ポメラニアンの最大の魅力の一つは、まるで動くぬいぐるみのようなふわふわの被毛と、圧倒的なカラーバリエーションにあります。
一口に「ポメラニアン」と言っても、選ぶ色によって受ける印象はガラリと変わります。
これから家族に迎えようとしている方にとって、どの色を選ぶかは非常に楽しく、かつ悩ましい問題でしょう。
しかし、ポメラニアンの毛色は単なる見た目の違いだけではありません。
成長に伴う色の変化(退色)や、特定の毛色に潜む健康上のリスクなど、事前に知っておくべき重要なポイントがいくつも存在します。
この記事では、ポメラニアンのあらゆる毛色を網羅し、あなたが後悔しない色選びをするための全ての情報をお届けします。
もくじ
ポメラニアンの毛色は全13種類以上!JKC公認カラーの基礎知識
日本の血統書発行団体であるジャパンケネルクラブ(JKC)では、ポメラニアンの毛色を非常に幅広く認めています。かつてはホワイトが主流だったポメラニアンですが、現在ではオレンジやクリームなど、多種多様なカラーが親しまれています。
まずは、どのような色が認められているのか、その全体像を整理してみましょう。ポメラニアンは全犬種の中でもトップクラスにカラーバリエーションが豊富な犬種なのです。
代表的な毛色の分類表
| 分類 | 主な毛色名 | 特徴 |
| 単色(ソリッド) | オレンジ、ホワイト、クリーム、ブラック、ブラウン | 全身がほぼ一色で構成される基本色 |
| 混合色(マルチ) | パーティーカラー、セーブル系 | 2色以上が混ざり合う、個性が強い配色 |
| 特殊色 | ブルー、マール、ビーバー | 希少性が高く、独特の雰囲気を持つ色 |
これらの色の他にも、細かな色の混ざり具合によって呼び名が変わることもあります。基本となる13種類の毛色を知ることで、自分が理想とするポメラニアンのイメージがより具体的になるはずです。
【定番】ポメラニアンの人気毛色5選とそれぞれの特徴
現在、日本で特に人気が高く、出会う機会が多い定番の毛色を詳しく見ていきましょう。それぞれの色が持つ雰囲気や、選ぶ際のポイントを解説します。
1. オレンジ:ポメラニアンの代名詞
現在、最も一般的で「ポメラニアンといえばこの色」と言われるのがオレンジです。明るく活発な印象を与え、ふわふわの被毛が最も映える色でもあります。太陽の光を浴びた時の輝きは格別で、ポメラニアンらしい華やかさを求める方に最適です。
2. ホワイト:高貴さと愛らしさの象徴
ポメラニアンの祖先であるサモエドの色を色濃く残しているのがホワイトです。真っ白な被毛に真っ黒な瞳と鼻が際立ち、まるで見守りたくなるような美しさがあります。涙やけや足先の汚れが目立ちやすいため、こまめな手入れが必要ですが、その美しさは唯一無二です。
3. クリーム:優しく柔らかな雰囲気
オレンジよりも淡く、ホワイトよりも温かみのある色がクリームです。非常に優しい印象を与え、老若男女問わず人気があります。子犬の頃は白っぽく見えても、成長とともに色味が安定してくるのが特徴です。
4. ブラック:クールで知的な魅力
全身が艶やかな黒に覆われたブラックは、他の色にはない力強さと気品を感じさせます。日本ではオレンジやホワイトに比べると頭数は少ないですが、根強いファンが多いカラーです。表情が見えにくいと思われがちですが、光の当たり方で見える瞳の輝きは非常にドラマチックです。
5. オレンジセーブル:深みのあるグラデーション
オレンジの毛色をベースに、毛先に黒い差し毛(セーブル)が入った色です。成長とともに黒い部分が減り、深みのあるオレンジへと変化していく過程を楽しむことができます。一頭一頭、黒の入り方が異なるため、世界に一頭だけの個性を感じやすい色でもあります。
【希少】出会えたらラッキー?珍しい毛色の魅力と注意点
定番色以外にも、ポメラニアンには非常に珍しい「レアカラー」が存在します。個性を重視したい方に人気ですが、選ぶ際には注意点もあります。
ウルフセーブル:野性味溢れる美しさ
灰色がかった被毛に黒い差し毛が入る、その名の通りオオカミのような配色です。非常にシックで落ち着いた印象を与えます。ウルフセーブルは成長による色の変化が大きく、成犬になった時の姿を予測するのが難しい、通好みの色と言えるでしょう。
ブルー:幻想的なグレーカラー
「ブルー」と言っても青色ではなく、黒が薄まったような深みのあるグレーを指します。非常に希少で、ペットショップで見かけることは滅多にありません。独特のミステリアスな雰囲気がありますが、遺伝的に皮膚が弱い個体が含まれることもあるため、信頼できるブリーダーから迎えることが重要です。
チョコレート(ブラウン):チョコのような甘い配色
