飼ってはいけない犬ランキング！初心者が後悔する理由と特徴を徹底解説

「見た目が可愛いから」という理由だけで犬を選んでしまい、後悔する飼い主が後を絶ちません。

犬種によって性格や必要な運動量は大きく異なり、自分のライフスタイルに合わない犬を迎えることは、飼い主と犬の双方にとって不幸な結果を招きます。

本記事では、初心者には飼育難易度が高いとされる犬種をランキング形式で解説し、その具体的な理由と対策を深掘りします。

生涯のパートナーとして最適な選択をするために、まずは「大変さ」の現実を知ることから始めましょう。

 

「飼ってはいけない」と言われる本当の理由とは？

インターネットやSNSで検索すると「飼ってはいけない犬」という衝撃的な言葉を目にすることがあります。

しかし、これは「その犬種が悪い」という意味ではありません。

真意は、その犬種特有の性質が現代の一般的な生活環境や、初心者の飼育スキルと致命的にミスマッチを起こしやすいという点にあります。

ここでは、なぜそのような警告がなされるのか、その根本的な背景を解説します。

 

イメージと現実のギャップによる「飼育放棄」

多くの人がテレビCMや映画の影響を受け、特定の犬種に対して「賢い」「おとなしい」「忠実」といった理想的なイメージを抱きがちです。しかし、メディアで見る犬たちは、プロによる高度な訓練を受けた特別な個体であることがほとんどです。

実際の家庭犬としての生活では、以下のような現実が待ち受けています。

 

• 想像以上の破壊行動：留守中に家具や壁をボロボロにされる

• 制御不能な興奮：散歩中に飼い主を引きずり回す

• 止まらない要求吠え：近隣からの苦情に精神を消耗する

 

こうした「理想と現実のギャップ」に耐えきれず、最悪の場合、飼育放棄に至るケースが存在します。「飼ってはいけない」という言葉は、安易な飼育による悲劇を防ぐための、経験者や専門家からの強い警告なのです。

 

ライフスタイルと犬種のミスマッチ

犬種にはそれぞれ、長い歴史の中で改良されてきた「役割（使役目的）」があります。牧羊犬、猟犬、愛玩犬など、そのルーツによって本能的な行動や必要な運動量は全く異なります。

例えば、広大な牧場を走り回るために作られた犬種を、都会の狭いマンションで、しかも多忙で散歩時間が取れない人が飼えばどうなるでしょうか。犬はストレスで問題行動を起こし、飼い主は疲弊します。

「飼ってはいけない」

とは、

「あなたの現在のライフスタイルでは、その犬種を幸せにできない可能性が高い」

というメッセージ

と捉えるべきです。特に以下の要素は、マッチングにおいて極めて重要です。

 

• 居住環境：一戸建てかマンションか、庭の有無

• 時間の余裕：毎日1時間以上の散歩や訓練が可能か

• 体力：大型犬や活発な犬を制御できる体力があるか

• 家族構成：小さな子供や高齢者がいるか

 

【初心者向け】飼育難易度が高い犬種ランキングTOP5

ここでは、特にはじめて犬を飼う人にとってハードルが高いとされる犬種を紹介します。

これらは非常に魅力的で人気のある犬種ですが、同時に

「プロでも手を焼くことがある」

と言われるほどの特性を持っています。

 

1位：賢すぎて知恵比べが必要な「ボーダーコリー」

ドッグスポーツの大会などで華麗な動きを見せるボーダーコリーは、全犬種の中で最も知能が高いと言われています。しかし、その高すぎる知能こそが、初心者にとって最大の壁となります。

 

 

▼ 飼い主を悩ませるポイント

ボーダーコリーは、飼い主の指示が一貫していないと、「この人はリーダーにふさわしくない」と判断し、全く言うことを聞かなくなります。

また、動くものを追う牧羊犬の本能が強く、バイクや自転車、子供を追いかけて噛んでしまう事故も起こり得ます。

単に可愛がるだけでなく、高度なトレーニングと膨大な運動時間を毎日確保できる人でなければ、共生は困難です。

 

