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猫の歯肉炎を放置しないで!症状・治療費・抜歯の判断基準まで徹底解説

猫の歯肉炎を放置しないで!症状・治療費・抜歯の判断基準まで徹底解説

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「最近、うちの猫の口臭が急にきつくなった気がする」

「カリカリを食べる時に、なんだか痛そうに首を傾けている」

そんな愛猫の小さな変化に気づき、不安を感じていませんか。猫の口腔トラブル、特に歯肉炎は、私たちが想像する以上に激しい痛みを伴う病気です。

しかし、猫は痛みを隠すのが非常に上手な動物であるため、飼い主が「おかしい」と確信を持った時には、すでに重症化しているケースも少なくありません。

歯肉炎を放置すると、やがて歯を支える土台が壊れる歯周病へと進行し、最悪の場合は内臓疾患のリスクを高めることさえあります。愛猫が一生自分の口でおいしく食事を楽しむためには、飼い主であるあなたが「痛みと病気のサイン」を正確に読み取り、適切なタイミングで治療を選択することが不可欠です。

この記事では、猫の歯肉炎の初期症状から、飼い主が最も不安を感じる治療費の相場、そして「抜歯」という決断に至る基準まで、2026年現在の最新知見をもとに詳しく解説します。

 

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もくじ

猫の歯肉炎とは?歯周病との違いと進行のメカニズム

猫の歯肉炎とは?歯周病との違いと進行のメカニズム

猫の口腔トラブルを語る上で、まず正しく理解しておかなければならないのが「歯肉炎」と「歯周病」の違いです。これらを混同してしまうと、治療の緊急性を見誤る可能性があります。

歯肉炎とは、歯の周囲にある「歯肉(歯ぐき)」だけに炎症が起きている状態を指します。この段階であれば、適切な処置によって元の健康な状態に戻すことが可能です。しかし、歯肉炎が悪化して「歯周炎(歯周病)」にまで進行してしまうと、歯を支える骨(歯槽骨)が溶け始めてしまい、二度と元の状態には戻りません。

猫の口の中では、人間よりも遥かに速いスピードで症状が進行します。

 

歯垢が歯石に変わるまでの驚くべきスピード

猫の口内は弱アルカリ性であるため、虫歯にはなりにくい一方で、歯垢が歯石に変わるスピードが異常に速いという特徴があります。

 

状態 特徴と変化のスピード 飼い主ができること
歯垢(プラーク) 細菌の塊。まだ柔らかい状態 毎日のブラッシングで除去可能
歯石への変化 最短3日〜5日で石灰化し、硬くなる 自宅のケアでは除去不可能
歯肉炎の発症 歯石が刺激となり、歯ぐきが赤く腫れる 動物病院での専門的処置が必要

 

猫の場合、わずか数日間ケアを怠るだけで、歯ブラシでは取れない「歯石」が形成されてしまいます。「たかが歯ぐきの赤み」と軽視せず、初期段階で食い止めることが、愛猫の歯を守る唯一の道です。

 

猫特有の「難治性口内炎」というリスク

一般的な細菌性の歯肉炎とは別に、猫には「猫口内炎(難治性口内炎)」という非常に厄介な病気があります。これは、単なる汚れだけでなく、猫自身の免疫異常やウイルスの関与(猫エイズ、猫白血病など)が疑われる病態です。

この場合、喉の奥まで真っ赤に腫れ上がり、猫は水さえ飲めないほどの激痛に襲われます。口の周りを触られるのを極端に嫌がる、あるいは悲鳴を上げて食事を止めるといった様子が見られる場合は、一刻を争う重症の可能性があります。

 

飼い主が気づくべき「猫の歯肉炎」5つのサイン

飼い主が気づくべき「猫の歯肉炎」5つのサイン

猫は言葉で「痛い」と言えません。そのため、日常生活の中での些細な変化をキャッチする「観察眼」が求められます。以下の5つの項目のうち、1つでも当てはまるものがあれば、すでに歯肉炎が始まっているサインかもしれません。

