愛犬の口臭ケアやストレス解消に役立つ「犬用ガム」。
種類が多すぎて
「どれを選べばいいかわからない」
「丸飲みや誤飲が怖い」
と悩んでいませんか?実は、選び方を間違えると歯が折れたり、窒息事故につながったりするリスクもあります。
この記事では、愛犬の安全を守るための正しいガムの選び方や、素材別の特徴、与える際の注意点を徹底解説します。愛犬にぴったりのガムを見つけて、健康で楽しい毎日をサポートしましょう。
もくじ
犬にガムを与える3つのメリットとは?
愛犬にガムを与えることは、単なるおやつ以上の重要な意味を持っています。正しく活用することで、健康維持や精神的な安定に大きく貢献します。
ここでは、主な3つのメリットについて解説します。
1. 噛むことによる歯垢除去とデンタルケア
最大のメリットは、歯磨き効果が期待できることです。
犬がガムを噛む際、歯がガムに食い込むことで、歯の表面に付着した歯垢(プラーク)を物理的にこすり落とす効果があります。特に奥歯など、歯ブラシが届きにくい部分の汚れを落とす補助的な役割を果たします。
ただし、すでに硬化してしまった歯石をガムだけで取り除くことは困難です。あくまで「日々の歯磨きの補助」として活用することが重要です。
2. ストレス発散とリラックス効果
犬にとって「噛む」という行為は、本能的な欲求を満たす大切な行動です。
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雨の日で散歩に行けないとき
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留守番が長いとき
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来客などで興奮しているとき
このような場面でガムを与えることで、噛むことに集中し、ストレスを発散させる効果があります。また、噛むリズム運動は脳内のセロトニン分泌を促し、愛犬をリラックスさせる効果も期待できます。
3. 顎の筋肉強化と脳への刺激
適度な硬さのあるガムを噛むことは、顎の筋肉を使います。
特に小型犬やシニア犬(歯が健康な場合)にとって、普段のフードだけでは不足しがちな咀嚼運動を補うことができます。顎の筋肉をしっかり使うことは、口周りの健康維持だけでなく、脳への血流を促し、脳への良い刺激になると言われています。
認知機能の維持や、老化防止の一環としても、適切なガム習慣は有効です。
【安全第一】愛犬に合ったガムの選び方
ガム選びで最も大切なのは「安全性」です。パッケージの見た目だけで選ばず、愛犬の体格や年齢に合ったものを慎重に選びましょう。
硬さの基準:歯が折れない適度な弾力
「硬いガムほど歯に良い」というのは大きな間違いです。
あまりに硬すぎるガム(蹄、骨、非常に硬いナイロン製など)は、噛んだ瞬間に歯が破折(割れる・折れる)する事故が多発しています。
安全な硬さの目安:
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爪や指で押すと跡がつく程度
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ハサミで切ることができる硬さ
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曲げると少ししなる弾力性
獣医師の多くは、「愛犬が噛んで少しずつ削れる、または変形する硬さ」を推奨しています。特に歯が小さい小型犬には、柔らかめのものを選んでください。
サイズ選び:丸飲みを防ぐ長さと太さ
ガムによる事故で最も恐ろしいのが窒息です。
口の中にすっぽり入ってしまうサイズは、興奮した拍子にそのまま丸飲みしてしまう危険性が非常に高いです。
| 犬のサイズ | 推奨されるガムの長さ・太さ |
| 超小型犬 | 口の横幅より長く、太すぎないもの |
| 小型犬 | マズル(口吻)より長いサイズ |
| 中型・大型犬 | 両手で押さえて噛める十分な長さと太さ |
結論として、愛犬の口のサイズよりも少し長めのものを選ぶのが鉄則です。小さくなったガムは、誤飲防止のために早めに回収して捨ててください。
素材と成分:アレルギーと消化への配慮
ガムには様々な素材が使われています。愛犬の体質に合わせて選びましょう。
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食物アレルギー:牛皮、鶏肉、小麦、トウモロコシなど、特定のアレルゲンが含まれていないか確認する。
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消化性:胃腸が弱い犬には、消化しやすい植物性素材や、細かく砕けやすい加工がされたガムを選ぶ。
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添加物:保存料や着色料が気になる場合は、「無添加」や「国産」の表記を確認する。
特に、成分表のトップに記載されている原材料が主成分です。愛犬が過去にお腹を壊した食材が含まれていないかチェックしてください。
目的別:おやつ用かデンタルケア用か
ガムを与える目的によって、選ぶべき商品は異なります。
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デンタルケア目的:
「VOHC(米国獣医口腔衛生協議会)」の認定マークがあるものや、歯垢を落とす特殊な形状(ギザギザ、ねじり)をしているものを選びましょう。
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おやつ・暇つぶし目的:
嗜好性が高く、夢中で噛んでくれる味付きのものや、牛皮などの長持ちするタイプが適しています。
犬用ガムの主な種類と素材の特徴
店頭には多種多様なガムが並んでいます。それぞれの特徴を理解して使い分けましょう。
牛皮(ローハイド):長持ちでコスパ良好
最も一般的なタイプで、乾燥させた牛の皮を使用しています。
メリット:
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非常に硬く丈夫で、長持ちする。
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比較的安価でコストパフォーマンスが良い。
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噛み応えがあり、ストレス解消に向いている。
注意点:
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消化に時間がかかるため、胃腸が弱い犬は下痢をすることがある。
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品質にばらつきがあり、漂白剤などが使われている安価な輸入品もあるため、信頼できるメーカーを選ぶ必要がある。
アキレス(腱)など動物素材
馬や牛のアキレス腱、鹿の角、鳥のトサカなどを乾燥させた天然素材です。
メリット:
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高タンパク・低脂肪で健康的。
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犬が好む強い匂いがあり、嗜好性が非常に高い。
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素材そのものの繊維質が、歯の汚れを絡め取る効果がある。
注意点:
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価格がやや高め。
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夢中になりすぎて丸飲みしようとする犬が多いため、監視が必要。
デンタル専用ガム:VOHC認証などの機能性
歯磨き効果を科学的に研究して作られた合成ガムです。
メリット:
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適度な弾力があり、歯への負担が少ない。
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クロロフィル(葉緑素)などの口臭ケア成分が配合されていることが多い。
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消化性に配慮された製品が多い。
注意点:
-
噛む時間が比較的短く、すぐに食べ終わってしまうことがある。
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カロリーがあるため、与えすぎると肥満の原因になる。
野菜・穀物ベース:低カロリーで消化に優しい
サツマイモやトウモロコシ、米粉などをベースにした植物性のガムです。
メリット:
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低カロリーで太りにくい。
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肉類アレルギーがある犬でも安心して食べられる。
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消化が良く、お腹に優しい。
注意点:
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肉系ガムに比べて嗜好性が落ちる場合がある。
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柔らかいものが多く、長時間の咀嚼には向かないことがある。
素材別比較表
| 素材の種類 | 硬さ | 長持ち度 | 消化の良さ | おすすめの犬 |
| 牛皮 | 硬い | ◎ | △ | 噛む力が強い犬、暇つぶし |
| アキレス | やや硬い | ◯ | ◯ | 食いつき重視、天然派 |
| デンタル専用 | 適度 | △ | ◎ | 歯垢ケア重視、安全性重視 |
| 植物性 | 柔らかめ | △ | ◎ | シニア犬、アレルギー持ち |
知っておくべき危険性とトラブル対策
ガムは便利なアイテムですが、使い方を誤ると重大な事故につながります。以下のリスクを必ず理解しておきましょう。
最も怖い「丸飲み」と「窒息」のリスク
ガム関連の事故で最も多いのが誤飲です。
ガムが喉(咽頭や食道)に詰まると、呼吸ができなくなり、最悪の場合は窒息死に至ります。特に、ガムが小さくなって柔らかくなったタイミングで、「最後の一口」としてごっくんと飲み込んでしまうケースが目立ちます。
対策:
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小さくなったら必ず取り上げる。
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手で持って与える(飼い主が端を持ち、愛犬に噛ませる)。
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留守番中など、目の届かない場所では与えない。
硬すぎるガムによる「歯の破折」
「ひづめ」や「硬いナイロン骨」、「乾燥しすぎた極太ガム」などは、犬の歯よりも硬い場合があります。これらを全力で噛むと、奥歯(第4前臼歯)が縦に割れてしまうことがあります。
歯が割れると、激しい痛みだけでなく、そこから細菌が入って歯根膿瘍(目の下が腫れる病気)になり、抜歯手術が必要になることもあります。
下痢や嘔吐:消化不良とアレルギー症状
ガムを丸飲みしたり、大量に食べすぎたりすると、消化できずに嘔吐や下痢を引き起こします。ガムが胃の中で膨張し、腸閉塞の原因になることもあります。
また、牛皮や小麦などにアレルギーがある場合、皮膚の痒みや軟便などの症状が出ることがあります。初めて与えるガムは、様子を見ながら少量ずつ与えましょう。
