
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警戒心: 家族を守ろうとするあまり、他人や他の犬に対して攻撃的になりやすいです。
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管理責任: プロのトレーナーによる徹底的な訓練が必須。素人が飼うと、近隣住民を恐怖に陥れる ことになります。
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力: 本気で引っ張られたら、人間の力では止められません。
世界的に見ても咬傷事故の件数が多く、一部の国や地域では飼育規制 がかかっているほどです。一般家庭のペットとして安易に迎える犬ではありません。
3位:秋田犬(飼い主以外には牙を剥く忠誠心)
「忠犬ハチ公」のイメージで美化されがちですが、本来は熊を狩るための猟犬(マタギ犬)です。
「ワンオーナードッグ(一人の主人にしか従わない)」 と呼ばれるほど、家族への愛情は深い一方、他人への排他性が強いです。
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気難しさ: 頑固で、気に入らないことがあると飼い主にも歯向かうことがあります。
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攻撃性: オス同士の喧嘩は激しく、ドッグランなどで他の犬と遊ばせるのは非常に危険です。
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サイズ: 日本犬特有の筋肉質な体格で、立ち上がると人間と同じくらいの高さになります。
海外では人気ですが、「初心者には絶対に勧めない犬種」 として有名です。柴犬を大きくしただけと思ったら大間違いです。
4位:ボーダー・コリー(知能犯ゆえのノイローゼ)
全犬種の中で最もIQが高い と言われる牧羊犬です。
「賢いから飼いやすい」という誤解が一番の落とし穴です。
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作業欲求: 常に「仕事」をしていないと精神的に不安定になります。退屈させると、影を追いかけ続けるなどの常同行動(ノイローゼ)を起こします。
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運動の質: ただ走らせるだけでなく、頭を使わせるフリスビーやアジリティなどのスポーツが必要です。
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牧羊本能: 動くものを追いかける本能があり、子供や自転車、車に向かって突進することがあります。
飼い主が彼ら以上の知能と体力を持ってリードできなければ、家の中を支配され、破壊され尽くします。
5位:ダルメシアン(底なしの体力と警戒心)
映画の影響で愛らしいイメージがありますが、元々は馬車と並走して護衛を行っていた「コーチドッグ」です。
馬と一緒に何十キロも走れる体力 を持っています。
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運動量: 自転車引き運動などの高負荷な運動が毎日必要です。
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警戒心: 意外にも神経質で警戒心が強く、家族以外には懐きにくい面があります。
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健康面: 尿路結石になりやすい体質のため、徹底した食事管理と水分補給の管理が生涯必要です。
見た目のファッショナブルさとは裏腹に、アスリート並みの生活 を強いられる犬種です。
それでも大型犬を飼いたい人へのおすすめ犬種
ここまで厳しい現実をお伝えしましたが、それでも「大型犬の包容力が諦められない」という方には、比較的初心者でも扱いやすい犬種も存在します。
ただし、「楽」なわけではありません。 しつけや運動は必須ですが、性格的にマイルドな犬種です。
温厚さNo.1:ゴールデン・レトリーバー
大型犬の代名詞とも言えるゴールデンは、「人懐っこさ」と「学習能力の高さ」 が魅力です。
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メリット: 攻撃性が低く、子供や他のペットとも仲良くできます。初めての大型犬として最もバランスが良いです。
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注意点: 興奮しやすく、若いうちは「破壊王」になることも。抜け毛の量は覚悟が必要です。
盲導犬の資質:ラブラドール・レトリーバー
盲導犬や警察犬として活躍する通り、作業意欲が高く、人間と協力するのが大好き です。
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メリット: 短毛でお手入れが比較的楽。訓練性能が高く、しつけが入れば最高のパートナーになります。
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注意点: 食欲旺盛で太りやすいです。また、幼少期のヤンチャさはゴールデン以上で、2〜3歳までは暴走列車のようなエネルギーがあります。
穏やかな巨人:バーニーズ・マウンテン・ドッグ
スイス原産の牧畜犬で、温和でのんびりした性格 が特徴です。
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メリット: 激しい運動よりも、ゆったりとした散歩を好みます。家族に寄り添うことが大好きで、室内での落ち着きがあります。
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注意点: 暑さに極端に弱く、夏場のエアコン代は必須。また、平均寿命が7〜8歳と短命な傾向があります。
大型犬を迎える前にチェックすべき「飼い主の資格」
大型犬を飼うことは、車を一台所有する以上の責任とコストがかかります。
以下のチェックリストに一つでも「NO」があるなら、今は飼うべき時期ではありません。
毎月5万円以上を犬に使えますか?(費用表)
大型犬の生涯費用は300万円〜400万円 に達することも珍しくありません。
特にシニア期に入ると、介護用品や投薬で出費が急増します。
【大型犬にかかる年間費用の目安】
| 費目 | 年間コスト(概算) |
| フード・おやつ代 | 200,000円〜 |
| 医療費(予防接種含む) | 100,000円〜 |
| 日用品(シーツ等) | 50,000円〜 |
| トリミング・ケア | 100,000円〜 |
| 保険料 | 60,000円〜 |
| 合計 | 約51万円〜 |
これはあくまで「健康な場合」です。病気をすれば、これに数十万が加算されます。自分の趣味や旅行を我慢してでも、犬にお金を使える経済力 が必要です。
30kgの暴走を止められる体力はありますか?