2位：底なしの体力を持つ「ジャックラッセルテリア」

映画やドラマでの愛らしい姿から人気の高いジャックラッセルテリアですが、その実態は「小型犬の皮を被った大型犬」と称されるほどのエネルギッシュな猟犬です。

 

▼ 驚異的な身体能力

もともとキツネ狩りのために作られた犬種であり、巣穴に潜り込み、獲物と対峙するための強い気質と無尽蔵のスタミナを持っています。

 

• 散歩だけでは疲れない：1日2時間歩いてもケロッとしていることがある。

• ジャンプ力：身長の数倍の高さを軽々と飛び越え、脱走することも。

• 攻撃性：売られた喧嘩は買うタイプが多く、ドッグランでのトラブルに注意が必要。

「小型犬だから室内で飼いやすいだろう」という軽い気持ちで迎えると、家の中を破壊され、その激しさに圧倒されてしまうでしょう。彼らに必要なのは、愛玩ではなく「発散」と「規律」です。

 

3位：独立心が強く頑固な「柴犬」

日本犬の代表格である柴犬は、海外でも大人気ですが、洋犬（トイプードルやレトリバーなど）とは全く異なるメンタリティを持っています。

 

▼ 「猫のようだ」と評される性格

柴犬は飼い主に対して忠実ですが、ベタベタと甘えることを好まない個体が多いです。「触られたくないときは本気で怒る」「納得できない指示には従わない」という頑固さ（柴距離）があります。

 

• スキンシップの難しさ：爪切りやブラッシングを極端に嫌がり、飼い主でも噛まれることがある。

• 洋犬との違い：褒めて伸びるタイプではなく、毅然とした態度が必要。

• 社会化の重要性：子犬期に適切な経験を積まないと、警戒心が強く攻撃的な犬になりやすい。

 

「呼べば来る」「いつでも触らせてくれる」という犬のイメージで飼うと、そのドライな性格に寂しさを感じたり、噛み癖（本気噛み）に悩まされたりするケースが後を絶ちません。

 

4位：脱走癖と運動量が課題「シベリアンハスキー」

オオカミのようなクールな外見と、陽気な性格のギャップが魅力のシベリアンハスキーですが、家庭犬としての管理難易度は高めです。

 

▼ 制御不能な「走り」への欲求

極寒の地でソリを引くために改良された犬種であり、走ることへの欲求が異常に強いのが特徴です。

 

• 脱走の達人：運動不足や好奇心から、鍵を開けたり柵を飛び越えたりして脱走する。帰巣本能が低く、そのまま迷子になることも多い。

• 破壊王：退屈させると、ソファーやドアを噛み砕くほどの破壊力を見せる。

• 換毛期の恐怖：ダブルコートの大型犬であり、抜け毛の量は「ゴミ袋がいっぱいになる」レベル。

 

「毎日10kmランニングのパートナーが欲しい」というようなアクティブな人以外は、その運動欲求を満たすことが難しく、持て余してしまうでしょう。

 

5位：吠え声が大きく食欲旺盛な「ビーグル」

スヌーピーのモデルとしても知られるビーグルは、愛嬌のある外見とは裏腹に、生粋の猟犬（ハウンドドッグ）としての本能を色濃く残しています。

 

▼ マンション飼育を難しくする「ビーグル吠え」

ウサギ狩りにおいて、獲物を見つけたことを飼い主に知らせるために、よく通る大きな声で吠え続ける習性があります。

 

• 声量：体のサイズからは想像できないほど大きく、響き渡る声質。集合住宅では騒音トラブルの元になりやすい。

• 拾い食い：嗅覚が鋭く食欲が異常に強いため、散歩中の拾い食いや、家の中での盗み食いが絶えない。誤飲による手術リスクも高い。

 

しつけ教室に通っても、本能的な「吠え」や「嗅ぎ回り」を完全に抑えることは難しく、根気強いトレーニングと徹底した環境管理が求められます。

 

【マンション・一人暮らし】環境別に注意すべき犬種の特徴

居住環境に制限がある場合、犬種選びはさらに慎重になる必要があります。ここでは、特定の環境下でトラブルになりやすい犬種の特徴を整理します。

 

