「世界で一番大きい犬」と聞いて、あなたはどのくらいのサイズを想像しますか?
実は、ギネス記録を持つ犬は、人間が見上げるほどの大きさでありながら、信じられないほど優しい心を持っています。
しかし、その圧倒的な存在感の裏には、飼い主だけが知る「寿命の短さ」や「莫大な飼育費用」という現実もあります。
この記事では、世界一大きい犬のギネス記録から、代表的な超大型犬の種類、そして実際に飼うために必要な覚悟までを徹底解説します。
単なるランキングだけでなく、大型犬との暮らしを真剣に考えるための判断材料として、ぜひ最後までご覧ください。
もくじ
世界で一番大きい犬はどの犬種?ギネス記録を紹介
「一番大きい」と一口に言っても、犬の大きさには「体高(地面から背中までの高さ)」と「体重」という2つの基準があります。
ここでは、それぞれの基準で世界一と認定された記録と犬種について解説します。
体高(高さ)世界一の記録を持つグレートデーン
背の高さで世界一の記録を持っているのは、ドイツ原産の「グレートデーン」です。
もっとも有名な記録は、アメリカの「ゼウス」という名前のグレートデーンです。
2011年に測定された彼の記録は、まさに規格外でした。
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体高:111.8cm
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後ろ足で立った高さ:220cm以上
これは一般的なロバと同じくらいの大きさであり、後ろ足で立ち上がると、プロバスケットボール選手すら見下ろす高さになります。
グレートデーンはその大きさから「犬の中のアポロ神」と呼ばれていますが、性格は非常に穏やかで友好的。「優しい巨人(ジェントル・ジャイアント)」という愛称で世界中から愛されています。
体重(重さ)世界一の記録を持つイングリッシュマスティフ
一方で、体重(重さ)において世界最大級とされるのが、イギリス原産の「イングリッシュマスティフ」です。
1989年にギネス記録として認定された「アイカマ・ゾルバ」という犬の記録は、以下の通りです。
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体重:155.6kg
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体長(鼻先から尻尾の先まで):250cm以上
155kgという体重は、大人の男性2人分、あるいは格闘家の重量級選手をも凌駕する重さです。
マスティフ種は闘犬の歴史を持ちますが、現在のイングリッシュマスティフは改良が進み、家族に対して非常に愛情深く、守護意識の強い性格をしています。
大きさ別!超大型犬の犬種ランキングTOP5
ここからは、一般的に「超大型犬」として知られる犬種の中から、特にサイズが大きい代表的な5種をランキング形式で紹介します。
それぞれの特徴や性格、飼育の難易度について比較してみましょう。
1位:アイリッシュウルフハウンド
| 項目 | データ |
| 平均体高 | 81〜86cm |
| 平均体重 | 50〜80kg |
| 原産国 | アイルランド |
全犬種の中で「平均体高が最も高い」のが、アイリッシュウルフハウンドです。
かつてはオオカミ狩りに使われていた猟犬ですが、現在はその荒々しさは影を潜めています。
非常に知的で落ち着きがあり、室内では驚くほど静かに過ごします。
ただし、走るスピードと運動量は相当なものが必要なため、広大なドッグランなどで走らせてあげる環境が必須です。
2位:セントバーナード
| 項目 | データ |
| 平均体高 | 70〜90cm |
| 平均体重 | 65〜120kg |
| 原産国 | スイス |
映画『ベートーベン』やアニメ『アルプスの少女ハイジ』で有名な、雪山救助犬です。
骨太でがっしりとした体格をしており、体重が100kgを超える個体も珍しくありません。
寒さには非常に強いですが、日本の高温多湿な夏は命取りになるため、夏場は24時間の空調管理が絶対に欠かせません。
よだれが非常に多いことでも知られているため、室内の汚れに対する寛容さも求められます。
3位:グレートデーン
| 項目 | データ |
| 平均体高 | 72〜80cm以上 |
| 平均体重 | 50〜90kg |
| 原産国 | ドイツ |
前述した通り、ギネス記録を数多く輩出している犬種です。
筋肉質で引き締まった優美な体つきが特徴で、短毛のため手入れは比較的楽です。
しかし、胃の中でガスが溜まり回転してしまう「胃捻転(いねんてん)」のリスクが非常に高く、食後の運動管理には細心の注意が必要です。
甘えん坊な性格ゆえに、常に飼い主のそばにいたがる可愛らしい一面もあります。
4位:レオンベルガー
| 項目 | データ |
| 平均体高 | 72〜80cm |
| 平均体重 | 45〜75kg |
| 原産国 | ドイツ |
ライオンのようなたてがみ状の被毛を持つ、堂々とした風格の犬種です。
ニューファンドランドやセントバーナードなどを交配して作られたため、水遊びが大好きな子が多いのも特徴です。
性格は非常に思慮深く、子供に対しても忍耐強いため、ヨーロッパでは理想的な家庭犬として人気があります。
日本ではまだ希少ですが、その飼いやすさから徐々に注目を集めています。
5位:ニューファンドランド
| 項目 | データ |
| 平均体高 | 66〜71cm |
| 平均体重 | 54〜68kg |
| 原産国 | カナダ |
黒くてフワフワしたクマのような見た目が特徴の水難救助犬です。
泳ぎが得意で、足には水かきのような膜があります。
この犬種の最大の特徴は、「優しさ」です。
人間を助ける本能が強く、小さな子供の面倒を見るベビーシッターのような役割を果たすこともあります。
ただし、ダブルコートの長毛種であるため、換毛期の抜け毛の量は凄まじいものがあります。
一番大きい犬を飼う前に知っておくべき現実
超大型犬との暮らしは魅力的ですが、安易な気持ちで飼い始めると、経済的・物理的な理由で飼育崩壊を招く恐れがあります。
ここでは、きれいごと抜きの「厳しい現実」について解説します。
食費と医療費は小型犬の数倍かかる