 

1. 口臭が「ドブ臭い」「生臭い」と感じる

健康な猫の口臭は、それほど強くありません。しかし、歯肉炎が進行すると、増殖した細菌がガスを発生させ、独特の強い臭いを放つようになります。「最近、あくびをすると臭う」「顔を近づけると生臭い」と感じたら、それは口内環境が悪化している明らかな兆候です。

 

2. 食べ方が不自然(ポロポロこぼす・片側で噛む)

食事の様子をじっくり観察してみてください。以前はスムーズに食べていたのに、口からフードをポロポロとこぼす、あるいは片方の奥歯だけで噛んでいるような仕草をしていませんか。これらは、口の中に痛みがある際に見られる典型的な回避行動です。

 

3. よだれが増え、前足や口元が汚れている

猫は本来、よだれを垂らす動物ではありません。歯肉炎の痛みや不快感があると、よだれの分泌量が増え、口元が常に湿っていたり、毛づくろいによって前足が茶色く汚れたりします。リラックスしているはずの時に口角からよだれが出ている場合は、かなり強い炎症が起きていると判断すべきです。

 

4. ドライ(カリカリ)を嫌がり、ウェットばかり欲しがる

「単なるわがまま」と思われがちですが、急に硬いフードを食べなくなったのは、噛む時の衝撃に耐えられないからかもしれません。お腹は空いているのに、お皿の前で迷っているような様子を見せるのは、食べたい気持ちと痛みの恐怖が葛藤している証拠です。

 

5. 顔を洗うような仕草や、口をクチャクチャさせる

何もないのに口をクチャクチャさせたり、前足で口の周りをしきりに気にする仕草をしたりするのは、口の中の違和感を解消しようとする行動です。「変なものが詰まっているのかな?」と飼い主が思うような動作こそ、歯肉炎による鈍痛や腫れのサインであることが多いのです。

 

 

動物病院での治療:抜歯は「かわいそう」ではない?

動物病院での治療:抜歯は「かわいそう」ではない?

診察の結果、重度の歯肉炎や歯周病と診断された場合、獣医師から「抜歯」を提案されることがあります。多くの飼い主さんは「歯がなくなったら食事ができなくなる」「かわいそう」と躊躇してしまいますが、実は抜歯こそが猫を苦しみから解放する最大のギフトになることも少なくありません。

 

なぜ「全身麻酔」が必要なのか

猫の歯科治療において、全身麻酔は避けて通れません。時折「無麻酔スケーリング(歯石取り)」をうたうサロンや病院がありますが、これは非常に危険です。

 

  • 痛みのコントロール: 歯肉炎の処置は激痛を伴います。無麻酔では猫に恐怖と苦痛を植え付けるだけです。

  • 精密な洗浄: 歯の表面だけを綺麗にしても意味がありません。麻酔なしでは、最も重要な「歯周ポケット(歯ぐきの溝)」の中を洗浄することが不可能です。

  • 誤嚥(ごえん)の防止: 処置中の水や削りカスが気管に入らないよう、気管挿管による確実な保護が必要です。

 

最新の麻酔技術(2026年時点)では、事前の血液検査や心エコーによって個別のリスクを徹底的に評価します。高齢であっても、検査結果に問題がなければ、痛みを放置するリスクよりも、安全に麻酔をかけて治療するメリットの方が遥かに大きいのが現代の獣医療の考え方です。

 

抜歯後の猫の生活はどう変わるのか

「歯がなくなって、この子はどうやって食べるの?」という心配は不要です。猫の歯は主に「獲物を捕らえて引き裂く」ためのものであり、人間のように「すり潰して食べる」構造ではありません。