騒音トラブルになりやすい「吠える犬種」

マンションやアパートで最も大きな問題となるのが「鳴き声」です。特に以下の犬種は、警戒心や要求から吠えやすい傾向があります。

 

• ポメラニアン：警戒心が強く、物音やチャイムに敏感に反応してキャンキャンと吠える傾向がある。

• ミニチュアピンシャー：番犬気質があり、縄張り意識から吠え立てることがある。

• ダックスフンド：猟犬のルーツを持ち、声が太くよく通る。

 

対策の難しさ

「無駄吠え」と言われますが、犬にとっては意味のある行動（警戒、要求、不安）です。集合住宅では、一度吠え癖がつくと近隣からの苦情により、引っ越しを余儀なくされるケースもあります。

 

留守番が苦手で分離不安になりやすい犬種

一人暮らしの場合、日中は犬だけの留守番時間が長くなります。しかし、常に誰かと一緒にいることを好む甘えん坊な犬種は、孤独に耐えられず精神的に不安定になることがあります。

 

• トイプードル：非常に賢く人懐っこいが、依存心も強くなりやすい。

• フレンチブルドッグ：飼い主への愛着が深く、一人の時間を極端に嫌う子が多い。

 

分離不安症になると、飼い主がいない間に排泄の失敗、破壊行動、そして延々と続く遠吠えなどを引き起こします。留守番が多い家庭では、独立心のある犬種を選ぶか、ペットシッターなどの対策が必須となります。

 

抜け毛が多く掃除が追いつかない「ダブルコート」

室内飼育において、衛生管理の手間はあなどれません。犬の被毛には「シングルコート」と「ダブルコート」がありますが、ダブルコートの犬種は換毛期に凄まじい量の毛が抜けます。

 

 

一人暮らしで忙しく、毎日の掃除機がけやブラッシングができない場合、服も家具も毛だらけになり、アレルギーを発症するリスクも高まります。「毛が抜けない犬（プードルなど）」と比較して、掃除の手間は何倍にもなると覚悟してください。

 

意外と盲点？金銭的な負担が大きい犬種のリスク

犬を飼うには、食費やワクチン代だけでなく、犬種特有の医療費やケア費用がかかります。初期費用だけを見て判断すると、後の維持費で家計が圧迫される可能性があります。

 

短頭種（フレンチブルドッグ等）の医療費リスク

鼻が低い「短頭種」は、その愛らしい顔立ちの代償として、身体的な構造上のリスクを抱えています。

 

• 呼吸器トラブル：軟口蓋過長症や気管虚脱などになりやすく、呼吸困難を起こすことがある。いびきも健康上のシグナルであることが多い。

• 熱中症：体温調節が極めて苦手なため、夏場は24時間のエアコン管理が必須。電気代が跳ね上がる。

• 皮膚炎：顔のシワの間に汚れが溜まりやすく、こまめなケアを怠ると皮膚病になる。

 

これらの治療や手術には多額の費用がかかることが多く、ペット保険の保険料も、他の犬種に比べて割高に設定されている場合があります。

 

大型犬の食費と老後の介護負担

「いつかは大型犬を」と憧れる人は多いですが、小型犬とは桁違いのコストと労力がかかります。

 

• 食費・消耗品費：食事量は小型犬の数倍〜10倍。トイレシーツなどの消耗品も大型サイズが必要で、ランニングコストが高い。

• 老後の介護：大型犬も必ず老います。30kg以上の体を抱えてトイレ介助や通院をすることは、飼い主自身が高齢になった場合、肉体的に不可能になることがあります。

 

大型犬を飼う場合は、自身の10年後、15年後の体力と経済力を冷静にシミュレーションする必要があります。

 

それでも飼いたい人が準備すべき対策と心構え

ここまで厳しい現実をお伝えしましたが、それでも

「どうしてもこの犬種を飼いたい」

という強い情熱があるなら、それは素晴らしいことです。

難易度が高い犬種も、適切な準備と覚悟があれば、最高のパートナーになり得ます。

 

