「ペット保険なんて月々の無駄。その分を貯金した方がいい」
Yahoo!知恵袋などの掲示板で、このような意見を見て心が揺れている飼い主さんは多いのではないでしょうか。
確かに、一度も病気をしない健康な子であれば、保険料はそのまま「捨て金」になります。しかし、いざ数 十万円の手術が必要になったとき、「お金がないから治療を諦める」という選択肢を自分に許せるか。これこそが、ペット保険の要不要を決める最大の分岐点です。
この記事では、知恵袋で「いらない」と言われる本当の理由を深掘りしつつ、動物病院のリアルな治療費データをもとに、あなたが保険に入るべきかどうかを客観的に判断できる基準をお伝えします。
もくじ
知恵袋で「ペット保険はいらない」と言われる5つの代表的な理由
知恵袋の回答を分析すると、保険不要論を唱える人たちの根拠は主に5つのポイントに集約されます。
1. 毎月の保険料を払うより「セルフ貯金」の方が確実
最も多い意見がこれです。
月々3,000円〜5,000円の保険料を15年間払い続けると、総額で50万円〜90万円ほどになります。
「この金額を自分で積み立てておけば、病気にならなくてもお金が手元に残る」という考え方です。
2. 「免責金額」や「待機期間」で結局使えない
保険には、治療費のうち一定額までは自己負担となる「免責金額」や、加入直後は補償されない「待機期間」があります。
また、持病や既往歴があると補償対象外になることも多く、「いざという時に役に立たなかった」という不満が不要論に拍車をかけています。
3. 健康なうちは1円も戻ってこない(掛け捨ての心理的苦痛)
ペットが若くて健康な時期は、動物病院に行く機会がほとんどありません。
毎年数万円の保険料が引き落とされるたびに、「自分は何にお金を払っているんだろう」と損をした気分になるのは、人間の心理として自然なことです。
4. 高齢になると保険料が急激に跳ね上がる
多くのペット保険は、年齢とともに保険料が上がります。
10歳を超えてから年間保険料が10万円を超えるプランもあり、「一番お金がかかる時期に継続できなくなる」という矛盾が指摘されています。
5. 補償対象外の項目が意外と多い
ワクチン接種、去勢・避妊手術、健康診断、歯石除去など、日常的に発生する費用は基本的に保険が効きません。
「ペット保険があれば安心」と思い込んでいた飼い主さんが、窓口で「これは対象外です」と言われてショックを受けるケースが後を絶ちません。
動物病院のリアルな請求額:知恵袋の「貯金で足りる」は本当か?
「貯金があれば保険はいらない」という意見は正しいですが、問題はその**「必要な貯金額」の想定**です。実際の動物病院での治療費データを見てみましょう。
犬や猫の手術費用(1回あたり)の目安は以下の通りです。
| 症例・病名 | 治療内容(目安) | 費用の総額(概算) |
| 異物誤飲(内視鏡) | 麻酔、内視鏡、1日入院 | 8万円 〜 12万円 |
| 骨折(小型犬の足) | プレート固定手術、5日入院 | 30万円 〜 50万円 |
| 膝蓋骨脱臼(パテラ) | 外科手術(片足)、3日入院 | 20万円 〜 30万円 |
| 椎間板ヘルニア | MRI検査、外科手術、7日入院 | 35万円 〜 55万円 |
| 子宮蓄膿症 | 緊急手術、3日入院 | 20万円 〜 30万円 |
手術代そのものだけでなく、術前のCT・MRI検査(5〜10万円)や術後の長期通院を含めると、一気に30万円以上のキャッシュが必要になるケースが珍しくありません。
知恵袋で「貯金で十分」と言っている人の多くは、こうした「突発的な高額請求」に即座に対応できる余剰資金(100万円単位)をすでに持っているか、幸運にも大きな病気を経験していないかのどちらかです。
もし今、あなたの通帳にペットのための予備費が50万円以上ないのであれば、**保険なしで飼育するのは「非常にハイリスクな賭け」**をしている状態だと言えます。
ペット保険vs貯金:どちらがお得か決める「3つのチェックポイント」
どちらが経済的に合理的かは、あなたの家計状況とペットの特性によって決まります。以下の表で、自分がどちらに当てはまるか確認してみてください。
| 比較項目 | ペット保険が向いている人 | 貯金(保険不要)でOKな人 |
| 現在の貯金額 | ペット用貯金が30万円以下 | 常時100万円以上の余剰資金がある |
| 家計の性格 | 急な10万円の出費が苦しい | 毎月の収支に余裕がある |
| ペットの犬種・猫種 | 人気犬種(パテラや皮膚病が多い) | 雑種など比較的体が丈夫な子 |
| 安心の定義 | 治療の選択肢を広げたい | 損得勘定で合理的に判断したい |
「セルフ保険(貯金)」を選択する場合の注意点
保険に入らないと決めた場合、単に「保険料を払わない」だけでは不十分です。
「毎月5,000円を専用口座に積み立てる」という鉄の意志が必要です。
また、貯金が貯まる前に病気になってしまうリスク(加入後すぐにガンが見つかるなど)をどうカバーするか。この「時間差リスク」を許容できるかどうかが、セルフ保険の最大の懸念点となります。
【種類別】ペット保険を検討すべきケース・見送っていいケース
すべての飼い主さんに保険が必要なわけではありません。ここでは、より具体的な状況別にアドバイスをまとめました。
保険への加入を強く推奨するケース
保険はいらない(見送ってもいい)ケース
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すでにシニア期(10歳〜)に入っている: 加入できる保険が限られる上、保険料が高すぎて元を取るのが困難です。
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「延命治療はせず、自然な形で見守りたい」という方針: 高額な外科手術や抗がん剤治療を想定しないのであれば、日々の通院費は貯金でカバー可能です。
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完全室内飼いの若い猫: 事故のリスクが極めて低く、遺伝性疾患の兆候がなければ、若いうちは貯金を優先するのも一つの戦略です。
よくある質問
Q:知恵袋で「入って後悔した」という声をよく見るのはなぜ?