絶対NG!人間用ガム(キシリトール)の危険性
人間用のガムは絶対に与えてはいけません。
多くの人間用ガムに含まれるキシリトールは、犬にとっては猛毒です。犬が摂取すると、急激にインスリンが放出され、重度の低血糖を引き起こします。
症状:
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嘔吐
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ふらつき、脱力
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けいれん、昏睡
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最悪の場合、肝不全や死亡
もし愛犬が人間用のガムを食べてしまった場合は、様子を見ずに直ちに動物病院へ連絡してください。
正しい与え方と頻度のルール
安全かつ効果的にガムを与えるためのルールをまとめました。
いつから与えられる?子犬への開始時期
一般的に、ガムを与え始めて良いのは生後3〜6ヶ月以降です。
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乳歯の時期(〜3ヶ月頃):歯が小さく折れやすいため、硬いガムはNG。
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生え変わり時期(4〜6ヶ月頃):歯がムズガユくなるため、子犬用(パピー用)の柔らかいガムならOK。
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永久歯(7ヶ月以降):成犬用のガムを与えても良い時期。
パッケージの「対象年齢」を必ず確認してください。消化機能が未熟な子犬に成犬用の硬いガムを与えると、消化不良を起こすリスクがあります。
1日の頻度と時間の目安
ガムはあくまでおやつの一種です。与えすぎはカロリーオーバーや栄養バランスの乱れにつながります。
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頻度:1日1本を目安にする。
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タイミング:食後(歯磨き効果を狙う場合)や、ブラッシングの後(ご褒美として)。
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時間:10分〜15分程度噛ませたら、まだ残っていても回収して終了する。
長時間噛ませ続けると、歯がすり減ったり、顎が疲れてしまったりします。「ガムは特別な時間の楽しみ」として管理するのがコツです。
必ず飼い主の目の届く範囲で与える理由
ここまで解説した通り、窒息や誤飲事故は「ほんの一瞬」の隙に起こります。
「ガムを与えておけば静かだから」といって、別室に行ったり外出したりするのは非常に危険です。ガムを与えている間は、必ず飼い主さんが視界に入れ、異変がないかチェックできる状態でいましょう。
よくある質問(FAQ)
ガムを食べてくれない時の対処法は?
愛犬がガムに興味を示さない場合、硬すぎるか匂いが弱い可能性があります。まずは少し水で濡らして匂いを立たせるか、レンジで数秒温めて(火傷に注意)風味を増してみてください。それでも食べない場合は、好みの肉が巻いてあるタイプや、より柔らかい素材のものに変更してみましょう。
ガムを飲み込んでしまったらどうすればいい?
小さな欠片であれば便と一緒に排出されることが多いですが、大きな塊を飲み込んだ場合は注意が必要です。吐こうとする仕草、元気がない、食欲不振、嘔吐などの症状があれば、すぐに動物病院を受診してください。腸閉塞のリスクがあるため、自己判断で様子を見るのは危険です。
老犬(シニア)にガムを与えても大丈夫?
シニア犬は噛む力や消化機能が低下し、歯も弱くなっています。若い頃と同じ硬いガムは避け、シニア専用の柔らかいガムや、消化に良い植物性ガムを選びましょう。歯周病が進行している場合は、ガムを与える前に獣医師に相談することをおすすめします。
歯磨きガムだけで歯磨きは不要になる?
いいえ、ガムだけで歯磨きは完了しません。ガムはあくまで「補助的なケア」です。歯周ポケットの汚れや、ガムが当たらない歯の裏側の汚れは落ちません。ブラシを使った歯磨きを基本とし、ガムはサポート役として併用するのが最も効果的です。
ガムから血が出た時は中止すべき?
ガムに少量の血がつく程度であれば、歯茎の炎症(歯肉炎)があるサインかもしれません。一時的に与えるのを止め、歯茎の状態を確認してください。大量に出血する場合や、痛がってキャンと鳴く場合は、歯が折れたり口腔内を怪我したりしている可能性があるため、直ちに使用を中止し病院へ行きましょう。
まとめ
犬用ガムは、選び方と与え方を守れば、愛犬の健康と心を満たす素晴らしいアイテムになります。
記事のポイント:
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目的を明確に:歯磨き用かストレス解消用かで商品を選ぶ。
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安全性最優先:硬すぎないもの、飲み込めないサイズを選ぶ。
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監視下で与える:丸飲み事故を防ぐため、決して目を離さない。
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過信しない:ガムは歯磨きの補助。日々のブラッシングも大切に。
愛犬の年齢や性格に合った「ベストな一本」を見つけて、安全で楽しい噛む習慣を作ってあげてください。
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