超大型犬の維持費は、一般的な犬とは桁が違います。
まず、毎月の食費だけでも3万円〜5万円は見ておく必要があります。
高品質なドッグフードを1ヶ月に20kg〜30kg消費することも珍しくありません。
さらに深刻なのが医療費です。
動物病院の薬代や麻酔代は「体重別」で計算されることがほとんどです。
例えば、フィラリア予防薬や抗生物質だけでも、小型犬の5倍〜10倍の料金がかかることを覚悟しなければなりません。
| 項目 | 費用の目安(月/回) | 備考 |
| 食費 | 30,000円〜 | プレミアムフードの場合 |
| トイレシーツ | 5,000円〜 | スーパーワイドサイズを多用 |
| フィラリア薬 | 3,000円〜 | 体重により変動 |
| トリミング | 15,000円〜 | 長毛種はさらに高額 |
寿命が短い傾向にあることを理解する
最も辛い現実として、超大型犬は小型犬に比べて寿命が非常に短い傾向にあります。
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小型犬の平均寿命:14〜15歳
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超大型犬の平均寿命:7〜10歳
グレートデーンやアイリッシュウルフハウンドなどは、8歳を迎えれば長生きと言われることもあります。
愛犬との別れが早く訪れること、そして晩年は体重の重い体を支えるための「重介護」が必要になることを、飼う前から覚悟しておく必要があります。
広大な飼育スペースと運動量が必要
「家の中で飼えますか?」という質問に対し、答えは「イエス」ですが条件があります。
単に犬が寝るスペースだけでなく、尻尾を振っても家具をなぎ倒さない広さ、そして滑りにくい床材へのリフォームが必要です。
また、毎日の散歩は1回1時間以上、1日2回が基本です。
力も強いため、万が一の際に体重60kg以上の犬を制御できる体力が飼い主になければ、散歩自体が危険な行為となってしまいます。
超大型犬との暮らしで得られる特別な魅力
ここまで厳しい現実をお伝えしましたが、それでも超大型犬を愛してやまない人々が世界中にいます。
それは、苦労を補って余りある「特別な幸福感」があるからです。
圧倒的な包容力と安心感
超大型犬とハグをしたときの安心感は、他のペットでは決して味わえません。
その大きな体で寄り添われると、まるで大きな守護神に守られているような気持ちになります。
彼らの多くは、自分の強さを知っているからこそ、無駄に吠えたり威嚇したりしません。
どっしりと構えたその姿は、家族に深い安らぎを与えてくれます。
穏やかで優しい性格の子が多い
一般的に、体か大きい犬ほど性格は穏やか(マイルド)になる傾向があります。
「キャンキャン」と神経質に吠えることは少なく、家の中ではのんびりとソファで寝ていることが多いのも特徴です。
信頼関係を築いた超大型犬は、飼い主の感情を敏感に察知し、悲しいときは静かに寄り添い、嬉しいときは体全体で喜びを表現してくれます。
その存在は、単なるペットを超えて、人生の最高のパートナーとなってくれるでしょう。
よくある質問(FAQ)
超大型犬の1ヶ月の飼育費用はいくらですか?
最低でも月5万円〜8万円は見積もっておく必要があります。
食費だけで3万円以上かかるケースが多く、それに加えてトイレシーツ代、予防医療費、保険料などがかさみます。
突発的な病気やケガに備え、ペット保険(大型犬は高額)への加入も必須です。
一番大きい犬種でも室内飼いはできますか?
基本的には室内飼育が推奨されます。
多くの超大型犬は暑さや寒さに弱く、家族と一緒にいることを好むためです。
ただし、家具を壊さないための対策や、滑らない床へのリフォーム、そして犬専用の部屋(または広大なリビング)を用意する住宅環境が必要です。
散歩中に引きずられたりしませんか?
しつけができていない場合は非常に危険です。
成犬時の力は成人男性でも制御できないほど強くなります。
子犬の頃からの徹底した服従訓練(リーダーウォークなど)が絶対に必要であり、プロのドッグトレーナーに依頼することを強くおすすめします。
超大型犬がかかりやすい病気は何ですか?
特に注意すべきは「胃捻転」と「股関節形成不全」です。
胃捻転は食後の急な運動などで胃がねじれる病気で、数時間で死に至る緊急事態です。
また、重い体重を支える関節への負担が大きいため、床の滑り止め対策や体重管理が生涯の課題となります。
日本で超大型犬の子犬はどこで買えますか?
一般的なペットショップで見かけることはほぼありません。
専門のブリーダーから直接迎えるのが一般的です。
遺伝的な病気のリスクを減らすためにも、親犬の健康状態や飼育環境をしっかり確認できる、信頼性の高いブリーダーを探すことが重要です。
まとめ
世界一大きい犬について、ギネス記録から飼育の現実まで解説しました。
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世界一の高さはグレートデーン、重さはイングリッシュマスティフ。
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日本での飼育には、アイリッシュウルフハウンドやセントバーナードなども候補になる。
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魅力は圧倒的な包容力と優しさだが、短命である現実は避けられない。
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飼育には、月数万円の固定費と体力、そして最期まで看取る覚悟が必要。
超大型犬との暮らしは、間違いなくあなたの人生観を変えるほどのインパクトと感動を与えてくれます。
しかし、それは「可愛い」という感情だけで乗り越えられるものではありません。
もし本気で家族に迎えたいと考えるなら、まずはブリーダーや実際に飼っている人の話を聞き、環境を整えることから始めてみてください。
























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