散歩中、愛犬が猫を見つけて急に走り出した時、あなたはリードを離さずに耐えられますか?
大型犬の突進力は凄まじく、不意打ちを食らうと大人が宙を舞います。
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腰痛持ちの方
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体力に自信のない高齢者
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小さな子供だけで散歩に行かせる予定の家庭
これらに当てはまる場合、大型犬の飼育は事故の元です。自分自身がジムに通って筋トレをするくらいの気概 が求められます。
10年後の介護まで見据えていますか?
大型犬の介護は壮絶です。
30kg以上の体を抱えてトイレに行かせたり、床ずれを防ぐために数時間おきに体位変換をさせたりする必要があります。
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抱っこして階段を上がれますか?
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寝たきりになった時、誰が24時間体制で看病しますか?
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車に乗せて病院へ連れて行けますか?
可愛い子犬の時期だけでなく、動けなくなった巨大な老犬を最期まで背負う覚悟 がなければ、飼ってはいけません。
よくある質問(FAQ)
検索者が抱きやすい疑問について、プロの視点で回答します。
大型犬を室内飼いする場合の広さは?
最低でも20畳以上のLDKと、犬専用のスペースが必要です。
ケージの中に入れっぱなしはNGです。大型犬が尻尾を振っても家具に当たらない程度の動線確保が必須。狭い部屋や物が溢れている部屋では、犬も人もストレスでノイローゼになります。また、床は滑らない加工(ペット対応フローリングやマット)が絶対条件です。
共働きでも大型犬は飼えますか?
不可能ではありませんが、極めて困難です。
子犬の時期(〜1歳)は、1日3〜4回の食事と頻繁なトイレトレーニングが必要で、長時間のお留守番はできません。成犬になっても、朝晩計2時間の散歩時間を確保し、留守中の破壊行動や吠えのリスクに対策する必要があります。ペットシッターや犬の幼稚園を利用する資金力が不可欠です。
初心者が飼いやすい大型犬はいますか?
「本当に飼いやすい」大型犬はいません。
比較的マイルドなゴールデン・レトリーバーでも、抜け毛の掃除や運動量は大変です。「初心者向け」という言葉は、「超難関犬種に比べればマシ」程度の意味で捉えてください。プロのドッグトレーナーをつけて、飼い主自身が勉強する姿勢があれば、どの犬種でもパートナーになれる可能性はあります。
大型犬のトイレはどうすればいい?
室内と屋外の両方でできるようにトレーニングすべきです。
「外でしかしない」と決めてしまうと、台風の日や老犬になって歩けなくなった時に詰みます。室内には畳一畳分ほどの特大トイレスペース(スーパーワイドシーツ対応)を設置し、失敗しても怒らず根気よく教える必要があります。排泄物の量も多いため、消臭対策も重要です。
保護犬の大型犬を引き取るのはアリ?
素晴らしい選択ですが、初心者にはハードルが高い場合も。
保護犬は過去のトラウマや、前の飼い主によるしつけの失敗を引き継いでいることがあります。特に大型犬の問題行動(噛み癖など)は危険度が高いため、トライアル期間を設け、保護団体のスタッフとよく相談してから決めることを強く推奨します。成犬であれば性格が確定しているため、相性は見極めやすいです。
まとめ
「飼ってはいけない大型犬」というテーマで解説してきましたが、これは決して犬たちが悪いわけではありません。彼らの能力や本能が、現代の一般的な家庭環境や初心者のスキルとミスマッチを起こしやすい という事実があるだけです。
記事の要点まとめ:
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運動量と破壊力: 1日2時間の散歩は当たり前。満たされないと家を壊す。
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金銭的負担: 生涯費用は300万円超。医療費と食費は青天井。
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要注意犬種: ハスキー、ロットワイラー、秋田犬などは初心者には危険。
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飼い主の覚悟: 30kgを制御する体力と、介護まで見据えた責任感が必要。
大型犬との暮らしは、大変さを補って余りあるほどの深い愛情と絆 をもたらしてくれます。しかし、それは「適切な環境」と「覚悟」があってこそ。
一時の感情に流されず、「自分は本当にこの命を最期まで守り切れるか?」 を自問自答してください。厳しい条件をクリアした先に、最高のパートナーとの生活が待っています。






















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