A:「補償内容の理解不足」が原因であることがほとんどです。
歯周病が対象外だった、免責金額があって少額の通院では1円も出なかったなど、契約時の確認漏れが不満に繋がっています。
「何でも安くなる魔法のカード」ではないことを理解して加入すれば、後悔は少なくなります。
Q:共済と保険、どちらがおすすめですか?
A:保険料の安さを優先するなら共済、窓口精算(病院で保険証を出すだけで割引かれる仕組み)の利便性を取るなら大手損保系がおすすめです。
知恵袋で不要論を唱える人の中には、「共済のような安いプランなら入ってもいい」という妥協案を出す人も多くいます。
Q:一度入ったら一生辞められないの?
A:いいえ、いつでも解約可能です。
ただし、一度解約した後に大きな病気が見つかると、再加入はほぼ不可能になります。「健康な時だけ辞めて、病気になったら入る」という使い方はできないため、解約は慎重に判断すべきです。
Q:ペット保険は途中で解約してもデメリットはありませんか?
A:解約自体に違約金などは発生しませんが、最大のデメリットは「再加入が困難になること」です。
一度解約した後にペットが病気を発症したり、高齢になったりすると、他の保険への加入を断られるか、特定の部位が補償対象外になる特定部位不担保という条件がつく可能性が非常に高くなります。
Q:知恵袋で言われるように「元が取れない」のは本当ですか?
A:統計的には、大半の人が支払った保険料よりも受け取る保険金の方が少なくなります。
保険会社が運営費や利益を差し引いている以上、期待値としてはマイナスになるのが正常です。しかし、保険の本質は「元を取る投資」ではなく、個人の貯金では対応しきれない「数 十万円単位の突発的な高額医療費」を平準化することにあります。
Q:混合ワクチンや去勢手術は保険の対象になりますか?
A:原則として、予防措置に該当する費用は補償対象外です。
これには混合ワクチン接種、フィラリア予防薬、去勢・避妊手術、健康診断などが含まれます。
ただし、これらの予防措置を怠ったことが原因で発生した病気(フィラリア症など)についても、補償が制限される場合があるため、日々の予防管理は保険加入の有無に関わらず自己負担で行う必要があります。
Q:多頭飼いの場合、全員加入すると家計が厳しいのですが?
A:多頭飼いの場合、すべての個体にフルスペックの保険をかけると固定費が膨大になります。
リスク管理の考え方として、骨折や誤飲のリスクが高い「活発な若齢個体」や、遺伝的疾患が多い「純血種」のみに絞って加入させ、丈夫な成猫や雑種などは貯金で対応するといった、優先順位をつけた運用も有効な選択肢です。
Q:保険料の更新時の値上がりが心配です。
A:多くのペット保険は1年更新で、年齢が上がるごとに保険料が段階的に上昇します。
中には、特定の年齢(10歳〜12歳など)を境に上昇が止まるプランや、加入時から保険料が変わらない定額プランを提示している会社もあります。
知恵袋で不満が出やすいポイントでもあるため、加入前に必ず「15歳時点の保険料」を公式サイトのシミュレーションで確認しておくべきです。
まとめ
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知恵袋の「いらない派」は、十分な貯金があるか、健康な時期の「損」を嫌っている。
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現実に手術が必要になれば、一回で30〜50万円のキャッシュが必要になる。
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ペット専用の貯金が30万円以下なら、保険は「安心を買うための必要経費」となる。
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犬種や猫種の特性によって、病気になる確率は統計的にある程度予測できる。
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「保険か貯金か」の答えは、万が一の時に「お金で治療を諦めない」と誓える準備があるかどうかにある。
ペット保険は、ギャンブルや投資ではなく、**「最悪の事態(お金が理由で救えないこと)を回避するためのセーフティネット」**です。
知恵袋の極端な意見に惑わされず、まずは今の自分の貯金額と、愛犬・愛猫のこれからの15年を想像してみてください。
もし、急な30万円の請求に「困ったな」と冷や汗が出るなら、それは保険が必要なサインかもしれません。


























フレンチブルドッグやパグなどの短頭種: 呼吸器や皮膚のトラブルが非常に多く、生涯の通院回数が多くなる傾向があります。
トイプードルやチワワなどの小型犬: 骨折や膝蓋骨脱臼のリスクが高く、1回の手術代が高額になりやすいです。
多頭飼いをしていない家庭: 1頭にかけられる愛情と予算が集中するため、最先端の治療を望む可能性が高い場合は保険が支えになります。