全身が濃い茶色に包まれた、非常に愛らしいカラーです。鼻や肉球の色も黒ではなく茶色(レバー色)になるのが特徴で、全体的に柔らかなトーンになります。退色が目立ちやすい色でもあるため、その変化も丸ごと愛せる覚悟が必要です。
ポメラニアンの不思議:子犬から成犬への「劇的な色の変化」
ポメラニアンを飼い始めた人が最も驚くことの一つが、色の変化(退色)です。「子犬の時に一目惚れした色と違う色になった」という話は珍しくありません。
なぜポメラニアンの色は変わるのか
ポメラニアンの被毛は、子犬の頃の柔らかい毛(産毛)から、成犬のしっかりとした二重構造の被毛(オーバーコートとアンダーコート)へと生え変わります。この生え変わりの時期に、色味が大きく変化するのです。特にセーブル系の色は、子犬期にあった黒い差し毛がほとんど消えてしまうこともあります。
将来の色を予測するヒント
「将来どんな色になるか知りたい」という場合は、耳の裏側の色をチェックしてみてください。 耳の裏の色は、その子が成犬になった時の色に最も近いと言われています。また、親犬や兄弟犬の現在の色を確認することも、非常に有効な判断材料となります。
毛色によって性格は変わる?最新の研究と経験則
「オレンジの子は活発」「ホワイトの子は甘えん坊」といった、毛色と性格の関連性については古くから語られてきました。
科学的根拠とブリーダーの意見
現在の動物行動学では、毛色の遺伝子と性格の遺伝子が直接結びついているという明確な根拠は見つかっていません。性格は毛色よりも、親犬からの遺伝や、育った環境、飼い主とのコミュニケーションによって形成される部分が圧倒的に大きいです。
色ごとの「傾向」として語られること
科学的根拠はないものの、多くのポメラニアンを見てきたブリーダーやトリマーの間では、以下のような傾向が囁かれることがあります。
毛色別・性格の傾向(経験則によるもの)
| 毛色 | よく言われる傾向 |
| オレンジ系 | 天真爛漫で、ポメラニアンらしい活発さがある |
| ホワイト系 | 少し神経質だが、家族に対しては非常に甘えん坊 |
| ブラック系 | 落ち着きがあり、飼い主に対して非常に忠実 |
| パーティー系 | 遊び好きで、好奇心旺盛な個体が多い |
これらはあくまで「傾向」であり、全ての子に当てはまるわけではありません。 毛色だけで性格を決めつけるのではなく、目の前の子犬自身の動きや反応をしっかり観察することが、最高のパートナー選びに繋がります。
命に関わる重要な話:マールカラーの健康リスクについて
近年、大理石のような複雑な模様を持つ「マールカラー(ブルーメルなど)」のポメラニアンが人気を集めています。しかし、この色の裏側には、無視できない重大なリスクが隠されています。
マール遺伝子が引き起こす障害
マール遺伝子は、被毛の色をランダムに薄める働きをしますが、同時に聴覚や視覚の形成にも影響を及ぼすことがあります。特に、両親ともにマール遺伝子を持つ「ダブルマール」と呼ばれる個体は、生まれつき目が見えなかったり、耳が聞こえなかったりする確率が非常に高いです。
慎重な選択が求められる理由
JKCでもマールカラーの繁殖には厳しい制限を設けています。もし、マールカラーの子を迎えたいと考えているのであれば、そのブリーダーが遺伝学的な知識を持って計画的に繁殖させているか、徹底的に確認してください。 見た目の珍しさだけで選ぶのは、その子の生涯にわたる健康をリスクにさらすことになりかねません。
美しい毛色を保つための日常ケアと食事
ポメラニアンの毛色は、日々のケア次第でその輝きを長く保つことができます。色がくすんだり、毛並みが悪くなったりするのを防ぐポイントをまとめました。
ブラッシングによる血行促進
毎日のブラッシングは、抜け毛を取り除くだけでなく、皮膚の血行を促進します。血行が良くなることで、被毛一本一本に栄養が行き渡り、色が鮮やかに保たれます。 特に換毛期には、アンダーコートをしっかり取り除くことで、新しい綺麗な毛が生えてくるのを助けます。
紫外線による退色対策
人間と同様、犬の毛も紫外線の影響を受けます。特にブラックやブラウンなど、色の濃い個体は長時間直射日光を浴び続けると、毛が焼けて赤茶色っぽく変色してしまうことがあります。夏場の散歩時間を調整したり、UVカット効果のあるスプレーを活用したりするなどの対策が有効です。
内側からのケア:食事とサプリメント
被毛の成分であるタンパク質や、艶を出すためのオメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸を豊富に含むドッグフードを選びましょう。栄養バランスが崩れると、毛色は真っ先に影響を受け、パサつきやくすみの原因となります。
よくある質問
Q:子犬の時は黒かったのに、茶色くなってきました。病気ですか?