驚くべきことに、全抜歯(すべての歯を抜く処置)をした猫でも、傷口が治ればドライフードをそのまま丸呑みして、以前より元気に食事を楽しめるようになるケースがほとんどです。むしろ、毎日続いていた「噛むたびに電気が走るような痛み」から解放されることで、性格まで明るくなり、活動量が増える猫も多いのです。

抜歯は歯を失うことではなく、痛みを取り除き、本来の元気を取り戻すための積極的な治療であると捉えてください。

 

【2026年最新】猫の歯肉炎・歯周病の治療費相場

【2026年最新】猫の歯肉炎・歯周病の治療費相場

治療に踏み切る際、どうしても気になるのが費用の問題です。猫の歯科治療は、検査、麻酔、処置(スケーリング・抜歯)など、複数の項目が組み合わさるため、総額が把握しにくい傾向にあります。

以下に、一般的な動物病院における治療費の目安をまとめました。

 

治療内容 費用の目安 内訳の詳細
軽度(スケーリングのみ) 3万円〜6万円 事前検査、全身麻酔、歯石除去、ポリッシング
中等度(数本の抜歯あり) 7万円〜12万円 上記 + 歯科レントゲン、抜歯(数本)、縫合、内服薬
重度(全臼歯・全顎抜歯) 15万円〜35万円 長時間の麻酔管理、広範囲の抜歯、高度な外科処置、入院費

※費用は地域や病院の設備、猫の体重(麻酔量)によって大きく変動します。

 

費用を抑えるためのポイント

「高すぎる」と感じるかもしれませんが、一度重症化してから治療するよりも、初期の段階でスケーリングを行う方が、生涯コストは圧倒的に安く済みます。

 

  • 定期検診を欠かさない: 年に1回の健康診断で口内をチェックしてもらいましょう。

  • 歯科レントゲンを活用する: 外見では分からなくても、骨が溶け始めていることがあります。早期発見が抜歯本数を減らす鍵です。

  • ペット保険の確認: 多くのペット保険で歯科治療(歯肉炎・歯周病)は補償対象となりますが、契約内容によっては対象外となる場合もあるため、事前に確認しておきましょう。

 

挫折しない!愛猫のための自宅デンタルケア・ロードマップ

挫折しない!愛猫のための自宅デンタルケア・ロードマップ

「歯磨きなんて、うちの子には絶対無理!」と諦めていませんか。確かに、成猫になってから急に歯ブラシを口に入れるのは至難の業です。しかし、歯磨きは「0か100か」ではありません。 10%でも20%でも、できることから始めることが大切です。

以下のステップに従って、愛猫が受け入れられるレベルから少しずつ進めていきましょう。

 

ステップ1:口の周りを触ることに慣れさせる(1〜2週間)

いきなり道具を使わず、リラックスしている時に頬や口元を優しく撫でることから始めます。「口の周りを触られると良いことがある(おやつがもらえる、褒められる)」という記憶を植え付けるのがゴールです。

 

ステップ2:デンタルジェル・ペーストを舐めさせる

猫が好むフレーバー(チキンやシーフード味)のデンタルジェルを、指先につけて舐めさせます。この時、指を少しだけ唇の間に差し込み、歯や歯ぐきにジェルが付着するように意識してください。これだけでも、ジェルに含まれる酵素が細菌の増殖を抑える効果が期待できます。

 

ステップ3:デンタルシート(ガーゼ)で拭う

指に巻き付けるタイプのデンタルシートを使い、前歯や犬歯をサッと一拭きします。奥歯まで無理に拭こうとすると嫌がられるため、まずは「見える範囲を1秒だけ」からスタートしましょう。

 

ステップ4:歯ブラシへの挑戦(最終目標)

最も効果が高いのは、やはり歯ブラシです。人間用ではなく、猫の小さな口に合わせた「超小型ヘッド」のブラシを選びましょう。

 

  • ポイント: 歯の表面を磨くのではなく、歯と歯ぐきの境目(歯周ポケット)に毛先を当てるイメージで、優しく小刻みに動かします。

  • 頻度: 理想は毎日ですが、まずは週に2〜3回を目指しましょう。

 