プロのドッグトレーナーとしつけ教室の活用

自己流のしつけは、難易度の高い犬種には通用しません。「子犬を迎えたその日から」プロの力を借りることを強くおすすめします。

 

• パピーパーティーへの参加：社会化期（生後3〜4ヶ月まで）に他の犬や人と触れ合わせ、過度な警戒心を解く。

• 出張トレーニング：自宅の環境で起こる問題行動（チャイム吠えなど）を直接指導してもらう。

• 預託訓練：プロの元に一定期間預けて、基本的な服従訓練を入れる（ボーダーコリーやシェパードなど）。

しつけにかかる費用は「無駄な出費」ではなく、将来の15年間の平穏な生活を買うための「必要経費」です。

運動欲求を満たすための環境づくり

活発な犬種を飼うなら、彼らのエネルギーを発散させることは飼い主の義務です。

 

• ドッグランの活用：週末は広い場所で思い切り走らせる。

• 知育玩具の導入：雨の日でも家の中で頭を使わせて疲れさせる。

• 散歩の質の向上：ただ歩くだけでなく、途中で「待て」や「ツイテ」などのコマンド練習を混ぜ、精神的な集中力を使わせる。

 

「疲れた犬は良い犬だ（A tired dog is a good dog）」という格言があります。十分にエネルギーを発散させた犬は、家の中では驚くほど穏やかに過ごしてくれます。

よくある質問（FAQ）

Q1. 一人暮らしの初心者でも飼いやすい犬種はいますか？

トイプードル、シーズー、キャバリアなどが比較的飼いやすいとされています。これらは賢く、攻撃性が低めで、しつけが入りやすい傾向があります。ただし、留守番対策やトリミングなどのケアは必須です。自分の生活リズムに合わせられるか検討しましょう。

 

Q2. 飼ってから「無理だ」と思ったらどうすればいいですか？

まずはプロのトレーナーや獣医師に相談してください。問題行動の多くは、専門的なアプローチで改善可能です。安易な譲渡や飼育放棄は絶対に避けてください。どうしても飼育継続が困難な場合は、保護団体へ相談するなど、犬の命を守る最善の方法を探す責任があります。

 

Q3. ミックス犬（雑種）は飼いやすいですか？

一概に飼いやすいとは言えません。両親の犬種の特徴をどう受け継ぐかが予測できないためです。「チワワとダックスのミックス」であれば、両方の遺伝的疾患や性格的リスクを持つ可能性があります。純血種以上に、個体差が大きいことを理解しておく必要があります。

 

Q4. 飼うのにお金がかからない犬種はいますか？

基本的にお金がかからない犬はいません。ただ、トリミング不要な短毛種（チワワ、ミニピンなど）は美容代が浮きますが、抜け毛対策や寒さ対策が必要です。逆にトリミングが必要な犬種は毛が抜けにくいメリットがあります。どこにコストをかけるかの違いと捉えましょう。

 

Q5. 犬を飼う前に必ず確認すべきことは何ですか？

「最期まで面倒を見られるか」という一点に尽きます。転勤、結婚、出産、自身の病気など、ライフイベントがあっても犬を手放さない覚悟があるか。また、万が一の時に預けられる人がいるかを確認し、経済的なシミュレーションをしておくことが不可欠です。

 

まとめ

「飼ってはいけない犬ランキング」に挙げられる犬種は、決して悪い犬ではなく、飼い主に高いスキルや覚悟、そして恵まれた環境を求める犬種です。

 

• ボーダーコリーやジャックラッセルテリア：膨大な運動量と知的な刺激が必要。

• 柴犬や秋田犬：独立心を理解し、毅然としたリーダーシップが必要。

• 短頭種や大型犬：医療費や生活コストへの経済的な余裕が必要。

 

犬との生活は、楽しいことばかりではありません。

しかし、その犬種の特性を深く理解し、自分のライフスタイルとの相性を冷静に見極めることができれば、かけがえのない最高のパートナーとなるはずです。

「見た目」だけで選ばず、「自分はこの犬を幸せにできるか」という視点で、運命の一頭を見つけてください。