A:ほとんどの場合、病気ではなく自然な「退色(変化)」です。 ポメラニアンのセーブル系やオレンジ系の子は、子犬期には黒い毛が多く混じっていますが、成長とともにその黒い毛が抜けていき、本来のベースカラーが現れてきます。これはポメラニアン特有の成長過程ですので、心配いりません。
Q:JKC非公認の色を飼うと、何か問題がありますか?
A:家庭犬として飼う分には、健康であれば大きな問題はありません。ただし、ドッグショーへの出陳ができなかったり、繁殖させた際に血統書の発行が制限されたりすることがあります。また、非公認カラーは遺伝的に不安定な場合があるため、健康状態にはより一層の注意が必要です。
Q:色によって抜け毛の量は変わりますか?
A:毛色によって抜け毛の量が大きく変わることはありません。どの色のポメラニアンも「ダブルコート」という構造を持っており、換毛期にはかなりの量の毛が抜けます。強いて言えば、ホワイトやクリームは暗い色の服に付いた時に目立ち、ブラックは白い床の上で目立つという視覚的な違いがあります。
Q:一番汚れが目立たない色は何色ですか?
A:オレンジやクリーム、パーティーカラーなどは、比較的汚れが目立ちにくいと言えます。 一方でホワイトは涙やけやよだれやけ、足先の汚れが非常に目立ちやすく、こまめな洗浄が必要です。ブラックも汚れは見えにくいですが、フケなどが出た際に目立ちやすいという面があります。
Q:ポメラニアンの毛色は途中で変わるのを止められますか?
A:残念ながら、遺伝的に決まっている色の変化を止めることはできません。しかし、適切な栄養摂取とブラッシングによって、その時々の色が持つ美しさを最大限に引き出すことは可能です。 変化していく過程も、その子の成長の証として楽しむのが、ポメラニアン飼育の醍醐味です。
まとめ
ポメラニアンの毛色は、単なる見た目の彩り以上に、その子のアイデンティティや健康状態、そして共に歩む未来を象徴するものです。どの色を選んだとしても、愛情を持って接し、日々のケアを怠らなければ、彼らは必ず最高の輝きを見せてくれます。
流行や珍しさだけに流されるのではなく、あなた自身のライフスタイルや、その子とのフィーリング、そして将来の変化を丸ごと受け入れられるかどうかを大切にしてください。あなたが選び、守り抜くその色は、世界でたった一つの宝物になるはずです。 ふわふわの被毛に包まれた愛犬との、彩り豊かな毎日が始まることを心より応援しています。





















ポメラニアンの毛色は非常に多彩で、JKC公認だけでも13種類以上が存在する
オレンジ、ホワイト、クリームが定番人気だが、ブラックやセーブルも個性的で魅力がある
ポメラニアンは成長に伴って劇的に色が変わる犬種であり、将来の色は耳の裏で予測する
毛色と性格の直接的な関係はないが、個体ごとの個性を尊重することが大切である
マールカラーなどの特殊な色は、遺伝的な健康リスクを十分に理解した上で選ぶべきである