歯磨きがどうしても難しい場合の代替案

もし愛猫がどうしても口を触らせてくれない場合は、無理強いして信頼関係を壊す必要はありません。最新のケア用品には、「食べるだけ」「飲むだけ」で効果を発揮するものも増えています。

 

  • デンタルケア用フード: 特殊な形状の粒が、噛むたびに歯の表面を削り取るように設計されています(ロイヤルカナンのデンタルケアや、ヒルズのt/dなど)。

  • 水に混ぜるサプリメント: 飲み水に加えるだけで、口内の善玉菌を増やし、口臭を軽減する液状タイプです。

  • ふりかけタイプの酵素: いつのもの食事にパラパラとかけるだけで、歯垢の付着を抑制します。

 

大切なのは、完璧を目指して断念するのではなく、今の愛猫にできる最善のケアを継続することです。

 

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よくある質問

よくある質問

猫の歯肉炎に関して、飼い主さんからよく寄せられる質問をまとめました。

 

Q:老猫(15歳以上)でも全身麻酔をかけて治療できますか?

A:年齢だけで判断することはありません。高齢であっても、術前の血液検査や心エコー検査で心臓や腎臓の機能に大きな問題がなければ、麻酔をかけることは可能です。むしろ、高齢猫ほど口の痛みが原因で食欲が落ち、体力が低下するリスクが高いため、「痛みを取り除いて最後までしっかり食べられるようにする」ための治療として前向きに検討されるケースが増えています。もちろん、獣医師とリスクを十分に相談した上で決定してください。

 

Q:一度治療(スケーリング)すれば、もう安心ですか?

A:いいえ、残念ながらスケーリングは「一度やれば終わり」ではありません。処置をした直後から、再び歯垢の付着は始まります。病院での治療はあくまで「リセット」であり、その後の状態を維持するのは毎日のホームケアです。自宅でのケアを並行して行わなければ、1年足らずで元の状態に戻ってしまうことも珍しくありません。

 

Q:人間用の歯磨き粉を使っても大丈夫ですか?

A:絶対に避けてください。人間用の歯磨き粉には、猫にとって有害なキシリトールや、泡立ちを良くする成分が含まれています。猫は口をゆすぐことができず、すべて飲み込んでしまうため、必ず「猫用」として販売されている安全な製品を使用してください。

 

Q:歯肉炎を放置すると、他の病気になるというのは本当ですか?

A:本当です。歯周病菌が血液に乗って全身に回ると、心臓、腎臓、肝臓などの重要臓器に悪影響を及ぼすことがわかっています。特に慢性腎臓病は猫にとって非常に多い病気ですが、口腔内の健康状態が腎機能の悪化スピードに関与しているという研究データもあります。口の健康を守ることは、全身の寿命を延ばすことにつながるのです。

 

まとめ

  • 猫の歯肉炎は、最短3日〜5日で歯石に変わり、元の状態に戻らない「歯周病」へと進行する。

  • 口臭、よだれ、食べ方の変化は、愛猫が発している「SOS(痛みのサイン)」である。

  • 全身麻酔下での治療は、痛みの根本解決と安全な処置のために不可欠である。

  • 抜歯はかわいそうなことではなく、「食事の喜びを取り戻すための手段」である。

  • ホームケアは完璧主義を捨て、「ジェルを舐めさせるだけ」からでも継続することが最優先。

 

愛猫がいつまでも喉を鳴らして幸せそうに食事をする姿は、飼い主にとって何よりの喜びです。歯肉炎は防げる病気であり、治療できる病気です。

「もしかして?」と感じたその直感を大切に、まずはかかりつけの獣医師に相談することから始めてみてください。今日から始める小さな一歩が、愛猫の5年後、10年後のQOL(生活の質)を大きく変えることになるはずです。

 

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